北海道Tour05 #5-3 2005.8/17
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(以上#2) |
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際限の無い激坂に負けそうだったが、ほんとに何とか15:00、津別峠展望台着。さすがにこれだけ厳しい峠だと、登り切って嬉しい。
いつの間にか西から雲が現れ始めていて、早くも雌阿寒岳が雲に隠れていた。だが、それ以外はぐるっとほぼ周囲の山が一望できる。
建物を回り込んで屈斜路湖側に出てみると、知床の遠景がやや雲に隠れている他は、こちらもほぼ晴れ渡っている。
裏摩周・西別岳から知床方面の山々が明るい陽差しに照らされ、リアルな模型のように間近に見えた。足下には、毎回飛び込みたくなる程青々と屈斜路湖が。その向こうは牧草地と森の丘陵が根釧台地へと続き、午後のもやへ消えている。
最高のタイミングで晴れてくれた天気につくづく感謝。また「来て良かった」と思った。
展望台の建物に入ると、何と売店が営業していない。今日もう一つの目的、蕎麦が食べられないのである。客が少ないので営業を止めた、なんてことではないといいのだが。
気分を切り替えて、3段構成の展望台を登ったり降りたりしていると、もう一人、若いサイクリストが現れた。今日は美幌峠を越えて屈斜路湖岸へ、そしてこの津別峠へ登り、この後は津別の親戚宅へ泊まるとのこと。
ちょっとだけお話しするうちにもう何組か客が登場。ちょっと騒がしくなってきたし、そろそろ撤収の時間だろう。
15:30、津別峠展望台発。さっきあれだけ苦労した登りが、今度は面白いようにくるくる景色が変わる下りに変わって再登場。忘れ物などしていると怖いぞ。
津別峠はそのまま通過。展望台へは津別峠の手前で分岐だったので、厳密に言うとこの時点でようやく津別峠に到達したことになる。
津別側と違い、斜路湖側はピッチが比較的長めのつづら折れが続く。上の方、トラバース気味の開けた道から屈斜路湖がぐわーっと見渡せ、少し進むとその見え方も変わる。
天下の屈斜路湖の展望はダイナミックでゴージャスだが、最高の展望はもう展望台で撮ってしまったし、さすがにそろそろ時間が押し始めている。
横目でちらちら眺めながらそのまま下り、下半分の森の中のつづら折れを抜け、屈斜路湖岸へ。
屈斜路湖岸で国道243に合流、開けた牧草地の緩やかな丘を弟子屈へ。さっきの津別峠での激晴れから一転、空には何と再び雲が拡がり始めていた。恐ろしく絶妙なタイミングで、最高の場所でだけ晴れてくれたのである。
多少横風も吹き始めていたが、ぎりぎりの角度で何とか向かい風にはならずに済んではいた。でも、道の微妙なカーブの角度には一喜一憂。湖岸の牧草地、釧路川の流域の森、更にその先の弟子屈へ続く牧草地を、わずかな下りに乗じて何とか経済走行で切り抜ける。
16:45、弟子屈セイコーマート着。いつも休憩するこの店が弟子屈の目標ポイントになってしまっている。事情は誰も似ているようで、国道243のドライバーがよく立ち寄るのか、何故かこの店ではいつもレジに時間が掛かる。店員さんがなまけてちんたらやっているのではなく、客が多いのだ。
このまま休憩時間を含めても、ここを何とか16時台には出発できるだろう。前回の時間を参考にすると、地平線が拡がるいつもの虹別分岐まで約1時間、そこから養老牛の中川商店交差点まで約1時間。何とか先が見えた。今晩泊まる養老牛温泉「ホテル養老牛」に、到着は19時ぐらいになる旨電話を入れておく。
弟子屈の河岸段丘から根釧台地までは、段階的に標高差200m弱の登りとなる。
途中では牧草地やカラマツの森がなだらかな丘に入れ替わり現れる。17時を過ぎてもともと夕方な上、空の雲も更に厚くなって周囲は薄暗い。いつも道東ならではの広がりを感じる景色も、空が暗いとむしろ重苦しさが感じられる。あるいはこれも道東の厳しい風景なのだろう。
弟子屈町から標茶町に入り、丘陵地帯のピークを軽いアップダウンで乗り越えると、虹別の通信棟脇だ。いつも地平線が消える辺りに、今日は厚く重く暗い雲がかかっている。それでも、根釧台地が目の前に拡がっていた。
17:50、虹別発。もはや写真も撮りにくいぐらい暗い。それでもまだ行く手の空は、地面に較べればぼんやり明るい。
雲が多いとはいえ、拡がった空と広々とした牧草地が、今回も道東に来れたことを強く感じさせてくれた。
焦っても仕方無い。普通に走っても、もう先は知れているのだ。
18:55、養老牛温泉「ホテル養老牛」着。
養老牛温泉のいつもの花山荘は遂に廃業してしまったようで、インターネットには花山荘の連絡先を発見できなかった。まあ思えば建物自体、どう贔屓目に見ても薄気味が悪い箇所すらあった程ぼろい宿ではあった。が、真冬に中標津から電話を掛けて泊めてもらった1990暮れのツーリングを始め、色々思い出深い宿でもあったのだ。
その辺りの事情を尋ねると、何と同じ養老牛温泉の某宿が買収したものの、新事業スタートには至らなかったとのこと。放置されたままバリケードが立っているらしい。
記 2005.9/19