紀伊半島Tour18#4
2018/4/30 小口→近露-4

古座川町から林道木守平井線経由で田辺市へ 赤は本日の経路

小口→畦畑 (以上#4-1)
→足郷トンネル→松根 (以上#4-2)
→小屋野→平井
(以上#4-3)
→古座川町・田辺市境
(以下#4-5) →木守→合川
(以下#4-6) →平瀬→近露
105km RIDE WITH GPS

合川ダム目前 ひと安心 RICOH GR GR18.3mm1:2.8

 結局、そのまま路面の雰囲気を見ながら谷間の奥へ。優柔不断なおれ、等とは思ったものの、路面から車の通行の痕跡は消えていない。

分岐の橋には旧道の痕跡が見える RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 その一方で、道端に古座川町による昨年の熊情報が登場。不安要素に熊の恐怖が加わった。こういうときには新得の熊鈴だけが頼りだ。

 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 谷間の渓谷が森の中から岩場に変わり、更に奥へ奥へと道はどんどん進んでいた。

 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 それでもここまで、進むにつれて落ち枝やら砂利が増えるようなことは全く無い。

 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

一喜一憂しつつ、なんだかこのまま最後まで問題無いんじゃあないかという気もし始めたものの、流石にそんなに虫の良いことは無いだろうとも思う。通行止め看板が立っている原因の何かがあるのだ、多分。

 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8
  古座川町から林道木守平井線経由で田辺市へ 赤は本日の経路

 道が谷の一番奥にぶつかるようにくるっと向きを変え、離陸が始まった。入り組んだ岩場に貼り付き、よじ登るようにぐいぐい登ってゆく。淡々と登っていた谷底区間に比べて、離陸が始まってから、標高は急に面白いほど上がり始めていた。ホーロー塗装面が錆びて文字とマークだけが焼き付いている斜度看板には14%の文字。連日の10%峠で視覚が斜度に麻痺していることを、この時意識した。なるほど、これぐらいが14%か。14%ならインナーローでも恥ずかしくないね。

 行く手の山肌のけっこう上の方には、明らかにこれから向かう道の続きが小さく見える。道が貼り付いた岩肌が二重三重に連なって、道は更に上へと登ってゆくようだ。まだまだ峠部分まで急な斜度が続くのだろう。そして路上には、細かい岩が至る所に砕け散っていた。道が岩肌に取り付くとともにいろいろな要素の厳しさが少しづつレベルUPして、全体的に道の表情ががらっと変わってしまっていたのだった。

見上げる山肌が二重 け、けっこうあるじゃん…(笑) RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 空中の岩場に貼り付いた道は、何度も谷と尾根を折り返しながら、どんどん高度を上げてゆく。

すぐにさっきの場所を見下ろす位置に RICOH GRU GR18.3mm1:2.8
紀伊半島Tour18#4 2018/4/30(月)小口→近露 林道本山谷平井線 平井側 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 標高600mを越えた辺りで工事、いや、岩石撤去作業中の方が現れた。作業員さんとか職長さんというより、社長さんとか現場所長っぽい雰囲気だ。この休日に奥様らしき方と2人で作業されていたので、もしかしたら自主巡回撤去作業なのかもしれない。お伺いすると、まさにここが崩落現場だったらしい。有り難いことにその崩落土砂は全て片付けられた後で、少なくとも自転車で通していただく分には全く問題無かった。

「この道は年中崩落が起こっている。行けばわかると思うが常に石が落ちているので気を付けて欲しい」
とアドバイスまでいただけた。

曇りだけど新緑の山々は心に染みる RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 その後も舗装路面上にはところどころに小さな岩が転がり、カーブの内側や横断排水溝らしい道幅一杯に落ち葉が溜まっている箇所もみられ始めた。通行に支障があるという程でもないものの、車の通行に好ましいという訳ではない。自転車の私はと言えば、気を付けていたつもりが、枯葉で埋まった横断排水溝に前輪を落とし込み、あわや前転&パンクという場面もあった。超低速だったので、幸いフレーム損傷にもパンクにも至らなかったのは幸運だったと思う。或いは大小様々な崩落が少しづつ整備されて、完了区間が峠部分まで登りつつある途上だったのかもしれない。

市町境界到着 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 11:50、峠部分着。標高710m。

 

 この場所に峠としての名前は付けられていないようだ。しかし場所、周辺状況、標高差、険しさ、道の格など、どこを取っても過去4日間のどの道にも劣らない、堂々たる峠と言っていい。むしろ国道未通部分迂回路として、この険しさは他の細道国道に比べて一線を画しているようにも思われる。それがこの林道木守平井線が国道371に指定されない理由なのかもしれない。かと言って、じゃあ国道371が山道のままではいかがな物かとも思うし、ここより斜度の厳しい細道国道が無いわけではない。とにかく、交通量の大変少ない道だとは思うが、何とか問題無く通り抜けられる道であり続けてほしいものだ。

 稜線をひょいと越えた向こう側は、曲がりなりにも木々に囲まれて少し広場状になっていて、岩場をくるっと回り込むだけの古座川町側の峠部分手前よりやや優しい表情が漂っている。峠部分だけ少し拡がったアスファルト舗装部分には、A型バリケードが3つだけちょこんと、バリケードというよりまるで路上のオブジェのように立っていた。自転車の通行に全く何かが遮られることは無く、バリケードの内側から外側、つまり通行止め区間の外側へ通り抜けさせていただくことができた。

 
紀伊半島Tour18#4 2018/4/30(月)小口→近露 林道本山谷平井線 古座川町・田辺市境 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 これから標高130m強の合川貯水池まで24km、しばらく殆ど登り返しは無いはず。明日も含めて、5日間の大きな登りはこれで終わったことになる。明日は最大でも300m登り、大部分は下り一方の経済コースだからだ。

記 2018/6/9

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Last Update 2020/3/16
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