紀伊半島Tour18#2
2018/4/28 上池原→湯ノ又-1

上池原 朝っぱらから200m登り RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

上池原→寺垣内
(以下#2-2) →白谷トンネル
(以下#2-3) →小川
(以下#2-4) →滝→蕨尾
(以下#2-5) →牛廻越
(以下#2-6) →三ツ又沢出合→湯ノ又
97km RIDE WITH GPS


 4時。もう辺りは薄明るいが、どうせ朝食は7時だし、夏の北海道と違って荷物も少ない。5時半まで2度寝できる幸せ、ああ、休暇中なんだと実感。
 5時半にはもう完全に夜が明けていた。カーテンを開けて引き戸を開けると、谷間は切り立った山に囲まれていて、その山肌はまだ薄暗い影の中。見上げる空は真っ青で、朝の光が迸るように明るい。予報通り、今日は日中下界が暑くなるのだろう。

 朝食前に荷造りを全部終え、フロントバッグだけ手元に残して自転車にくくりつけてしまう。時間があるので日焼け止めもべたべたに塗りたくっておく。べたべたに塗りたくるのは、3年前に亡くなったとある友人の影響だ。自分は今日も元気にツーリングできる、と周りの山の緑を眺めて思う。

 

 7時から食堂で朝食。昨夜の夕食同様充実していて大変美味しい。昨夜は別室で宴会だった大団体さんと、今朝は食堂で一緒の朝食だ。部屋毎にやって来るのか、眠そうに何人かづつまとまって、言葉少なに朝食を食べ始めている。グループツーリングの時の自分たちもそんな感じだと思う。
 今日のコースは大まかに言えば2つの峠越え、終着は和歌山県田辺市龍神村だ。まずは昨日に引き続き国道425。最初のハイライト白谷トンネル越えは、標高差600mの登りにかなり長く続く山腹空中区間、そして全体的に交通量極小。ツーリング天国の細道だ。過去には2005年、2007年の2回訪問している。3度目の再訪が、崩落通行止めや雨天運休でずっと延期になっていた。今回は天気最高、行程は朝一の余裕たっぷりで、満を持した11年振りの訪問となる。

 7:45、「下北山きなりの郷」発。上池原の谷間には日差しが当たり始めて、辺りがすっかり明るくなっていた。

山に囲まれたきなりの郷 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8
下北山きなりの郷から寺垣内経由で白谷トンネルへ 赤は本日の経路

 谷間が狭くて大きく曲がりくねっていて、道の向きも頻繁に変わるため、国道168を経由して再び国道425へ向かうまでGPSトラック頼りだ。途中今回の行程全体でも珍しいコンビニとなるヤマザキデイリーストア「カーブの店」へ。同チェーンにありがちな萬屋とコンビニの合いの子みたいな雰囲気のお店で、「きなりの郷」予約時に聞いていた通り、ここなら朝っぱらから食料を仕入れることができると思った。今日のところは軽くチョコを購入しておく。朝食をたっぷり食べた後だし、昨朝地元ファミマで仕入れたバームクーヘンも4つ丸ごと残っている。お昼前には白谷トンネル越え区間を下りきり、確か食堂があったような気がする十津川温泉に着けるだろうし。

 8:00、上池原発。
 標識に従い国道168から国道425へ曲がると、いきなり道は集落の生活道に替わった。民家の軒が続く静かな細道が日なたで明るく、今朝もツーリングが始まったという実感が嬉しい。

集落の外れから登りスタート RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 集落外れから、道は早くも180mの登りへ。もちろん地図でも過去の訪問でもそんなことはわかりきっている。10%位の坂がしばらく続く筈で、以前何度か下った時にこんな坂絶対登りたくないと思っていたこと、途中谷間を見下ろす眺めに脚が止まったことは覚えている。

谷間の眺めで離陸する様子がよくわかる PENTAX K-1 HD PENTAX-D FA15-30mm1:2.8ED SDM WR

 杉主体の森につづら折れの折り返しが3回、途中やはり上池原の谷間を眺め降ろす場所があった。青空の下、明るい谷間に集落の営みが感じられた。

上池原の集落よ さらば RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 折り返しなどで日なたは日差しが厳しいものの、最上段はほぼ木立の中。まだ空気は暖められていなくて、ひんやり涼しく快適だ。

 この後すぐ寺垣内まで下ってしまうので、朝一の幟無駄遣いではある。しかし、上池原から国道168を5km走らせられるのに比べたら、こっちの方が随分楽しいことには間違い無い。

 杉の森の向こう側は池峰の集落。坂を登り切って向こう側はすぐに集落だったはず、と思っていると、登り切る手前の森に囲まれた、鏡のような明神池が道端に登場。「池神社」という小綺麗な神社もあった。

木陰がひんやり涼しい明神池 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8 パノラマ合成

 これから連休中のツーリングでの安全を祈願しておくのに、今この国道425沿いの神社はこれ以上の場所は無いと思われたので、お参りさせていただく。後で紀伊半島Tour18全体の天気を思い出すと、お参りしてからちょうど国道425に関係する日だけが絶好調のど晴天だった。参拝の御利益は十二分にあったと言える。

下北山きなりの郷から寺垣内経由で白谷トンネルへ 赤は本日の経路

 西ノ川の谷底を5km強、標高差100m強。池峰の集落から寺垣内の上手までは集中的に、しばし結構な斜度で杉の森に下りが続いた。2007年の訪問では寺垣内から逆方向、登りでこの道を通っている。ややしんどかった記憶があり、この坂なら登りはしんどいだろうと納得させられた。

 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 寺垣内は下北山村の中心部。村役場は国道169沿いではなく、この寺垣内にある。学校もあって、山の暮らしが明るく朝日に照らされていて、ところどころで朝餉の煙が上っている。青い山影、日なたの透けるような輝くような明るい新緑とともに、山間のごく普通の風景こそがツーリングを実感させてくれる。

寺垣内の民家 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 景色を眺めて下りに身を任せているうち、以前泊まった「松葉館」は通り過ぎてしまったようだった。9:05、寺垣内の分岐から国道425方面へ。

記 2018/5/28

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Last Update 2020/3/16
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