私の好きな道 #3
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屈斜路湖の外輪山にはいくつか峠があります。一番有名なのは屈斜路湖北側の国道242、標高約400mの美幌峠。笹原の拡がる展望台から望むなみなみと迫り来る屈斜路湖は、昔から多くのサイクリストに語られてきました。北海道ツーリング定番の峠と言っても良いでしょう。
一方、屈斜路湖西側、道道588の津別峠は標高754m。更に標高差200m上には、津別町営の津別峠展望台があり、ここまで舗装林道が通っています。
展望台まで登ると、美幌峠との標高差は500m強。真下の屈斜路湖、その向こうの根釧台地に知床山脈、北方領土、振り返ると雄阿寒岳・雌阿寒岳をはじめとする山々、晴れた日の展望は比較になりません。
こんなに素晴らしい展望の峠があまり知られていないのは、屈斜路湖側も津別側も峠全区間に続く狭い道が車・オートバイを阻んでいるのと、道東、いや、道内でも道道の峠では随一と思われる斜度の坂が続くからではないかと思います。また、舗装完了は96年と意外に最近で、かつては訪れにくい峠でした。全区間舗装となった今も、道自体は変わらないので標高が変わるはずもありません。部分的に10%を越える斜度の津別側、標高差500mを一気に登る屈斜路湖側、そして峠から展望台へ10%以上の坂がしばらく続くふるさと林道区間と、かなり登り応えのある峠です。
しかし、鬱蒼とした広葉樹林の中の道は素晴らしく、次第に拡がる下界の風景がその疲れを一気に吹き飛ばしてくれることでしょう。
初めてこの津別峠に訪れた1995年、何とこの峠は全区間通行止めの舗装工事中でした。網走から中標津へ向かうのに、通行止めの標識を見落とし、峠下着は11時前。もはや他へ回る選択肢はありませんでした。
10%を超える斜度の坂、バッグを全部外して3往復した担ぎ登り降り、路盤から工事中のぐちゃぐちゃの土の中を重機オペさんに怒られて通り抜けたり、ありとあらゆる裏技を駆使してようやく屈斜路湖側に抜けられて一安心。
完全舗装となった今、だいぶ通りやすい道になりましたが、車の来ない森の路、のっしのっし歩くクワガタやエゾシカは未だに健在です。
津別からの麓アプローチは、そう広くない谷間を遡ります。津別側からのアプローチはこの道しか無いのですが、前述のように津別峠の通行はとても少ないため、この道にはほぼ地元の車しか通りません。このため、静かな畑の中の1本道に続く穏やかでのどかな農村風景を、たっぷり味わうことができます。
途中の上里小学校(2007年3月閉校予定)は、木々に囲まれた校庭に小さな校舎が何とも可愛らしく、ちょうど休憩に都合が良い辺りでもあり、いつもここで休憩してイタヤカエデの大木の「ながい年月を見てきたよ」の掛札を眺めるのを楽しみにしています。
記 2006/1/18
走行記録
2008/8/11-1・2
2007/8/15-1・2
2006/8/13-3・2
2005/8/17-2・3
2003/8/13
2002/8/14
2001/8/11
2000/8/17
1995/8/17