北海道Tour22#2 2022/8/11(木)
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国道272の先で、202kmコースから少し外れて西へ向かう。前回はほぼ全区間純正コースだったので、今年は少し大回りにしてみたのだ。
トラックを描くときに選んだ道は、舗装路のつもりだったのに実際にはダートだったので、その先の舗装道へ。
純正コースからあまり離れていないのに、牧場と牧場の間の生活道のような、静かで穏やかな雰囲気の道が続いた。それは別海南部から浜中町辺り、かなり人口密度が少ないとにかくだだっ広い牧草地ではなく、西春別・計根別辺りの台地上に拡がっている、もう少し牧場っぽい雰囲気だ。地形にあまり大規模なアップダウンが無いのも一役買っている。
しかし純正コースより少しだけ南ではあるものの、風景は見たことが無い。次第に方向感覚と位置が全然わからなくなってきた。ただ、時々確認するGPSトラックからは外れていないので、間違っていないはず。それに時々南側の防風林の向こうに車の音が聞こえるような気もする。国道272の車の音かもしれない。自分で経路を描いているのに現在位置の感覚があまり無いのは、やはり想像込みでコースを描いているんだろうな。などと思いながら牧草地と防風林、そして現れ始めた軽いアップダウンを進んでゆく。アップダウンがあるということは、中春別から泉川に移りつつあるのかもしれない。
防風林の向こうに現れたT字路から北に向かった道は、明らかに通ったことがある。国道272から北西へ向かう道である。ここでやっと位置もわかった。確かに泉川だが、だだっ広い泉川のかなり南である。もう少し位置が進んでいると思っていた。まだここなのか。と思っているということは、この辺の距離感覚が自分には無いのである。そして、自分で描いたトラックの大回り具合もすっかり忘れているのだった。
道については風景を憶えているだけあり、ダイナミックな展開、すなわち地形の起伏そのものに変化がある。ということは即アップダウンである。のみならず、しかもそれが、記憶通りにやや際限無く続いてゆくのであった。泉川の谷間まで、やや調子に乗って大回りコースを描いたんだった。自分ですっかり忘れている。
台地上から豪快に下った川沿いの、牧草地でも防風林でもないちょっと不気味な放置気味の茂みは、間違いなく泉川の、元標津線の泉川駅があった谷間である。やっとここまで来た。そして道道13までまだもう10kmぐらいあったはず。
ここは以前石川さんに車で案内していただいた。泉川でいつも思い出すのは、私が標津線の標茶区間に1回だけ乗った1986年の冬。その時は羅臼で早起きしたのに加え、キハ22の暖房が例によって効き過ぎていて、中標津を出てから確かほとんど居眠りしていた。曇った駅名標とか電柱以外は真っ白なだけの車窓風景が妙に印象に残っている。
しばしイレギュラーに道が屈曲する間牧場とやや鬱蒼とした茂みと森が断続し、台地に乗り上げてから道道13までは数km一直線。
少しづつ登る道なのに、一直線の道と拡がる牧草地のせいで登りが意識できない。意外なほど進まないというストレスで疲れを意識し始める。
もう出発から8時間以上経っているのだ、等と気付かされたりもする。
風景自体は、整然と区画された牧草地が程良い地形の変化とともに続く、この辺りならではの楽しさがある。晴れるとしょっちゅう脚が停まるような素敵な眺めであり、根釧台地の外れでもあるためかこの辺から都合良く晴れてくれる年もあるのだが、今年はずっと曇りのようだ。まあ、雨が降らなければ御の字である。
道道13に合流するとともに、コースは別海町から標茶町へ。というよりここまで別海町だったことが凄い。別海町はやはり根釧台地の中核部なのだ。
根釧台地縁の稜線部を辿った後、稜線部から再び根釧台地内に降りてスノーシェッド先の最高地点を越え、更に根釧台地を見渡しながらその中へ降りてゆく。広々と見渡す空間に、知床から続く山々の裾から根釧台地が拡がっているのがよく感じられる。この辺ならではの風景であり、コースもいよいよ終盤のパートに入りつつあることを感じさせる。
国道243に下りきる前に、萩野まで農道を経由する区間は、とても静かな道なので毎回この辺の道を通るときに楽しみにしている。道道13でも今日のコースの中では幹線道路であり、車が多い道なのだ。そしてここを通るお陰で、萩野では国道243の経由距離が数10mで済むのだ。
分岐の標高166mから防風林と牧場の間を登り返す。農道の最高地点は標高210m。開陽台周辺を除けばこのコース随一の高所でもある。
道がカーブしている丘の上は防風林に囲まれていて、畑と牧草地が拡がっている。今日のコースでは珍しい、詩的にこぢんまりした空間だ。
以前は牧草地だったような気がする道沿いの一角は、今回は重機が土の入れ替えをしていた。
記 2022/10/16
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