北海道Tour22#4
2022/8/13(土) 札友内→常元-7

札友内→ウランコシ (以上#4-1)
→津別峠展望台 (以上#4-2)
→津別 (以上#4-3)
→チミケップ湖 (以上#4-4)
→チミケップ湖キャンプ場 (以上#4-5)
→訓子府
(以上#4-6)
→常元
133km

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路
ニューサイ写真 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 空には雲が増えてきていた。開成橋からそういう雲が増えたり減ったりする間に、雲の低さは次第に低くなっていて、一喜一憂しつつも何だかやばそうだな、とは思っていた。
 置戸まであと10kmを切ったところで、遂に雨雲に捕まった。大粒のものすごい雨が急に滝のように降り始め、農家の車庫に避難させていただいたりした。まあしかし、こういう時は完全に雨が上がる前に走り始めないと、完全に雨が上がるのを待っていては時間が経つばかりでもあるのだ。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 雨が弱くなって景色が澄み始めたタイミングをみて出発すると、案の上200mぐらい進んだところで雨はかなり弱くなり、残っていた最後の水滴も置戸の手前で完全に消えた。というより、置戸では路面が生乾きである。あまり降らなかったのかもしれない。そういう場所に人々が集まって住み、それが町になっているんだろう。

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

 16:30、置戸着。
 置戸コミュニティホールぽっぽは元置戸駅。池北線が廃止されて20年以上、元置戸駅と鉄道の記憶は未だに置戸という町で大切なものなのかもしれない。などと思いながら明日陸別まで乗る予定のバス停を確認し、目に入った置戸ハイヤーを明日の8時、今夜の宿の勝山温泉ゆぅゆから置戸ぽっぽまで予約しておく。勝山温泉ゆぅゆと置戸コミュニティホールぽっぽ、ネーミングに似た感性が感じられる。タクシーはOTHの前まで来てくれるとのこと、この時点ではそれがどういうことなのかよくわかっていない。有り難くお言葉にしたがうことにしておく。

 また空が暗くなり始めている。もう宿まで10km、早く宿に向かって雨から避難せねば。

 セイコーマートに寄って明日の朝食ネタを仕入れ、16:50、置戸発。町外れ、国道242拓殖橋交差点を過ぎたところで、頭上から行く手の空まで急に真っ暗になっているのに気が付いた。道端を見ると、ちょっと避難するのをためらう茂みの中に廃屋がある。しかしこれがこの先市街地で最後の軒下だな、と思ったところで、間もなく大粒の雨がぱらつき始めた。というより、100mぐらい先の空気にいつの間にか壁みたいな霞みが現れている。いや、それは大雨の壁なのだった。やべえ、すげえぞこれ、と思う間もなくそれが素速く近づき、そのまま辺りは土砂降りに包まれてしまった。この間20〜30秒。
 速攻で雨具を着込み、予定コースの農道ではなく道道1050をそのまま先に進んでしまう。豪雨の中、向こうからやって来る対向車線の車が、あっという間にできた路上の水をかき分けワイパーが水を撥ね、通り過ぎてゆく。もう笑って脚を回しているしかない。
 幸い豪雨は10分ぐらいで何とか止んでくれた。それでもまだ低い雨雲の下、薄暗い北見盆地の縁、静かな畑の中に道道88は続いていった。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 雲は厚いものの少しは明るくなって雨が止み、谷間を挟む山が近づいてきて、勝山の交差点を過ぎると辺りが急に山っぽくなった。もう少し先で道道88はおもむろに山裾を登り始め、十勝へと向かってゆくのだ。

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

 17:25、勝山温泉ゆぅゆ着。温浴施設であるゆぅゆには、道道1050〜88で置戸から芽登へ向かった時やその逆の時、何度か立ち寄って自販機やソフトに助けられた。その頃ゆぅゆには私が宿泊できそうな施設は無かったと記憶している。この辺りでは以前もう少し先の鹿の子温泉に泊まったり、10年ぐらい前には置戸の元冬季学生寮にも泊まった。北見地方・十勝地方の間は経路が限られてどこも距離が長い。北見側山裾の置戸、もっと言えば置戸市街よりもう少し山裾寄りのこの辺りに宿があると、計画上行程上重宝するのだ。自転車で道道88を越える場合限定の便利さではあるものの、まあしかし以前からそういうことを思っていた。
 思いがあれこれ、ここに泊まる日が来たことは大変感慨深い。明日はここを出発して十勝に向かいたかった、と思う。ただ、今回一番の長丁場が運休になりほっとしていることも確かではある。

