紀伊半島Tour18#5
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近露→中辺路町栗栖川
(以上#5-1)
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13:40、高津尾通過。というより対岸の賑わいに地図とGPS画面を照合し、その集落が高津尾だということを知った。
高津尾は地形図では「川原河」の西側に描かれている。日高川が曲がりくねりすぎているために、「川原河」の東端にある水上栃谷トンネルから、通常の地形図の2枚分以上ぐらいの距離感とともに、やっと「川原河」の西側に到達したのだ。何となく標高はどんどん下がってきてはいて川幅も拡がってきてはいても、周囲の風景は山深くなるばかりの今日の行程なのだが、初めてだいぶ下ってきたことを理解できた。
ひょっとしたら15時台のくろしおに間に合うかもしれないと思い始めた。
大分川幅が拡がった日高川を挟んで眺める対岸の道に、いつの間にか交通量が増えていた。一度山越えへ向かった再び県道26が、再び日高川の谷間に降りて対岸の道になっていたのだった。
こちらの道は県道196という名前に変わっていたが、谷間の幹線道路である向こう側に比べてひっそり静かな細道が続いていた。
中津の観音寺橋で県道193がこちらに渡ってきて、そのままこちらの道と合流して道の名前が県道193に替わっても、相変わらず細く静かなままの道だった。
しかし川沿いの平地部分は増えていて、道が平地の中へ向かって川縁から離れ、結果的に地形の目新しい変化が少なくなってきていた。というのは後で振り返って思い出すことであり、ただ細道沿いの入れ替わる風景を眺めて進んでいただけだった。
まあそれぐらいに進んでも進んでもあまり変化の無い道だと思ってはいたものの、地形図をみるとどんどん御坊に近づいてもいる。目安にしていた高津尾だって、とっくに過ぎた。行く手の山も目立って低くなり、山の上には風力発電の風車が目立ち始めていた。それは以前紀勢本線乗車時に眺めた、海岸沿いの山々を思い出させた。
計画時に地形図を見て、静かで楽しそうな谷間が続くんだろうなとは思っていたものの、こんなに延々と山深い谷間が続いたのは予想外だった。しかしやっと、風景が全体的に、海岸近くを予感させる雰囲気となっていたのだった。
と思っていると、日高川にかなり細い橋が架かっているのに気が付いた。GPSトラックがその橋を渡っている。県道から細道へ逃げるコースをGPSトラックで組んでいた、松瀬に到着していたのだった。ここまで来たらもう御坊はあと数km。
辺りも急に平地が拡がって、もうすっかり畑の中。自分で組んだGPSトラックはまさかと思うような畑の中へ入っていったものの、その通りに進めば裏道コースに迷いは無い。
紀伊半島Tour18#5 2018/5/1 近露→御坊 松瀬 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA |
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対岸の集落で、タイヤにずりっとした感覚を感じた。後輪がやや潰れ気味だった。停まって自転車をひっくり返して点検、石踏みによるスネークバイト系スローパンクというより予想外に摩耗したタイヤの布部分が露出していて、結論から言えば御坊までそろそろ走ってごまかすことに。
踏み込まない、変なところを乗り越えない、道の端っこの砂利は踏まない等細心の注意で御坊まで。
14:45、御坊着。何とか辿り着けてひと安心。
紀伊半島Tourシリーズで、過去に始発終着地が紀伊半島西側になったのは和歌山だけ。その時は早朝に出発してからすぐ高野山に登ってしまった。1日かけて半島西側を辿り、海岸に到達したのは、今回が初めてだ。安全に5日間、予定通りにコースを辿れたことに感謝、満足だ。
次の特急くろしおは15:13、輪行時間は30分弱。これなら余裕である。
特急くろしおは、新型なのに何故かスピードダウンした経済車287系ではなく、今や少数派となってしまった制御付自然振り子車のオーシャンアロー283系が来た。283系は意外なことに阪和線内でもぐいんぐいんに振子を効かせて突っ走ってくれた。最後に283系に乗れたのも、やはり2日目に参拝した池神社の御利益かもしれない。
記 2018/6/9