北海道Tour22#2 2022/8/11(木)
民宿地平線の根釧台地ベスト202km-4

開陽→俵橋 (以上#2-1)
→別海温泉 (以上#2-2)
→上風連
(以上#2-3)
→奥別寒辺牛
(以下#2-5) →上風連
(以下#2-6) →西春別
(以下#2-7) →萩野
(以下#2-8) →俣落
(以下#2-9) →開陽
205km

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路
ニューサイ写真 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 交差点の手前から、それまで霧雨だったのがはっきりした天気の境界の向こうで水滴の密度が上がり、弱い雨に変わった。雨粒が細かいのであまり濡れた感じがしないのに、服がしっとりする要注意のパターンの雨だ。こういう時に雨具を着込んでおかないといけないことはわかっている。立ち止まる気にならないことがこういう雨の怖いところだとわかっている。それでもやはりそのまま脚を進めてしまうのは、けっこう暑くて化繊Tシャツが汗で濡れているからかもしれない。などと他人事の様に思う。戻るわけにはいかないというより、今はこのコースで先へ進みたい気分である、ということが何となく嬉しい。
 道道813の分岐には「大別方面」の看板が立っている。「別寒辺牛湿原とかその先の大別もしばらく行ってないな」などと思いつつ、道道813へ脚を進めてゆく。

 

 雨はまだ降っている。服は濡れているという程ではないものの、そろそろ自転車の金属部分に付いた水滴が形になり始めている。それでもまだ雨具を着ていないのは、何とかまだ濡れきっていないのと、それ以上にけっこう暑いからだ。これで日が照ったらかなり暑いだろう。ある意味この天気で助かっているのであった。

 開進の防風林が印象的な丘から、西円の一直線区間が始まった。

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

 すぐアップダウンがありまず浜中町界を通過。

 谷の牧草地から丘を一つ越えると排水処理場(と言っても一見では茂みに放置気味の小さな建物が建っているだけ)、丘を越えた次の谷間でJA浜中町西円取扱所通過。この取扱所があるのは一直線区間の意外に東の方なのだということを、訪問の度に次第に私は理解できている。

 この段階で9:30。上風連で自販機に立ち寄ったばかりではあるものの、この根釧台地まっただ中に立つ西部劇で出てくる荒野の水場のようなJA取扱所に表敬訪問しておく。ここにこんな補給地点があることには、毎回大変感謝している。もちろんJA浜中町としても、酪農地帯のど真ん中の「取扱所」、多分酪農関係の重要拠点なのだろう。
 閉まっている店の前で脚を停め、自販機コーヒー休憩とする。雨は再び霧雨ぐらいに弱まり始めていた。というより、リスク管理上は緊急に雨具の必要が無い、ということを警戒すべきかもしれない。とは思いつつ、やはり雨具はまだ着ない。それほど暑いのである。

 トライベツへの農道、道道807の交差点を過ぎ、谷間と丘を突っ切って一直線の道は続く。正面から眺める丘への直登登りは、眺めていてげんなりするものの、行ってみるとそれほど厳しい登りではない。遠景の圧縮効果で壁の様に見えるだけなのだ。まあ、北海道でそんな風景を眺める度にげんなりしていたら商売上がったりではある。

 そんなアップダウンが2〜3回、まだまだだと思っていると意外に早く遙か前方が道じゃなくて森で塞がっているのが見え始めるのであった。あの辺まで行けば道が曲がり、谷間を横断して高知へ入るのである。しかしそれからなかなか見える辺りが近づいてこないのも記憶通りで「まあ、そんなもんだよ」などと思う。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 西円の先で道は乾き始め、雨はすっかり上がった。服が濡れきる手前だった。危ない危ない。雨具を着る気にならなかったほど暑かっただけあり、雨のせいじゃなく汗で化繊Tシャツはだぼだぼになっている。当面乾きにくいかもしれない。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 低地の谷に降り、道は谷に沿って僅かに向きを変えてゆく。浜中・厚岸町境を越え、厚岸の台地上のグリッドへと角度を修正してゆくのだ。浜中・厚岸とそれぞれ両側からに牧場開発がきっちりした区画で内側に進んでゆき、最後に谷間で道をつなげたんじゃないのか。そんな想像が楽しい、折り返し地点までの最後の区間だ。

 そういう想像をしつつ厚岸町まで脚を踏み入れるように組まれているのも、このコースの含蓄のひとつであり、大きな見せ場だと改めて思う。根釧台地南部随一の一直線道路である道道813を通り、かつ忘れちゃあいかんぞ、と言わんばかりに厚岸町にも程良く脚を踏み入れるようコースが組まれつつ、更にそういう見所が隠されているのだ。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
  A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

 道が台地上に登り、高知小学校跡(一見水が飲めそうで飲めない悔しさとともに印象深い)、知床半島の山々まで一望できるはずの牧草地を過ぎ、10:15、奥別寒辺牛の折り返し地点に到着。ここで94km。
 過去最高ペースだった前回より5分遅いだけの、なかなか順調な行程のようではある。しかしかなり強い向かい風が無いのに5分遅れ、ということはそんなに快調じゃないのかとも思う。それに、前回向かい風の分追い風アシストとなった復路のペースは、今回は望めないだろう。でもまあ、ここまで比較的淡々とした展開で来れているので、まずは順調なのかもしれないとは思える。

 

 過去最高ペースだった前回より5分遅いだけの、なかなか順調な行程のようではある。しかしかなり強い向かい風が無いのに5分遅れ、ということはそんなに快調じゃないのかとも思う。それに、前回向かい風の分追い風アシストとなった復路のペースは、今回は望めないだろう。でもまあ、ここまで比較的淡々とした展開で来れているので、まずは順調なのかもしれないとは思える。
 ここから始まる別寒辺牛湿原の森(というより樹海)に下ってゆく道道813を眺めつつ、パンを食べておく。9時前に上風連でちょっと食べてから、1時間半近く経ってそろそろ腹が減り始めている。ツーリング中のいい感覚である。無事北海道ツーリングに戻って来れた、という実感がとても嬉しい。今日は、いや、今後もこの感じを忘れず、意識して適切な補給間隔を心がけたい。

記 2022/10/16

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Last Update 2023/3/4
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