 もともと温浴施設のゆぅゆ本棟に宿泊室は無く、ゆぅゆ敷地内にログハウスのバンガローが2棟建っている。しかし今回私が泊まるのは、OTHと名付けられた定員2人のトレーラーハウスだ。OTHとはOketoTrailerHouseの略とのこと。
 フロントで受付を済ませ、鍵を貰ってOTHへ向かうと、2.25×5mぐらいのトレーラーハウスが4棟、芝生の中に置かれていた。というより据え付けられていた。トレーラーハウスの前まで舗装通路が設けられていて、タクシーに直付けしてもらえそうだ。
 中へ入ると内装も家具も真新しく、空調はあるし水廻りはあるし自炊設備もある。ゆぅゆの温泉はもちろん利用でき、シャワールームまであるのでその気になればここだけで汗を落とすことも可能だ。来ないは有り難く温泉に行くつもりではある。つまり、室内は通常のホテルの部屋と変わらない。そして考えてみると、細長い部屋の形の外がまるっきり屋外なのは大変楽しい。ガラス戸の外にバルコニーが付いていて木製の机と椅子が置いてあるので、長居する場合はバーベキューできそうだ。
 トレーラーの外側端部にはフックと、反対側には車両ナンバープレートが付いている。また、外から見ると水廻り部分に地面からコンクリートダクトというかシャフトが立上りで付いている。これらは明らかに建築確認申請回避のテクニックだ。建築確認申請というものはそれ程までに面倒であり、建築基準法はそれ程までに厳しいのである。そして建築確認申請をしない代わりに車両ナンバープレートが付いているのだ。
 などということは今の私には全く関係無い。快適にここ勝山で一晩過ごせること、そのことがこよなく有り難い。自転車はこの際室内に入れてしまうことにした。これなら明日解体して、タクシーにOTHの前で載せるのに大変便利である。カーテンや絨毯を汚さないように注意しないと。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 
発着地点 一択プラン
置戸発
北見バス
陸別着
9:00

09:41
陸別発
十勝バス
池田着
10:00

11:58
池田発

JR根室本線

新得着
12:39

おおぞら6

13:32
新得発
JR根室本線代行バス
幾寅着
13:57

15:05

 夕食はゆぅゆの食堂。メニューはまあごく普通と言えばごく普通ではある。しかしツーリストが栄養をたっぷり補給して「ああ、美味しかった」とつぶやくのには何の不足も無い。美味しく有り難くお腹いっぱいになって、「結局おれは夕食を食って幸せになるために日中自転車で走るんだなあ」などと思いながら部屋に戻った。それ以上何が要るのかと言われてもよくわからない。幸せなのは最高に素晴らしいことだ。

 明日も楽しく走って南富良野に向かえると、更に有り難い。しかし天気予報を確認すると、午前中置戸町と足寄町で雨、輪行で通過する池田町と帯広市は曇りなのに、自転車行程としての経路の上士幌〜新得町ではお昼頃〜午後に雨。駄目押しで南富良野町で15時以降雨。つまり自転車での行程にすると、行く先々で通過時刻で雨になる。昨日の段階よりはましになっているものの、相変わらず最悪のパターンだ。
 それでは、大手を振って休ませていただきましょう。輪行の接続も時刻も準備してある。
 明後日は、南富良野町も美瑛町も午前中晴れ後曇りのようだ。むしろ明日休んでおき、久々の北落合とベベルイ基線に万全の体制で望むことができる。残念ながら、幾寅で毎回楽しみな美味しいなんぷカレーが、Webによると休止中とのこと。久しぶりの再会は叶えられなさそうだ。

記 2022/11/26

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Last Update 2023/3/11
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