九鬼港→(県道574)九鬼→(国道311他)賀田
(以上#4-1)
→(国道311他)二木島
(以下#4-3)
→(国道311他)大泊→(国道42)南有馬
(以下#4-4)
→(国道311)松の平→(県道52)札立峠
(以下#4-5)
→(県道52)育生町長井→(県道40他)新大沼橋
(以下#4-6)
→(国道169)七色ダム→(県道34・40他)上瀞橋
(以下#4-7)
→(国道169)小松
(以下#4-8)
→(市道他)小松
(以下#4-9)
→(国道169)竹筒
(以下#4-10)
→(国道169)日足→(県道44)小口
134km
RIDE WITH GPS
8:10、賀田着。今日の国道311熊野灘区間では最大級の漁港だ。
▼動画46秒 賀田
漁村以上町並み未満という程度の家並みには古江と同じく静かな賑わいが感じられ、日差しに照らされた山々の明るい緑、青空とともに、何だか楽しくなってくる。今日訪れて良かったと思える訪問になっている。
賀田の町中で国道311から県道70が分岐し、山の中の国道42へ向かってゆく。県道70は単純に山中で国道42に合流するだけの道であり、この辺りの道としてはそれなりに交通量は多い。多分賀田、古江や周辺漁村から尾鷲、熊野市への物流を担っているのだろう。私的には多分余程何かの必要に迫られない限り、まず通らないと思われる道だ。しかしこの分岐があるためか、ところどころで道幅が狭く線形も屈曲している国道311を通る車は、ほぼ皆無となっている。
湾の先の曽根町から、国道311は早くも新道区間に変わって登り返しとなる。ここは旧道とはかなり無関係な大作りな線形のコースで、地形図上でも複雑な地形と全く無関係な線が異彩を放っている。その線を思い出しながら、トンネルと橋で地形を全く物ともせずに大きなカーブを描き、道は一気に山の中へと登ってゆく。
海岸から登り始める最初のトンネルの手前で、半島先端に近い海岸沿いの梶賀町を経由するやや短い旧道が分岐しているが、賀田町で少し休憩したのと梶賀町廻りでもどうせ岬部分が長めの新道っぽいトンネル経由なので、なんとなくそのまま新道へ向かってしまった。
梶賀町回りで行けば良かったかなと思いながら、新道の登り基調のトンネルを抜けたところで合流してくる急坂を見たら、あっちの道じゃなくて良かったかもしれない、とも思った。
新道トンネル後、須野町を見下ろす辺りで、道は突如拡幅済みから1車線の細道になる。拡幅区間の各構造物もそう新しくはない。ツーリスト的には細道の方が走りやすいものの、山中でぶつ切りになったままの拡幅区間が、もう長い間放置されているのが興味深い。
岬へ続く尾根に張り付いて、半島を回り込む。ところどころで熊野灘の真っ青な外海や、険しく切り立つ岸壁が見え始めた。こういう地形にこういう道は宿命なのだ。
湾内へ入ると、道は海面へ急降下するように下ってゆく。海岸近くで再び道幅が狭くなると、対岸の漁村が近づいてきた。国道311熊野灘区間のハイライトの一つ、甫母町だ。
▼動画55秒 甫母町へ到着
8:50、甫母町着。
集落手前から道端に立つ、大型車通行不可の標識が有名だ。通行不可能箇所は湾の奥、集落まっただ中。防波堤と沿岸施設コンクリート構造物(?)が急カーブを挟んでいて、大型車が曲がれる隙間が無いのである。
この最も狭い場所以外に、そもそも漁村区間が全面的に防波堤のすぐ裏側を通っていて、かなり道が狭い。この区間を拡幅するとしたら、集落の上の山中にでも、まるまる迂回路を作らなければならない。
他の漁村よりやや密度が高い集落の向こう側から、道は再び山中へ登り始める。
次は二木島だ。さすがに大型車通行禁止区間に隣接する道だけあって、かなり国道離れした細道が続く。
ちょっとしたアップダウンの終盤で、新道が山中へと分岐していった。こちらは未済経路の二木島へ。
新道が設けられているだけあり、二木島では甫母町のような細道が海岸沿いの防波堤の中に続いていた。
切り立った山裾の海岸沿いに細道と共に張り付く漁村は、程良く寂れて落ち着いた表情が何とも静かで、それでいて細道の空間感覚故か生活感一杯だ。青い空、緑の山、静かな海、風薫る漁村の雰囲気にうきうきする。これで国道なのだから、国道もなかなか捨てたものではない。
記 2016/6/12