北海道Tour07 #8-2 2007/8/15 札友内→三里浜

札友内→(国道243)ウランコシ→(道道588)津別峠
→(林道津別峠線)津別峠展望台
(以上#8-1)
→(林道津別峠線)津別峠→(道道588)津別
→(国道240)本岐→(道道494)チミケップ湖
(以下#8-3) →(道道494)日出→(町道西19他)相内町
→(国道39)留辺蘂
   120km

津別峠展望台 眼下に見下ろす屈斜路湖が見事 RICOH GR DIGITAL GR5.9mm1:2.4 津別峠から上里経由で津別へ 赤は本日の経路

 9:50、津別峠展望台発。

 さっき登ってきた10%以上の下りで、ふるさと林道津別峠線の標高差200mはあっと言う間に終了。

 峠へ下ってわかったが、標高差200m下っただけで明らかに気温が上がってむっと暑い。さっきの涼しさが名残惜しい。

 だが、名残惜しいぐらいならまだましだった。

 津別峠から再度合流した道道588で、津別側の山腹トラバースをどんどん下る。明るい日差しに輝くような森の緑の中、気温は面白いようにどんどん上がってきた。いつも灼熱の下界から、高度が上がって涼しい風を感じるこの辺りでこの暑さなのだ。これは大変なことになるかもしれない、と思った。

 峠取り付きの急降下に入ると、更に空気が温い。その気温に驚いているうちに峠区間終了、そのまま上里の谷間区間へ。

 辺りはしばらくカラマツの森の中、それでも頭上は開けていて、基本的に日なたの道だ。鋭い日差しに照らされて、木々の濃い緑が滅茶苦茶に鮮やかになっている。

 峠区間終了後も津別へ延々と下り続けるこの道だが、足を回すのを止めても暑い。空気全体が何だかお湯の中を走っているように暑いのである。熱風に吹かれて、というより炙られているように暑い。

 いつもの道道588の上里、美都の景色は素晴らしく、青空に緑が鮮やかだが、とても景色を楽しむ気にならない。日陰を求めて路上をふらふらさまよいながら、まだかまだかと津別到着を待つ。

 こんなことでこの後チミケップ湖を目指せるのか。いや、森の脇ではそれでも風が少しは涼しいから、ダート区間の森の中へ入ってしまえば何とか耐えられるだろう。

津別峠から津別経由でチミケップ湖へ 赤は本日の経路

 11:10、津別着。
 暑いし予定よりだいぶ遅れ気味である。この際チミケップ湖は外すか。いやいや、2002年以来ずっと、チミケップ湖を目指してもいつも曇りだったのだ。暑くても何でもここは久しぶりの晴れのチミケップ湖を拝まないと。このチャンスを逃すと、やはり後でずっと後悔するに違いない。それに天気予報だと、今日はこの後夕方から雲が出て夜は雨になるようだ。ということは、早ければ15時ぐらいから曇りになると言うことである。あるいは天気の崩れが早まって、雨になるかもしれない。つまり行程をこなそうとしても、天気で変更を余儀なくされるかも知れないのだ。
 ならば、晴れているうちに早くチミケップ湖に行ってしまう方がいい。最悪ただでさえ延着気味の今日、あまり必要以上に津別でうだうだする余裕は無い。

 とはいえ暑すぎる。下りから登りに移る前に、国道240沿いのコンビニで休憩しておくことにする。チミケップ湖から下るまで、しばらく補給ポイントと呼べるような商店は無いのだ。

 店に入ると、空気ががひやっと気持ちいい。いや、外が暑すぎるのだ。同時にコンビニに入ってきた子供達も、「暑い暑い」と大騒ぎである。涼しい空気の中で、次第に頭がはっきりしてきた。一安心すると同時に、裏を返すと今日は危険かもしれない、ということでもあると思った。まだお昼前、この暑さがまだあと2時間以上、しかも更に気温は上がるだろう。何とか早く山間に行って、森の涼しい空気で身体を冷やさないと。

 わずか3日前に下ってきた国道240。前回も暑くなり始めていた時間帯だったが、今日の暑さは比較にならない。次第に近づく低山に挟まれた谷間のだらだら登りは何とかこなし、本岐で道道494へ分岐。

 準幹線級の国道から田舎道道に移っただけあり、路上も辺りの雰囲気もかなりがらっとのどかになるのが嬉しい。しかし、登り基調もやや鮮明になり、ペースもがくっと急に落ちる。もうお昼。ほぼ真上から照りつける猛烈な陽差しに、空も緑も、景色全体が濃厚で鮮やかな色となり、狭くなった低山の谷間、緩い斜度の畑の1本道には、逃げ場が少なくなってしまっていた。

 途中観光牧場が1ヶ所あるが、自販機などありゃしない。ちょい坂で目一杯ギヤを落としても、つらいものはつらい。頭がぼうっとなり、周りの景色が白くなり始めたところで、たまに木陰が現れる。ツーリングの神様が、チミケップ湖の神様が、活かさず殺さずの首の皮一枚で、なかなか拝めない晴天のチミケップ湖へ、来れるもんなら来てもいいよと呼んでくれているのだ。そう考えないと、すぐにでも来た道を戻ってしまいそうだった。

 何と無く見覚えのある景色の向こうに、ようやくダート区間が登場。助かった、と思った。
 木漏れ陽が明るいダートだが、森の風が涼しく、時々通る車が砂ぼこりを立てるものの、斜度自体は緩く、のんびりのんびり進むことにした。さっきの舗装路の抜き差しならない状況から考えると、とりあえず一安心である。
 それでも、最後の鹿鳴の滝越えの斜度が増す箇所からは、押しが入っってしまった。踏み込む足に全然力が入らないのだ。明らかに軽い熱中症である。

 木漏れ陽の曲がり角の向こうに、真っ青な湖水が見えた。チミケップ湖到着である。

遂に到着 チミケップ湖が青だ! RICOH GR DIGITAL GR5.9mm1:2.4

 真っ青な湖水は空の青を映しているからで、前述のように近年何度も訪れていたのに、2000年以後見ることができなかった色、会うことができなかった風景である。

 山間の穏やかな穏やかな湖面、チッチゼミと鳥の声が響く木漏れ陽の道。木々の間、湖面から吹いてくる、ここまでの風とは質が違う涼しい風、その風にざわめく森。湖畔の道端に立っていると、過ぎて行く時間を時間が感覚でわかるようだ。

 つくづく来て、いや、来れて良かった。

記 2007/9/24

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Last Update 2007/11/10
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