北海道Tour02 #6 2002.8/14 屈斜路湖→鹿の子温泉

古丹→(道道52・国道243)ウランコシ
→(道道588)津別峠
→(林道上里線)津別峠展望所
→(林道上里線)津別峠
→(道道588)津別
→(国道240)本岐
→(道道494)日出
→(道道50・国道242)置戸
→(道道211)鹿の子温泉
130km

鹿の子温泉

置戸

日出

チミケップ湖

本岐

津別

上里

津別峠展望所

津別峠

古丹


 雨・低温続きの日々だが、昨夜の天気予報によると、今日は道東も網走も北見も待望の晴れ(時々曇り)とのこと。同宿のライダー達からは歓声が上がっていた。天気予報に何度か騙されていた私は、そんな甘い話を信じちゃイカンと思っていた。
 目覚めると、かなり濃い霧が辺りに漂っていたが、なんとなく霧のニュアンスは明るいように思う。まあそうでなくても、降ってなかったら有り難く出発である。

 今日は津別峠・チミケップ湖とオキニ場所を巡り、以前から気になっていた鹿の子温泉で泊まる予定だ。2年前に津別峠・チミケップ湖へ行った時とほとんど同じルートになってしまうので、チミケップ湖以降は前回通っていない訓子府方面のダートへ行く。
 ちょっと距離が短いような気もするが、翌日のルートを考えると宿はここが一番つながりはいい。それに早めに鹿の子温泉に着けるようだったら、鹿の子ダムや奥の方の林道へ行ってもいいかな、等という抱負もある。でも癒し系のチミケップ湖へ行ってしまえば、その時点で満足してしまうのだろう、とは思った。

 外に出ると、さすがに落石や標津の異常な低温よりは気温が高い。ようやく何とか常識的な範囲の夏の朝の気温の場所に来た、と思った。6:20、古丹「のんき舎」発。それでも用心して防寒着を着込んで出発するが、ちょっと走って身体が温まり、すぐに防寒着を脱ぐ。

 朝靄の屈斜路湖畔をちょろっと走り、プリンスホテルのすぐ向こうから津別峠の登り口に入る。
 畑の中の直登はすぐに山裾の森の中、つづら折れになる。自動車1台分しかない幅の狭い道の、身体に近い空間感覚というか、親しげな表情がうれしい。山に入ってじっとしていると冷えて寒いくらいの気温だが、登りの発汗で、ポロシャツも脱いでTシャツ1枚になる。荷物が軽いので、いつもの記憶よりも明らかに楽に登れているのがありがたい。え、こんなに楽だったの(いや、楽じゃないですが)、という感じだ。

 やがて地面の近くに溜まった霧の部分を抜けたのか、道の上の木の間、霧の上に青い色が見え、空の中の動く雲の薄い部分から、時々陽が射すようになった。もう少し登ると、屈斜路湖の上に溜まった霧、ふわっとした霧から頭だけ飛び出した和琴半島や、摩周の山々が見渡せた。
 今までいた屈斜路湖、道東方面から山肌を津別側に回り込み、間もなく7:55、津別峠着。さらに当然のように展望所まで激坂を約2km登り、8:20、津別峠展望所着。

 標高975mの展望所はさすがに屈斜路湖畔よりは寒い。それでも昨日まで尾岱沼とか落石で迎えた朝に較べるとかわいいものだ。この時間、当然だとは思っていたが、楽しみにしていたうどん屋はまだやってない。
 ここへ来たら屈斜路湖や雄雌阿寒岳を眺めながら売店のうどんを食べたかったので、しばらく待つことにした。
 東側は空は一応晴れてはいるが、太陽の部分に雲が懸かっていて、時々陽が射すというぐらい。展望所から下界を眺めていると、だんだん霧が晴れてくる。湖面が所々で雲の隙間の青空を反射しているのが霧から透けて見えるのが面白い。反対側は晴れていて、津別から阿寒につながってゆく山々の一面の樹海を見渡すことができた。

 風が強いのと気温が低いので、寒い。外にいると防寒着を着てもまだ寒い。建物の中で居眠りなんかしながら9時過ぎまで待ったが、結局売店は開かなかった。今日は最終的に置戸町の鹿の子温泉に行けばいいのだが、せっかく早出したのにもう出発しないと引っ込みが付かないように思った。うどんをあきらめて、9:25、津別峠展望所発。

 峠下りの途中で太陽が出てきた。厳しい夏の日差しである。太陽が出てきたという以上に気温もぐんぐん上がってきた。展望所はあんなに寒かったのに、津別側のこちらへ降りてくると、明らかに昨日までの道東より暑い。大体釧路・根室は夏の北海道でも低温地域、網走・美幌地方は高温地域なのだが、10℃気温が上がった感じだ。下りで着ていたままだった防寒着が、気が付くと暑くて我慢できないぐらいになっていた。

