紋別→(道道305)鴻之舞
→(道道137)見晴
→(道道711・林道・町道)野上
(途中まで5-1 以下5-2)
→(国道333)仁頃
→(道道7)北見
→(道道27)津別
→(道道588)ウランコシ
→(国道243)札友内
203km
北海道Tour03 #5-2
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旧道の短くて狭いトンネルを抜け、また延々と下る途中で雨は大分弱くなった。
下りきった平野部を栄から若佐へ移動し、そこから今度はルクシ峠の登りになる。平地を取り囲む山の斜面に沿って、一直線に伸びる道が下から見える。当然、登り道からも平野部が一望にできる。雨が弱くなったせいか、前後を山に挟まれて、サロマ湖まで拡がる細長い平野がぐるっと目の前に拡がり、圧倒的である。
ルクシ峠のトンネルを抜けると雨は完全に上がり、20kmの長いだらだら下りが続く間に薄日が射すまでになった。国道333の交通量は国道にしては少なく、山間に拡がった畑には鹿などもいた。自転車で脇を通過すると、ものすごい高さと飛距離でジャンプして、畑の麦をなぎ倒しながら走り去って行く。これだけ見ても、鹿が農家の敵であることがよくわかる。普通山間の畑には、大体鹿除け網やフェンスが張られているのだが、鹿としてもそういう物が無い畑を狙い撃ちするのだろう。
13:15、仁頃発。ここから北見経由で津別へ直接抜けることにする。まだ先はあるが、この時間だったら今日は何とか津別峠へ行けそうだ。
北見まではそう長い距離ではないが、交通量が多くかなり埃っぽい。再び空模様はあやしくなってきいて、時々降り出す雨に雨具を着たり脱いだりする。雲が低い天気にも、黒々と濡れた道にも、あまり気分はぱっとしない。
北見地方の中心だけあって、北見はかなり大きな町だ。住宅地をかすめたつもりでそろそろ町外れかなと思っていたら、これからが中心に向かうという位置なのである。にぎやかな町中、住宅地、ロードサイド店舗が次々過ぎ、すぐに始まった開成峠のだらだら坂を登ると、また延々20km以上のだらだら下りが続く。
最後に行く手の谷が開け、白い煙が立ち上っているのが見えてきた。津別の製材所だ。いよいよ津別である。休むと身体がすぐ冷えるぐらい寒いが、ソフトクリームでカロリーを補給し、15:25、津別発。
2000年に再訪して以来毎年来ている津別峠だが、今回は過去一番遅い時間の峠越えになる。
津別峠へは、そう広くない谷に平らな畑が続く、静かでのんびりした農村風景が続く。先はまだ長いが、あとは大体ボリュームがわかっているので、今までよりも多少気楽な行程だ。とは言え時間が押している。いつも休憩する上里小学校では今日は休憩できない。
上里を過ぎると、見た目にも道の斜度が増え、道の周りには林が目立つようになる。谷が狭くなり、道の両側に森が続きだすと、間もなく峠区間の取付だ。
峠の常で取付はかなりの激坂である。標識ではこれで8%とのこと。印象からは意外に少ないな、と思っていたら、その後にあった11%・12%は意外に大したことは無かったり、明らかに10%を越えていそうな坂でも6%とか書いてあったり、看板は全くあてにならないようだった。
インナーロー、蛇行、禁断の裏技を駆使して何とか激坂を登り続けた。道が狭い津別峠は、うるさいバイクや自動車が非常に少ない。来てものろのろなので、坂は厳しいが安心できる道だ。静かな道にはリスやら鹿やらがうろついていたり、昆虫が歩いていたりする。路上で鳴くエゾゼミや、大きなミヤマクワガタも観察することができた。
GPSの軌跡と地図を見比べながらじりじり登り続け、標高が次第に上がると雲の中が明るくなってきた。路面はまだ濡れているが、峠の向こうの屈斜路湖側は晴れているのではないか。
17:45、津別峠着。結局今までで一番遅い時間の津別峠越えとなってしまった。
峠周辺から屈斜路湖側は、100mが見えないぐらいの一面霧の真っ白な世界だった。この時間にこの霧、今日はここから200m登りとなる展望台は諦め、このまま下らないといけない。休んでいると、下から白い霧が特撮のドライアイスのように押し寄せて、見る見るうちに視界は更に真っ白になっていった。しかし、その霧の空の中がうっすらと明るく、ほんのり赤みが差している。このまま下ってももう雨の心配は無いだろうし、宿の夕食にも何とか間に合うだろう。
峠で乾いていた路面は、下り始めて再びじっとり真っ黒に濡れてきた。延々下りが続くが、あまり調子に乗って速度を上げるわけにはいかない。ましてやブラインドカーブの多い峠道、雨の中を走ることが多い今回のツーリングではただでさえシュー辺りがずるずるになっている。
斜面を巻きながら高度を下げると道は広葉樹林の中のつづら折れになり、雲の下に出たのか急に霧も晴れた。そして森を抜けると、正面遠くに薄暗い雲の下、曖昧な色の水面が拡がった。屈斜路湖である。
また道東にやってきた、という気持ちで胸が一杯になった。
屈斜路湖の湖岸に出て、次第に暗くなる広々とした平野を一目散に下り、18:50、鱒や着。ぎりぎりで夕食には間に合った。
記 2003.8/26
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Last Update 2003.9/21