北海道Tour02 #5 2002.8/13 落石→屈斜路湖

落石→(道道142)初田牛
→(道道1127)厚床
→(国道243)奥行臼
→(道道930)上風連
→(道道123・道道813)大別
→(道道14・町道)太田
→(道道1128)上尾幌
112km

美留和→(農道・国道243・道道52)古丹
11km

屈斜路湖

釧路

古丹

美留和

上尾幌

大別

太田

別寒辺牛湿原

茶内原野

上風連

奥行臼

厚床

初田牛

落石


 いつものように4:30過ぎぐらいに起きると、いつものように宿の前の道が濡れている。まあ毎度のことで、雨が降らなければ走るだけだ。等と考えているうち、例によって雨が降ってきたのに気が付いた。のみならず、すぐに雨は強くなった。窓の外の水たまりにけっこう大きな水滴が見える。今日も輪行か。まあそれならそれでいいんですけどね。でもどっちにしてもとりあえず落石駅には行かないといけない。雨が弱くなるのを待たないと。
 等と考えている内、この辺の気候の常で、海岸部は霧や雨でも、ほんのすぐ内陸部は雨が降っていなくて曇りぐらい、という天気が多いのを思い出した。
 半分以上気持ちが輪行に傾いていたが、今日は行けるところまで行こう、という最後の一線だけで走り始めた。

 雨が弱まったので宿の外に出ると、予想していたとはいえ、寒い。レッグウォーマー・防寒着・上2枚で歯が鳴るくらい寒いから、東京の11月下旬とかそれ位ではないか。
 6:10、落石発。海岸沿いの岸壁の上にある宿からの道を駅に向かう。駅の手前で昨日の道が分岐して内陸部へ向かうので、そっちに足を進める。

 思った通りすぐに雨が止んだ。厚床へ向かうにつれ、たっぷり濡れていた路面がしっとりぐらいになり、初田牛を過ぎると路面が乾きだした。おまけに強追い風で、なかなか快調なペースである。
 7:20、厚床着。

 厚床からも、奥行臼の道道930の分岐までは、昨日の道の逆走だ。
 毎年厚床から海岸側に向かうとぐっと気温が下がって霧っぽくなるが、今日も厚床から内陸部へ進むと、路面が完全に乾いて空気が乾いてきた。相変わらず厚目の雲が空を覆っているが、遠景は見渡せる。今日は意外と行けるかもしれない。早々と輪行にしないでよかった。とはいえ、いつ雨が降ってもおかしくないぐらいの厚く暗い雲が、緩やかな隆起を繰り返す緑の根釧台地の上に拡がっていた。

 7:50、奥行臼着。ここから道道に分岐して、牧草地の中を上風連へ向かう。柔らかい緑の丘、点在する防風林が続く。道はその中を軽くアップダウンを繰り返しながら、地形にある程度沿って長い直線・カーブ・長い直線・カーブの連続が続く。静かな道道沿いの農場はやはりどこかのどかだ。明るい黄緑の牧草地には時々牛がいる。自転車で脇の道を走る私を牛達がずうっと目で追うのが面白い。
 牛のいない牧草地には鹿の群もいた。2・3匹ぐらいだったら鹿も時々見かけるのだが、立派な角を生やした鹿が10頭ぐらいると、ちょっと驚く。カメラを出すと、多少ばらけていた鹿達は、急に寄り集まってこっちを見た。よく本で読む、警戒態勢だろう。

 8:40、上風連着。私の道東定番ルートのひとつ、道道813に合流。
 今までと同じような、根釧台地内陸部の丘と牧草地の風景が延々と続く道だ。厚い雲の下に拡がる緑の大地を眺めながら、淡々とアップダウンをこなすようになっていた。
 浜中町特有のモンキー・パンチ氏画の牧場表札が現れ、茶内原野の一直線道路連続大アップダウンが現れたころ、ついに落ちてくる水滴を感じるようになった。間もなくそれが連続し、雨になった。
 ところが、いつも余所が晴れていてもそこだけは必ず曇っている大湿原、別寒辺牛湿原を横断する区間に入ると、雨が止んで路面が乾きだした。どうやら海側に雨が降っているようで、海から少しでも離れると雨雲の影響が少なくなるらしい。
 鬱蒼とした別寒辺牛の広がりを道道から眺めながら、少し足を止めておにぎり補給にする。低い台地に囲まれた湿原は、何か圧倒的な迫力と共に奥の彼方へ続いて行く。この湿原の中にはいくつか迷路のような細道が走っている。今回は軽装なので、天気さえ許せば、ぜひその中にも足を踏み入れてみたかったのだ。
 等と考えていると、再び雨がぱらついてきた。  

 11:10、太田着。
 海岸の厚岸から近いこの辺は、雨こそ霧雨みたいだが、道路はべとべとに濡れてしまっている。今すぐ土砂降りになってもおかしくないような空模様だ。そろそろ撤退を考える方がいいのかもしれない。でも、もう少し内陸部に向かうと、又状況は好転するのかもしれない。
 悩んだが、結局先に進むことにした。

 太田から塘路へ向かう道道1128は、去年も通った道だ。何か天気で目論見が外れてしまい、去年のコースを逆走する感じになってしまっている今日の経路だ。まあ見込みは付けやすい。
 道が厚岸方面から離れて内陸部へ向かうと、思惑通りやはり雨が止んで道が乾いてきた。しかしそれも一時的なものだったようで、やがて辺りが霧雨に包まれて霞むようになった。今日は寄り道をしていないので大分時間がある。そこで、去年も寄ってソフトクリームを食べた片無去「グリーンウェーブ」で様子見をしようと思った。

 11:45、「グリーンウェーブ」着。去年はソフトクリームしかやっていなかった「グリーンウェーブ」は、「旅来香」だったか何かに名前を替えて、喫茶店に変わっていた。こういうあて字系の名前はニガテなのだが、まあいい。

 結局、店で休んでいるうちに、雨は本格的になった。しょうがないので、最寄りの上尾幌まで11km寒い雨の中を走って、輪行移動に切り替えないといけない。
 結局こうなる予定だったが、まあ道道813を走れたので、良しとするべきだろう、と思った。
 13:10、上尾幌着。濡れているという以上に、輪行作業中寒い。やってきた気動車は暖房していたので暖かく過ごせたが、釧路で列車を降りるとまた震えるほど寒い。

 美留和には結局17時過ぎに着いた。この駅では1985年夏に駅寝をしたことがある。知床5湖だけを見物して、斜里から知床まで日帰り往復した日の宿がこの美留和だったのだ。駅に降りてみると当時の駅舎は跡形もなく、派手に塗られた車掌車の箱が置いてあるだけだった。ただ、砂っぽいホームは比較的当時の状態で残っているように思う。
 17:55、古丹「のんき舎」着。

記 2002.8/14

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Last Update 2003.12/30
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