上阿寒→(道道222)阿寒→(道道834)釧路
(以上#6-1)
→(国道44)ルークシュポール→(道道221)上尾幌
→(道道1128他)太田→(道道813他)茶内原野
(以下#6-3)
→(道道813他)西円朱別→(農道・道道123)浜中
→(農道)西厚床→(国道44)厚床
(以下#6-4)
→(道道1127)初田牛→(道道142)西和田
→(道道780)花咲港 182km
8:10、釧路発。先のことを考えると、もう国道44でなるべく早く根釧台地に行ってしまうのが良いだろう。
というわけで、町外れから片側3車線、取り付く島の無い国道44へ。
釧路から続く河口の低地は街外れで終わり、別保まで低湿地帯の谷間をくねくねした後、根釧台地へ続く丘陵の森林帯となる。特に高い山があるわけではないこの辺りの森は、しかし何か異様な程濃い深森の雰囲気が漂っている。
その雰囲気通りに涼しければいいのだが、道幅の広さのためか、木が切れた空高くから例によって鋭く厳しい日差しが照りつけてきた。上からの日差しに加え、路面の照り返し輻射でかなり暑い。いや、凄く暑い。ちゃんとした測定条件下で計る気温は路面温度なんて関係無いから、いわゆる天気予報などの気温では25℃かもっと低いということになるのだろう。えっちらおっちら登る私を勢いよく抜いていった学生ツーリストらしき2名も、丘の上でしばらく休憩していた。
海岸沿いの集落昆布森への分岐、深山が丘陵の最高地点。標高は100m弱、意外な登り量ではある。分岐にはちょっとした広場があり、昆布森の名前通りに例によって昆布干しの真っ最中である。海岸際岸壁上の道道141が海岸まで降りる昆布森の漁港でも、昆布漁の船や昆布干しの人々が、漁村総出で大忙しなのだろう。
ルークシュポール(という地名なのです)で上尾幌への道道221へ、やはり交通量の少ない道はほっとする。
森の中の丘を越えると、少し開けた谷間に民家や牧草地、そして根室本線の駅が現れ、9:05、上尾幌着。
何とか9時過ぎに上尾幌に付けたのは良いが、この後1時間半で太田とすると、いつものように別寒辺牛湿原を経由して茶内原野、円朱別着がお昼過ぎ、浜中到着は13時半。その後太平洋岸を経由したいから、初田牛到着は15時半ぐらい。岸壁上の道で落石経由、花咲港到着は18時半だろう。しかし、今晩の宿は夕食の地魚が美味しい民宿「一福」、なるべく夕食の予定時刻18時には到着したい。これだとタイトな行程である。今日この暑さでこのペースをこなせるかどうかはわからない。ましてや根釧台地、地形はわかっていても風向きまではわからない。
それ以上に暑さのせいか溜まった疲れのせいか、それとも昨夜の延着による睡眠不足か、かなり眠くなってしまっている。出力も明らかに落ちている。こういうときは、木陰で一寝入りするに限る。なあに、いつも居眠りじゃ5分も寝ないのだ。
目覚めるとやはり5分が経っていた。明らかに頭がしゃきっとしてやる気が出てきている。あまりうだうだしちゃいられない。
再び丘陵の森を登って道道1128に合流、そこで森が切れて辺りが開け、一面明るい緑の丘が開けた。牧草地と防風林が地平線へ波打つ緑の世界、根釧台地に到着したのだ。▼動画1分33秒
南片無去の丘の上、うまい具合に道道1128はくねくね方向を変えながら太田に向かう。
根釧台地にしちゃ比較的走りやすい道で、丘の上から周辺の丘の上、遙か摩周や阿寒の山々までが見渡せる。 ▼動画51秒
太田までなかなか快適な道なはずだが、さっき居眠りして回復したはずなのに、何だか足に力が入らない。睡眠不足はけっこう深刻なようだ。もっと言えばそれは睡眠不足と言うより、慢性的にこれまでの疲れが溜まっているのかもしれない。かもしれないじゃない、自分の身体なのでわかりきっているのだが、単にそれを認めたくないだけなのだ。
11:20、太田通過。そのまま道道14を横切って道道813へ。
まずは別寒辺牛湿原。丘越えから丘越えへ、湿地帯の低い森の中をくねくね続く道。
森というよりとても深い茂みの雰囲気が漂う、一種独特の迫力がある景色がしばらく続く。
どこまでも一直線の道が丘を越えて視界の彼方に消えてゆく、見晴らし抜群の根釧台地では、更にここだけが独特な、いや、それも広々とした根釧台地の一つの側面というか、印象的な道だ。
途中の高台ではほんの一瞬一面緑が拡がる低地の湿原を見渡したり、別寒辺牛川を渡る箇所ではその低地の茂みに突入するようでもあり、ちらっと見える別寒辺牛川の静かな水面に、まるで巨大な生物の内部器官の粘膜を見たような生々しさを感じたり。
道自体は新しめの幅広道道、森も製紙会社所有の植林だったりと、よく見ると辺りは意外に人工物にまみれている。だが、その向こうに見えたり隠れたりしている自然の厳しさなのか。
いくつか分岐するダート林道へも、その独特な雰囲気、迫力故に、もう長い間なかなか近づけずにいる。
記 2008/9/23
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