尾岱沼→(国道244)床丹→(道道929・町道・道道8)別海
→(国道243・道道128)上風連
(以下#7-2)
153km
今日で7日目。近年の暦通りの休みだとそろそろ旅程も終盤、寂しいという気持ちより、いい加減疲れが溜まって「そろそろ終わってくれないかなあ」等と考え始めるのだが、今年は何とまだ12日の旅程の半分を過ぎたところ。
朝から青空が見えると、やはり目覚めが違う。道東も別海町、しかも海沿い。きりっと涼しい空気が気持ちいい。今日も1日気持ちよく走れそうだ。
6時出発に合わせて5:30に用意してくれた朝食を有り難くいただき、6:10、尾岱沼「まきばの宿」出発。毎朝のおにぎり朝食に較べ、まともな朝食をいただくと身体の調子は明らかに違う。気分もいい。
昨日に引き続き、オホーツク海沿いの国道244を南下する。この道東まで来てオホーツク海というのは意外だが、一応この辺りは根室の先、納沙布岬から北がオホーツク海、太平洋でなければ全部オホーツク海なのである。
そのオホーツク海沿いに、海岸、低い台地がアップダウンで次々入れ替わり続く。オホーツク海はこの時間にしてすっかり高く昇った太陽を反射し、きらきら眩しい。その向こうには、靄でシルエットになった国後島が大きく見える。
明るく広々とした海岸線は、また同時にどことなく寂しい最果ての雰囲気が漂い、それは昨日走ってきた羅臼からの海岸線と連続している。そんな雰囲気、海岸に打ち寄せる波の音、ウミネコの声をじっくり味わえるのは、交通量の少ない道ならでは。▼動画32秒
朝から気分は良かったが、GRDがまたもや不調である。昨夜宿で何度か連続して起動できるようになり、レンズ繰り出し状態で乾燥させ、雨の影響を可能な限り減らし、早朝はちゃんと起動できたのに。もう流石に昨日夕方のようにあまり粘らず、すぐにGR1に切り替えることにした。しかし、何と無くちょっと気分が壊れてしまった。GR1が嫌なのではなく、GRDが壊れつつあるらしいことについて、気分が浮かないのだ。自分でもつくづくカメラ依存のサイクリングだと思う。
しかしこういう時、GRDとフロントバッグの逆サイドのポケットに入れっ放しでGRDと同じぐらい雨の影響を受けているはずのGR1が、何事も無かったようにすいすい起動し、撮影後素早くフィルムが巻き上がり、電源オフで素早くレンズが収納される。ほんとに心強い。描写力も素晴らしいが、絶対に手放せないカメラである。
海岸沿いの道の行く手に民家が現れ、内陸への分岐が登場。本別海の道道364分岐だ。ここで内陸へ向かわないと、国道243〜道道8の道と別海で交差できない。どっちにしても別海へ寄って補給する必要があるので、ここで西へ向かわないと効率が悪いのだ。
低地の鬱蒼とした森に一直線の道がしばらく続いた後、起伏のある牧草地の丘が拡がった。海岸からいくらもないのにこの広々とした見晴らし、さすが根釧台地だ。
牧草地の丘の背中にしばらく道が続いた。そうアップダウンは無いしそこそこ景色も良いが、どうも地図で見るより距離感がある。予定外の角度で曲がる道と、そこで交差する道、そしてその交差している道の行く手に今自分が通って来た「本別海」とあるのを見るに至り、ようやく気が付いた。明らかに道間違いである。
GPSと腕時計のコンパスと地図を再度見直すと、どうやら1本北の道っぽい。ということは、さっき本別海と思って曲がったのは、1本北の床丹だったのだ。道の線形、交差箇所と道の方向、周囲の地形の感じはそれで全部辻褄が合う。
もう逆戻りしても意味は無さそうなので、その1本違う道の通りに進むと、果たしてそろそろかなと思う辺りで道道8に合流。別海の町の約2km北である。それにしても、別海周辺も以前よりだいぶ住宅が増えた。町というのとは違うが、少なくとも住宅が断続している。以前はこの辺りというか、別海の町から出ると、すぐに森と牧草地だったはずである。どんどん町が拡がりつつある中標津と同じく、中標津空港の影響と思われる。
7:35、別海着。コンビニで休憩するが、今日もそろそろ8時。その上さっきの海沿いから内陸に来たこともあり、すでに厳しい陽差しがじりじりと暑くて仕方がない。空を見上げると、太陽はすでに空の高い所に登ってしまっている。8時でこれだ。お昼辺りが思いやられる。
別海から国道243を西へ向かい、狙い定めて道道128へ。
根釧台地も国道243の内側ともなると中央部エリア、牧草地と森の台地、低湿地と川が連続する。登って台地の牧草地と防風林、下って谷間の湿地に川、そして牧草地。丘を越えると次の景色がまた登場し、景色それ自体は常に変化するが、走りながら眺める起伏豊かな地形、小高い丘から見渡す辺りの牧草地や低地、とにかくどこまで行っても緑、緑、緑である。ただ起伏が激しいので、見晴らしはいいが意外に見渡している範囲は狭い。
アップダウンのせいでも木陰の少ない道のせいでもなく、気温がぐわーっと予想外に上がって、もう普通に暑くて仕方が無い。とにかく太陽光線が厳しいのだ。
たまたまこの辺りでは非常に珍しい商店を見つけて緊急避難、缶飲料で休憩することにした。出てきたおばさんも「暑いねえ〜」と暑そうに話しかけてくれる。この辺り普段の気温が低いので、25℃以上は「すごく暑い」、30℃ともなればもうぐったりなのだ。▼動画4秒
暑さとアップダウンの連続で、頭が多少ぼうっとなりはじめた。一面緑の風景も何だか砂漠のように見えてくる。▼動画37秒
8:40、上風連着。道道123と930の交差点、緑の中の小さな集落である。低地へ向かって行く一直線の道の景色が好きな場所だ。少し離れてAコープもあるので、その気になれば補給は可能だ。
この辺りで、丘の続く別海町の丘陵地から、アップダウンはやや小刻みだが起伏の緩い浜中町へと、行政区分も地形も変わる。▼動画30秒
▼動画1分5秒
緑の視界の中に牧場農家が増え、丘から見渡す谷間の広がりもやや小ぢんまりと、しかし人の営みが直接感じられる景色となる。
記 2007/9/2