北海道Tour06 #3-3
2006/8/13 下居辺→古丹

津別峠・津別峠展望台から屈斜路湖畔経由で古丹へ

下居辺→(道道496・居辺地区広域農道)北門
→(国道274)芽登→(道道88)喜登牛(以上#3-1)
→(道道88)常元→(道道211)置戸→(国道242・町道)豊住
→(道道50他)北光→(道道27)津別→(道道588)上里
(以上#3-2)
→(道道588他)津別峠展望台→(道道588)ウランコシ
→(国道243)サッテキナイ→(町道)古丹   190km

津別峠の下りもいよいよ最終局面 屈斜路湖が正面に見えた 間もなく湖畔 RICOH GR DIGITAL GR5.9mm1:2.4

 15:55、津別峠入口着。いよいよ今回も津別峠開始である。目の前から始まる激坂と、嘘臭い8%の標識を眺めつつ、ちょっと水を飲んでおにぎりを腹に入れ、おもむろに出発。

 暑さと陽差しと激坂で一気に汗が吹き出てくるが、しばし我慢だ。いつもある程度登ると急に涼しい風が吹き始めるのだ。特に今日は時間が遅めなので、その風もきっと涼しいだろう。

 期待通り、取り付き部から森のトラバースに入ると、辺りは森の空気でぐっと涼しくなった。峠まで1回だけの折り返し地点を過ぎた辺りから、木々の向こうに辺りの見晴らしが開けると共に、何とも涼しく気持ちいい風まで吹き始めた。毎回北見地方の熱気から、道東のすずしい風を感じ始める瞬間でもある。

 広葉樹に針葉樹、いろいろな木々はそれぞれ堂々たる佇まいで立っていて、その向こうにちらちらと、阿寒の山々が逆光の日差しの中に青いシルエットでそびえ立っている。いつも津別峠で楽しみな風景だ。

 今日は更に空が晴れてきていて、日差しはこの時間になって赤みを増している。近くの森から遠くの青い影のグラデーションが、彼方に消えて行く。ほんとに良い峠だ。

 最初はかなりの斜度だったが、折り返しから上は7%基調。しかし時々10%以上が登場するのは下から上までこの峠のお約束だ。最後は最大斜度の12%でぐわっと登り、16:55、津別峠着。
 まだ時間がある。そろそろ夕方、雲も無い。日なたは真っ赤、日陰は真っ青、屈斜路湖から東の展望は大変なことになっているだろう。ここで余裕を持つために、今日は屈斜路湖畔の「のんき舎」に宿を取ったのだ。経済走行で暑さに対抗してきたのだ。もう何が何でも展望台に向かうしかない

 1とはいえ、さすがに早朝から続いた暑さで身体はぼろぼろ。展望台へのふるさと林道に入ると、激坂でしょっちゅう休みが入る。休むとすっかり涼しい空気がとても心地よく、ペットボトルの水をぐいっと飲んでまたえちらおっちら登り始める。

 17:30、展望台着。この最高の展望ポイントに来て、空には雲も所々にしか見られない。早速建物へ入り、2階からの展望を楽しむことにした。

 期待通り、やはり夕方の景色は色もコントラストもドラマチックだ。真っ赤に柔らかい夕方の日差しに照らされた緑の大地。屈斜路湖、湖岸の牧草地、そしてその向こうへ続いて行く標茶の台地や知床山脈の山裾方面が、クリアに見渡せる。光が赤い分影は深い青みを帯び、手前はやはりクリアに、そして遠景は次第にコントラストが弱くなり、赤も緑も青も渾然一体となって空へ消えて行く。
 反対側を振り返ると、雌阿寒岳辺りは雲に隠れているものの、阿寒手前から津別方面、北見地方の山々が、手前のくっきりクリアに見渡せる山の姿から、やはり少しずつ曖昧な色になって、逆光の中へ消えて行く。
 静かな涼しい風に吹かれて、今年もこの屈斜路湖の大展望を眺めることができたことが嬉しい。そして、その景色が過去最上級の津別峠の景色であることが。

11 夕陽を浴びて雌阿寒岳が雲の中に CanonNewF-1 FD20-35mm1:3.5L PKR
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 刻一刻と変わる夕方の光と眼下の大地と屈斜路湖。いっそここで真っ暗になるまでこの顛末を見届けなければ、とも思う。なかなか出発する気が起きないが、一方でもう18時前。そもそも宿到着予定が18時である。最低限夕食予定は19時なので、これにも遅れるようだと宿に迷惑を掛けてしまう。

 それでも過去の津別峠、いや、過去の北海道Tour中最高級の景色に、なかなか足は動かない。粘りに粘ってそろそろ景色全体が暗くなってきたところで、18:00、展望台発。

津別峠・津別峠展望台から屈斜路湖畔経由で古丹へ 赤は本日の経路 13
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 えっちらおっちら登ったさっきの峠からの激坂は、急だっただけに面白いほど一気に終了。そのまま津別峠を通過、屈斜路湖側へどんどん下ってしまう。

 素晴らしい展望が開ける屈斜路湖の展望も、さっき更に見応えのある展望台からの景色が楽しめたし、中盤の鬱蒼とした広葉樹林にも、もうあまり見入っている暇はない。

 広葉樹林の頭上が開けると、再び正面に夕方の曖昧な光を鏡のように反射した屈斜路湖が登場。

 そのまま国道243へ一気に下りきり、ウランコシから夕方の湖岸の農地をのんびり進む。

 夕方の淡い光、北見より全然涼しい空気の中で、時々やってくる車はそろそろフォグランプを付け始めていた。緩やかな起伏を描く広々とした牧草地や畑の中、もう時間の問題となった宿到着を前に、のんびりのんびりこういう道を進むのは実に楽しい。
 実は疲れてもうあまり足も回らないのだが、向かい風が無いのと気温が低いのとで、身体もかなり楽になっている。

11 置戸方面から津別峠・津別峠展望台経由で古丹へ 赤は本日の経路
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 18:45、古丹「のんき舎」着。森の外れ、牧草地を裏側にして建つ静かな宿だ。

 例によって宿の中には熱気が溜まっているらしく、夕食・入浴中「しばらく網戸にしておきます」とのことだった。灯りをつけて網戸にすると、網の目より更に細かい恐怖の吸血昆虫「ヌカカ」が大量に入ってくるとのこと。
 道東でもまだ暑いのか。

記 2006/9/10

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Last Update 2006/11/19
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