2015/5/5紀伊半島Tour15#4
九鬼港→小口-9

九鬼港→(県道574)九鬼→(国道311他)賀田 (以上#4-1)
→(国道311他)二木島 (以上#4-2)
→(国道311他)大泊→(国道42)南有馬 (以上#4-3)
→(国道311)松の平→(県道52)札立峠 (以上#4-4)
→(県道52)育生町長井→(県道40他)新大沼橋 (以上#4-5)
→(国道169)七色ダム→(県道34・40他)上瀞橋 (以上#4-6)
→(国道169)小松 (以上#4-7)
→(市道他)小松
(以上#4-8)
→(国道169)竹筒
(以下#4-10) →(国道169)日足→(県道44)小口
134km RIDE WITH GPS

竹筒への名無し小峠 RICOH GR GR18.3mm1:2.8 国道169から小松経由で国道169へ 赤は本日の経路

 さあ、しばらくトンネル連続区間だ。国道169のこの区間を走るのは始めてだし、まさかその日が来るとはついさっきまで全く思っていなかった。しかし以前から、山間をくねくね地形に沿って続く細道が、唐突に地形と全く関係なさそうな単純な線形の太い道とトンネルに変わって、山間を貫いてゆく、いや、山間に描かれているのを地図で見てはいた。その地形と無関係な線形のせいで、道自体に非現実的な印象すらあった。適当に描いてんじゃないの、という。

 実際の道はなんと地図の通りだった。かなり険しい山間を、トンネル、橋梁、掘割がダイナミックにばんばん抜けてゆく。
▼動画45秒 国道169から瀞峡を見下ろす さすが道が無かった場所のど迫力

もの凄い渓谷の道 RICOH GR GR18.3mm1:2.8 パノラマ合成
 

 道幅が広くても、道全体としてまだまだ残っている細道区間がボトルネックになっているためか、立派な道にしちゃ交通量はとても少ない。余程風景を知っている人じゃないと、車は寄りつかない道なのかもしれない。

 想像できなかったこの道の風景も、訪れてみると確かに実際の風景だった。途中で深く落ち込む北山川の対岸には、山中というより山上の集落も登場。もの凄い山奥の集落である。宿らしき建物もあったようだが、その実態は定かではない。次の機会には、あちらも訪れてみたい。山間の単純往復になってしまうが。いや、そこには人が住んでいて、そういう風景があるのだ。

 最後は一番、しかもダントツに長いトンネルの後、唐突に谷間の森に放り出され、道は細道に合流。国道169の瀞峡区間が終わり、旧道に戻って来たのだった。

小松方面から竹筒経由で宮井へ 赤は本日の経路

 そういえばさっき、最後のトンネル入口で、この旧道のもう少し上手で合流する別の道が分岐していた。その時はとにかく少しの登りも億劫で、「あ、今ここね。あっちは登りね、はいやめー」ぐらいにしか思っていなかったが、無事旧道に合流できた今となっては、あちらに向かっても良かったかも知れない、などと思った。自分でも現金だなあ、と思う。
 山肌の木漏れ日の中を下りきり、谷底で拡がった川原の上空には、高く長い橋が架けられていた。明らかに国道新道を工事中なのだった。あの山中から更にばんばん新道が通るのだろう。

見上げる新道区間の橋 谷間を飛び越えている RICOH GR GR18.3mm1:2.8 パノラマ合成

 谷底で渡った小橋の、橋桁トラスの鉄骨には記憶があった。ここは2003年、2度目の紀伊半島で確かに通っている。ということは、上手の旧道も確かにその時通っているのだ。途中集落は現れるものの深い森の中の下りで、一体どこまで下るのだと思ったことを、おぼろげに覚えている。今日さっきの分岐をこの道の上手に抜けたら、またあの道を通れたのだろう。

 その先の蟻越峠も思い出した。もう10年以上前の夕方、吉野方面からずっと走ってきてしんどくて、あまりいい印象が無い道だ。

 蟻越峠は標高差200m強。何となく勢いで越えてしまえたような記憶とは裏腹に、今日はかなり堪える長い坂ではある。しかし交通量がかなり少く大変静かな、国道らしからぬ雰囲気の細道は楽しくもあった。ただやはり坂を登る途中では、新道開通後は楽になってほしい、とも思った。

 途中、和歌山県新宮市から奈良県吉野郡十津川村を経由。この期に及んでまたもや奈良県内だ。

日差しがすっかり赤い RICOH GR GR18.3mm1:2.8

 やはり紀伊半島まっただ中の道なのである。

 

 16:40、竹筒着。車道が無い区間を経て、ようやくやや開けた場所まで下って来た北山川が、再び目の前に登場。登場というより、むしろ再会という気持ちを強く感じる。
 熊野市の町外れから内陸を抜けてきた国道311ともここで合流する。国道311も午前中の海岸区間、熊野市から板屋への内陸部はやや普通の地方国道、そして北山川沿いに出ると再び細道が、ところどころの急峻なアップダウンと共に続いていた。静かな谷間に続くいい道だったが、忘れられないあの細道も遂に拡幅中なのだった。

北山川に再会 山間の農村は面影通り しかし道は拡幅真っ最中 RICOH GR GR18.3mm1:2.8 パノラマ合成

記 2016/6/12

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Last Update 2020/3/18
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