紀伊半島Tour18#1
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三瀬谷→宮川貯水池
(以上#1-1)
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坂本ダムと池原貯水池は完全に連続していてて、国道425の湖岸区間は合計20kmにもなる。池原貯水池の外周道路も坂本貯水池と同じく木立の中だが、木立の茂みが深く、湖の展望が見えそうで見えないぐらいに遮られることが増えた。
坂本ダムから下流の池原ダムへ少し下った後、早くも道が登り返し始めた。池原ダムの外周区間にはけっこうアップダウンがあることをやっと思い出した。
アップダウンは最大40mぐらい。岬越えのよくあるパターンのものが多く、次から次へ途切れることが無い。池原貯水池湖岸だけで標高差100mは軽くありそうだ。そういえば前回、果てしないアップダウンにうんざりしたんだった。
相変わらず道幅は狭くカーブは厳しい。カーブミラーはあっても、路面が少し荒れていたり岩が散らばっていて、下りでも20km/h台前半ぐらいしか出していない。
対岸に切り立つ山が、木立の向こうにちらちら見える。所々岩肌が露わで、そうでないところは新緑色とりどりの広葉樹林が密に茂っている。
貯水池全体として果てしなく山深く、これはこれで国道425の際だって個性ある区間だと思う。
しかしカーブと等高線と周囲の風景により、少しづつ池原ダムまで次第に近づいていることはわかっていた。
湖岸区間終盤では、1日楽しんでそろそろ帰り始める観光客のものらしきワゴン車が急に増えた。
正面に池原ダムの構造体が現われ、最後の坂を下ったことがわかった。
17:40、池原ダム着。ダムサイトから堤体へ続く細道がそのまま国道425指定の道となっていて、一度対岸に進んだ道が更にその先で別の堤体上を渡っているのが見渡せる
堤体を挟んだ貯水池の反対側は100mの高低差で落ち込んでいて、うねる谷間に北山川がジオラマのように見下ろせる。
R0010207.JPG 紀伊半島Tour18#1 2018/4/27 三瀬谷→上池原 池原ダム1谷間側 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
2009年に見た風景、いや、空間感覚を思い出した。三瀬谷から120km。オプションコースは省略したものの、急がず焦らず淡々と、しかも楽しみつつ、希望予定通りに池原ダムまで着くことができたのを実感できた。
二つ目のダム堤体を渡る手前で、細道が分岐して道端の森へ下ってゆくのに気が付いた。というよりこの道、地形図では破線で描かれている。この後宿に着くには、ダム堤体から対岸に渡って国道169に合流し、谷底へ100m以上一気に下り、再び対岸から北山川をこちら岸に渡ることになる。その行程を、手前の山の中だけでショートカットする道なのだ。
道の存在は当然のように意識していた。破線だったのでダートか山道なのではないかと思っていた道が、今もの前では普通の白抜き細道ぐらいの舗装道路であり、ひょっとしてこのまま下まで舗装なのではないかとも思われる。
とりあえず、と思って行ってみると、結局下まで全く問題のない舗装道路が続いた。最後の嬉しいショートカットだった。
北山ダムの下、ぐるっと回り込む谷底に、運動場や温浴・宿泊施設を備えた「下北山きなりの郷」がある。裏手から敷地に降りて宿泊施設棟を探していると、「下北山きなりの郷」という看板を発見。この施設自体、2002年の初紀伊半島で見かけていることをようやく思い出した。何事も再訪しないと思い出せない。
荷物を降ろして宿の手続きを終えて18:00。最後はぴったり、こうだといいなという目論見通りだった。何か無理をした訳じゃない。写真だって撮る場所で撮っている。9年振りの国道425も心に残る良い道だったし、コース全体を比較的かっちり決めてきた今回の5日間に自信が持てるようになった、幸先のいい1日だった。
団体のお客さんが別室で宴会中のため、夕食は通常の食堂で私一人。オプション無しの通常メニューだったが、充分に充実していてとても美味しい。HPで見かけた温浴施設併設レストランのピザの写真がとても美味しそうで、夕食後に絶対食べに行こうと思っていたが、全く必要無くお腹いっぱい大満足なのだった。
記 2018/5/20