起きてすぐ天気予報を確認。行程上の各地で昨夜より雨マークが少なくなっている。出発するには概ね問題無い。中川町で14時以降雨マークで降水確率50%、それ以外は曇りで降水確率30%、最高気温31℃。
曇り予報で31℃というのがわかりにくいが、過去の事例を総合すると、何が起こるにしても暑いか蒸し暑いのは確かだろう。少なくとも、夕方にはあまり良いことは起こらなさそうだ。しかし、目の前の空、雲は高い。天気予報としても歌登までは全く問題無さそうだから、歌登か中頓別で、空と暑さの雰囲気をみて身の振り方を決めればいい。
と思いながら荷物をまとめて食堂に降りると、プライベート牧草地の上に見事な青空が拡がっている。雲は多少出ているものの、陽差しが南側の山を照らし始め、影の中まで青く見えるほどだ。うだうだ考えず、この風景へ飛び込んでしまおう。
6:05、仁宇布ファームイントント発。
明るいソバ畑や牧草地を眺めながら仁宇布まで一下り。標高差は80m、実は結構な下りなので、空走していても速度がどんどん上がる。辺りが開けているので、眺める景色としては下り斜度をあまり意識できない。登りでは毎度この斜度が、訳分からない重さとなることを、知識としては知っちゃあいる。
牧草地の先に民家や農家が現れ、小中学校の外構通路を経由して道道120へ。下りから登りに替わって途端にペースが落ちる、これもやはり毎度の事。
西尾峠までしばしの登り、畑向こうの美幸線未成線土手や盆地を囲む山並みを眺めつつ、朝陽に輝く牧草地を淡々と進んでゆく。眺めつつ、というより防風板の向こうの景色を覗いてゆくという方が実態としては合っているかもしれない。
昨日あれだけ暑かったのに、仁宇布の朝は涼しいのが助かる。いや、風は涼しくも、空気の中にはまだ昨日の暑さが残っていて、思った程涼しくない。6時だというのにあまり寒くないことに驚くべきかもしれない。これからあまり暑くならないでほしい。
松山牧場先のゲートは、今日はもちろん開いている。その先緩い登りが始まった。これで名実ともに西尾峠区間だ。道が牧草地から森の木陰に入って少しほっとする。涼しいと思っていてもやっぱり暑いのかもしれない。道北の朝6時でこの気温、世も末だ。
西尾峠の手前から雲が動き、陽差しが雲の中に入ってしまった。少し薄暗くなるだけで辺りの風景が俄然険しい表情に変わり、こういうところは流石の峠、標高400mと思わされる。ただ、陽差しが出ていないのは暑くなくて助かる。
西尾峠を緩々っと越えた後は鞍部が少し続き、その後おもむろにすとんと谷底へ下り始める。この辺は逆方向から登っていても印象的だ。登りでの風景を思い出す。
森に飛び込むように谷底へ。濃厚な広葉樹林の密度、深さをひしひしと感じつつ、下りに任せて進んでゆく。
6時台の森は、得体が知れない迫力に満ち、静かというか不気味な雰囲気が溢れている。言うまでも無く、茂みに潜んでいるかもしれない熊が怖くて仕方無い。背中から腰にぞぞぞというような落ち着きの無さを感じる。
ただ意外にも、車が1時間遅いいつもと変わらないぐらいにけっこう通っている。大丈夫大丈夫、と自分に言い聞かせて無理矢理落ちつきを心がけ、下りに任せて森をそそくさと通り抜けてゆく。
もっとも、いくらそそくさと通過しているつもりでも、森は果てしなく延々と続くし、近年頻繁にTVニュースで報じられるようになった熊の爆走映像を観たら、下りであってもあの速度から逃げ切れるとは思わなくなった。
再び雲が切れた。少し拡がった谷底の森に陽が差し始め、森の中がぱっと明るくなってきた。見上げる青空も見るからに明るい。道を囲む大森林の木陰はまだまだひんやり涼しいものの、陽差しがとても鋭い。またもや昨日の暑さが思い出される。
牽牛橋から天の川トンネルへ。トンネル内の涼しさを大変有り難く、身体一杯に受け止めておく。
出口付近は空気中に結露しているのか、ガスが漂っていた。トンネル中央辺りの視界はガスっているような感じは無かった。群馬県辺りでもよく見かける、暑い日ならではの現象だと思う。昨日の暑さをまたもや思い出す。つくづく、昨日は走らないで良かった。
道北スーパー林道分岐から大曲の廃墟へ。
森から牧草地の丘を越え、再び谷間の森へ一下り。
やがて辺りが拡がり始め、正面に牧草地が見え始めた。7:35、上徳志別着。
記 2025/2/1
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