 いつもの休憩ポイント、いかにも田舎の小さな小学校という風情の上里小学校に寄る。程良い広さの校庭の隅に木陰があり、そこに自転車を停めて防寒着とポロシャツをしまう。
 Tシャツ1枚で出発すると、汗が風で飛んでゆく感じ。暑すぎず寒すぎず、快適の一言に尽きる。寒い道東と違って青々と勢いが良い畑の作物・木々、エゾゼミやキリギリスの合唱の間を、追い風と一緒に下り続ける。

 10:45、津別着。 行く手に補給ポイントが無いので、セイコーマートで早い昼食にする。津別のセイコーマートには飲食スペースがある。あまり落ち着けないファーストフードのような机で、カツ丼を食べながら思った。
 何か今日は早々と津別峠を終え、しかも津別峠で1時間もだらだらしてしまったので、安心してしまっている。もうチミケップ湖を経由して、あと鹿の子温泉まで行くだけでもいい気分だ。荷物が軽いので、いざとなったらどうにでもなる(いや、どうにでもはならないのだが)という気持ちもどこかにある。なにしろ急ぐ必要は全く無い。何かさらにだらだらしてしまいそうだ。
 そんな気持ちを何とか押さえ込み、11:30、津別発。それでもまだ11:30。

 12:45、チミケップ湖着。
 前回2年前に来た時と較べて多少釣り料金案内の看板が立ってはいるが、相変わらず静かな湖麺、静かな山々、静かな外周ダートが素晴らしい。木漏れ陽のダートをチッチゼミの鳴き声の中、もう本当にゆっくりのんびりと進む。初日のような山間の激ダートではなく、熊の心配もそうはいらないだろう、という安心感もある。ちょっとしっとり濡れた路面も、却って埃っぽくなくていい。

 どこかで腰を落ち着けてゆっくりしたいところだ。が、ちょうどランチタイムだったチミケップホテルのレストランは、しかしながら何か建物の中のガラス張り高級レストランで、外気と遮断されていてだめだと思った。
 もう少し先、前回ゆっくりしたキャンプ場へ行ってみる。今回はキャンプ客が多く、特に一番奥の方の湖の際までびっしりとテントが立っている。そんなに大騒ぎしているわけではないのだが、テントの間では何と無く居心地も悪く、ちょっとぼうっとして撤収することにした。まあ、十分チミケップ湖の静かな雰囲気は味わえたし、今回はこれで撤収しよう。あまり落ち着けないと言えば落ち着けなかったが、これで十分満足できた。
 13:30、チミケップ湖発。

 訓子府への道は鬱蒼とした森の中の1本道だ。湖を抜けると舗装になるのに、なぜか途中の津別町と訓子府町の間の峠越えで、再びダートになる。そう標高差は無く、別に激坂というわけでもない。途中の尾根からは北見方面へ深い山々の眺めが開け、なかなか楽しくゆっくり進んだ。
 14:40、日出着。なんかいろいろのんびりしすぎてこんな時間になってしまった。思えば津別峠でゆっくりしすぎたのが間違いの始まりだった。でも、他への寄り道はしないで鹿の子温泉に直行すれば、夕食前にゆっくり温泉に浸かれるぐらいのいい時間だろう。

 交通量が多い道道50では、適当に走ったのに追い風に乗って妙に快調に進み、16:20、置戸発。
 交通量が減ってのんびりと道道211は、両側の低い山に挟まれた置戸川の谷を進む。あまり広くない谷間に拡がった畑には、アブラナやトウキビ、テンサイやジャガイモ、ソバなど、いろいろな作物がそれぞれ花を咲かせていた。空は再び薄曇りとなっていたが、その雲の隙間から赤い夕日に照らされた畑がカラフルで、近くの山、遠くの大雪や十勝の山を背景に、楽しい道だ。今まで道東にいたので、あの山を越えるともう十勝なのかと思うと、なかなか感慨深い。

 16:55、鹿の子温泉「鹿の子荘」着。
 小汚く、ちょっとあやしい雰囲気すら漂わせる(失礼)建物だが、2年前に見かけてずっと泊まってみたかった憧れ(?)の温泉だ。以前は「ジンギスカン」という看板が掛かっていて、夕食はジンギスカンをけっこう期待していた。ところが、「ああ、一昨年はジンギスカンだったんですよねえ」とのことで、今は刺身系の夕食なのだそうだ。

 日中けっこう陽射しが強かったので、日焼けで身体が熱い。火照った身体を冷やそうと外に出ると、さすがは山間の宿らしく、冷えた空気が気持ちいい。ただ、灯りの周りにはおびただしい大型のガやらカワゲラやらが輪を描いており、閉口して早々と退散。

記 2002.8/22

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Last Update 2003.12/31
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