九鬼港→(県道574)九鬼→(国道311他)賀田
(以上#4-1)
→(国道311他)二木島
(以上#4-2)
→(国道311他)大泊→(国道42)南有馬
(以上#4-3)
→(国道311)松の平→(県道52)札立峠
(以上#4-4)
→(県道52)育生町長井→(県道40他)新大沼橋
(以上#4-5)
→(国道169)七色ダム→(県道34・40他)上瀞橋
(以上#4-6)
→(国道169)小松
(以下#4-8)
→(市道他)小松
(以下#4-9)
→(国道169)竹筒
(以下#4-10)
→(国道169)日足→(県道44)小口
134km
RIDE WITH GPS
北岸には確か以前の訪問で写真を撮り、PCのデスクトップで時々眺めている北山川を見渡す道沿いポイントがあった。前回は確かGRD初代で写真を撮ったはず。今回持ってきている、段違いに画質のいいGRでも写真を撮っておかねばならない。少し遡ってそっちにも立ち寄ってから、いよいよ国道169の予定コース開始である。
14:20、道の駅「おくとろ」着。この先向かう予定の国道311沿いの板屋に、役場とコンビニがあったはず。そちらの方が補給食の種類は豊富なはずだし、腹は減っていないので補給の必要は無いものの、コースによっては一日商店にも出会えない紀伊半島の山間で、折角の道の駅に立ち寄ったのに勿体無い。ここでパンぐらいは食べておくことにした。
正直、頑張って水で喉の奥に押し込んだような補給だった。しかし実際には、この後不可抗力のコース変更が発生し、結局宿終着まで商店には寄れなかった。最後まで何とか空腹に耐えられたのは、ここで補給しておいたからである。知っていたつもりだった、食べられるところで食べておかないと後で泣きを見る紀伊半島の要注意点を、この後で改めて思い知らされた出来事だった。
道の駅から先、北山川の谷間は急に狭くなる。それまでも川の部分からすぐに山が始まっていたのだが、山の形が丸だったのが険しく切り立ち始めるのだ。川幅も拡がり始めてダム湖に完全に移行する。つまり、風景全体ががらっと急に山深くなるのだ。
道幅もぐっと細くなり、道の駅手前の比較的幅広めの片側1車線とは道の性格自体が変わってしまったようだ。ただ、交通量自体はこちらがボトルネックになっているせいか、あまり変わらない。むしろ行き違いが難しいためか、何台か車がまとまってやって来る。
狭くなった道を包むような木漏れ日に、こちらも緑に染まってしまいそうな気分になる。森や湖面からの風が、まだ暑い日差しを冷ましてくれる。
小森隧道の向こうは、小森貯水池が既に終わっていて、道の脇はダム下流の渓谷となって急に深く落ち込んでいる。瀞峡(どろきょう)と呼ばれるこの渓谷は、険しく切り立った山間にしばらく屈曲して続き、北山川は最終的に新宮市の熊野川町宮井で熊野川に合流する。
この渓谷区間には細道が山肌に張り付いているが、道は途中で途絶えてしまう。国道168も細道を無理矢理国道指定したような区間が少し続いた後、やや離れた向こう側との間の区間は高規格の新道で山も谷間もばんばんワープしてしまう。
山深い渓谷だけあり、国道168の細道から眺める渓谷と山々に漂う雰囲気は、他に類を見ない程山深い。下流から観光ボートも出ているこの渓谷、やはりここも、この場所でこの風景を眺めたいためにコースを組んだ、紀伊半島の私的ハイライトなのだ。
しかし、国道から渓谷が見えやすい区間は短い。そして切り立つ山肌に張り付いてダム湖上の高さから渓谷中程まで降り、また登り返すアップダウンは、道幅同様に国道規格外の斜度だ。
唐突に曲がり角の向こうで細道は終わり、かなり立派な道路がいきなり目の前に現れた。深い谷間を飛び越える橋の向こうには、もうトンネルの入口が見えている。国道169が、この先橋と長大トンネルでワープするように山間を通過してしまうのを、地図で見ていつもとても不思議に思っている。一体どうやったら、こんなに地形と無関係に道を通せるのだろう、と。
もちろん今日のツーリングではそちら方面には向かわすに、まだまだ細道ネタが続くようにコースが組んである。国道169が向かう方向の反対側へ向かうのだ。
記 2016/6/12