私の好きな道 #20
茶内原野・別寒辺牛

赤は当該区間

 起伏とともにどこまでも漠々と拡がる根釧台地。道道123・928と道道813をつなぎ、その南部と東部の内陸部を周回するように回り込み、厚岸町の太田から別海へ向かう道です。
 根釧台地も下手のこの辺り、起伏の波は比較的大きく、その地形を真っ直ぐに貫いてどこまでも延びてゆく道。また、周囲はどこまで行っても牧草地と森、谷間には湿地の茂みが続きます。
 牧草地の多くは非常に大規模で、その大規模牧場の中を通る道でもありますが、牧場の一つ一つはあまりにも広いので、人の手が入っている牧場の中の道なのに、その実態は限りなく無人に近いという奇妙な二面性を持ちます。
 一方、道道813からは自衛隊矢臼別演習場が見えます。海のような丘陵地帯の演習場は、テントも演習の発砲音も物々しく、広大な大地と人工物の両方の張りつめたテンションが漂います。というのは観光客のものの見方で、とかく気象条件の厳しいこの地域、地元の生活と密着した自衛隊となっています。

 一方、別寒辺牛から太田へは、その大部分が広大な私有林と広大な手つかずの湿地帯。谷間に拡がる湿地帯には手つかずの茂みが拡がり、静かながら何か音の無い迫力のようなものを感じます。他が晴れていても、ここだけ急に曇ることが多いのも、その何だか不気味な迫力を助長します。道道自体の開通も新しく、10年以上前の地図には道すら載っていません。
 この茂みにはダート林道が何本か通っていて、以前から興味はあるのですが、一方で熊が棲んでいるらしく、ちょっと踏み込みにくい面もあります。そういえば、この区間では鹿もよく見かけます。広大な茂みだけあって、いろいろな生き物が棲んでいるのでしょう。

 全区間に渡って起伏は絶えない道なので、見晴らしのアングルはダイナミックに変わります。しかし、その場所その場所であまり沿道風景自体は変化は無く、ある意味単調と言えば単調。でも、その単調さも大地の果てしない広さを強烈に感じさせる魅力的な道です。

 浜中町はルパン三世の原作者、漫画家のモンキー・パンチさんの出身地。牧場の羽化の表札代わりの看板には「妖精花伝説」のモンキー・パンチさんによるキャラクターと物語のいわれがあしらわれ、また集落案内の地図はルパン三世のキャラクター達がその集落を紹介する、という作りになっています。

記 2006/2/15

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Last Update 2009/7/11
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