紀伊半島Tour18 |
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「今年のGW、どこへ行こうかな」と思っていろいろ調べ始めていた2018年4月上旬。三重県の水呑峠が、2017年12月に開通したことを知りました。
水呑峠。2004年の大型台風により、大台ヶ原・宮川渓谷・大杉渓谷が丸ごと入山禁止になったのとともに県道まで通行止めとなって以来、紀伊半島Tour05の初日に撤退させられたのみならず、その後13年間、いつ調べても通行止めが解除になっていませんでした。その間この峠に興味を持っていた人々は一定量いたようで、オートバイや自動車による断続的な最新状況がWebに上がっていました。ただそれらの概要は、ずたずたになっていた県道が少しづつ復旧しつつあるものの、宮川貯水池側の橋が落ちているために「本当に通り抜けられない」というものでした。
13年間この状況は変わることは無く、県道番号も600番台のこの道は、やがて人々から忘れられて廃道になるのだと思っていました。
それが既に開通している。連休は1ヶ月後だ。行くしか無い。というわけで、今年の紀伊半島Tourはかなりはっきりした目的を持って決定したのでした。
そんな因縁じゃなくてもずっと再訪したかった道が、紀伊半島には他にもありました。国道425白谷トンネルに牛廻越、県道760引牛越、和田川松根スーパー林道こと県道229、国道371と木守平井林道。いつも大体どこか複数箇所が崩落の復旧工事などで通行止めになっていて、これら山間の道を効率良く一気に回れるという状況は少なかったように思います。実は今回も尾鷲市・上北山村間の八幡トンネルには通行止めとの情報が出ていましたが、工事期間の終わりが近いので問い合わせたところ、徒歩なら工事の休憩時間などに通していただけるかもしれないとのことで、気を付けて通ることにしたのでした。
実際には、更に事前に調べきれなかった通行止め箇所があったことは本編の通り。決して通行止めの突破を選んでいるという訳じゃないんですが。
一度税金を使って通した道はかならず復旧させる宿命を背負っている、各道路関係者の皆様には感謝しております。
通ってみたかった道ということでは、長年1/5万地形図で眺めて楽しくないわけがないと思っていた、龍神村中西部以降日高川の中下流域。実際に雨天輪行時に紀伊田辺へのバスから魅力的な農村風景をちらっと眺めたこともあり、ますます思いは募っていました。
今回初めて、しかもたっぷり1日かけて下流まで、一気に通ることができました。海岸近くまで徹底してくねくねの、登り返しの無い静かな道が80km以上。一見ありそうでなかなか無い、極楽の川沿いツーリングを楽しめました。終着は和歌山から比較的近い御坊。とかく長くなりがちな輪行時間が少し短くなったというおまけも付きました。
天気には大変恵まれました。ただでさえ降水量が多いこの地域、しかも連休中には比較的雨に遭いやすく、過去の紀伊半島でも3日に1度は雨が降るのが普通でした。それが今回は快晴3日、曇り1日という絶好調ぶり。
宿も4泊のうち3泊までが新規開拓でしたが、ことごとく大当たり。
今回は紀伊半島Tourで初めて一眼レフを持っていきました。フロントバッグに入ってしまうフルサイズ機K-1ならではのボディ+レンズ4本、ここぞという時の大変頼りになる高画質機ではありましたが、しかしほとんどの写真はGR2なのでした。まあそんな気もしてはいましたが。
THATA Vも含めて毎日300〜500枚ぐらい写真を撮った結果、各日分とも大変写真が多いページになってしまいました。
ところで自戒のために書いておきます。#2-3の途中、間違ってGR2をフォーマットしてしまいました(笑)。
例によって走行中片手撮りのためにカメラを掴んでいたら、緩い登りで脚に気を取られたときに間違ってMENUボタンを連続押ししてしまい、そのMENUがたまたまカードフォーマットになっていたのでした。レリーズボタンを押しても手応えが無く、画面を見たら背面液晶がフォーマット進行中(笑)。
愕然としましたが、初日の分は既にPCにバックアップ済みだったこと、フォーマット分はファイル復元ソフトで何とかなるかもしれないことに気付いたこと、そして運良くスペアのSDカードを持っていたことで、何とか現実逃避まで気持ちを戻してツーリングを続けることができました。
帰宅後、ファイル復元の結果はご覧の通り、全カットを一応復元することができました。でも実は完全に復元できた訳ではなく、SDカードからではなくカメラの内蔵メモリから復元したRAWファイルは一部が撮影情報無し。RAWのサムネイルJPEG(サイズがかなり小さい)まで使って何とか全カットを取り出せたことは、やはり首の皮一枚の幸運だったのでしょう。
などといういろいろな意味で大変盛りだくさんなツーリングを、まだおれはできるんだという実感が、一番の収穫だったかもしれません。53歳春の、心に残るツーリングでした。
記 2018/6/25
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