紀伊半島Tour18#4
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小口→畦畑
(以上#4-1)
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下り始めると、少し道幅が拡がったのは峠部分だけだったことがよくわかった。
山肌は古座川町側と同じように切り立った岩場で、道は岩場に貼り付いて、大きな谷の空中ををどんどん下り続けた。怖い区間の長さも怖さの度合いも、紀伊半島標準の通りである。
谷底の中ノ川は森の中。
しばし渓流の脇を下り続けて現れた、国道371との合流点には見覚えがある。
紀伊半島Tour18#4 2018/4/30(月)小口→近露 国道371・林道本山谷平井線 田辺市側分岐 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA |
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山に挟まれたこの谷間の中、川原の際にここだけ少し茂みのような草むらがあり、意外な開放感が漂っている場所だ。分岐から草生したコンクリート舗道が山中の茂みの中へ登り始めていて、徒歩だとしても、あまり踏み込みたくないヤバげな雰囲気が感じられた。自転車なら尚更、あっちに私が脚を向けることは無いだろうな。
木守では、2002年に下って来た板立峠からの道と合流する。板立峠の市道沿いにある小森の集落に、森の中から国道371が降りてくるのが、いかにも国道371らしい。そして、やはりこちら側にも道の脇に「通行止」のA型バリケードが立っていた。道幅がやや狭いため、同じA型バリケード1個でも、もしこっちから登っていてこれを見たら中に入ってないかもしれないという程度にややものものしく見える。まあ、それは通った後の言い訳かもしれない。
木守から清水の大塔山遊館までの18kmは、この辺りの国道371で残っていた未済区間だ。
中ノ川からいつの間にか名前が変わった前ノ川の渓谷に沿って、細道が深い杉の森の中に延々と続く。
森が深く渓谷沿いのため、一見国道425と似た表情に見えないこともないが、谷間はあまり極端に曲がりくねることは無く、比較的先が見通せる。そのため、下りのペースは国道425等よりやや調子が良い。
等と油断すると、ブラインドコーナーの向こうから軽トラが現れたりする。やはり、あまり調子に乗るわけには行かないのであった。
下り斜度が大分緩くなってくるとともに、杉の森に木漏れ日が現れ始めた。森の外側、渓谷も明るくなっているようだ。
午後になってやっと晴れ始めてきたようだ。GPS画面の道の線形を地図で照合し、ゆっくりのんびりなりにも少しづつ、合川貯水池に近づきつつあることを確認してゆく。
谷底の渓谷が川幅一杯になってから、やっと以前何回か泊まっていて今は営業休止中らしい清水「おおとう山遊館」が登場。そうか、この道の上流部はこうなっていたのか、と思う。
14:30、面川渓谷出合着。2002年の初訪問以来毎回脚を停める、橋の細いパイプ欄干に自転車を停め、残しておいた「小口自然の宿」のおにぎりを二つ食べてしまう。
紀伊半島Tour18#4 2018/4/30(月)小口→近露 国道371 面川渓谷出合 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA |
宿までもうあと25kmちょっと、総標高差260m。曲がりなりにも山奥の峠を2つ越えてここまで無事に辿り着けたことも、久しぶりに日なたの面川渓谷に出会えていることも嬉しい。多少はらはらした局面もあったものの、今日も平和なサイクリングを楽しめている。
紀伊半島Tour18#4 2018/4/30(月)小口→近露 国道371 合川大橋 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA |
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記 2018/6/9