北海道Tour22#4
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自転車は駐車場から上に上げてはいけないのは、去年と同じである。折角来たのに。従うけど4サイドならOKとかにしてくれよ、等とも思う。そして今回目新しいのは、展望台に入る扉の鍵が掛かっていることだ。開くのは9時という表示もある。年々何かと決まり事が厳しくなっているのは、津別峠が雲海で賑わっていることの証しかもしれない。かならず何かをしでかす輩がいるんだろう。
9時まで20分。待とうかどうしようか。ガスで何も見えない年など、15分ぐらいで撤収してしまうのだ。まあしかし、時間はどうあれやれることから始めておこう。とりあえず展望台下の広場で、雲に埋め尽くされた屈斜路湖側の写真を撮りはじめた。ここ数年、屈斜路湖側は毎回視界20〜数10m程度だったのが、今年は随分落ち込んだところから雲海になっている。雲海の向こうに西別岳か何かが頭を出しているのが大変嬉しい。
そのうち管理係さんらしき人が中から鍵を開けたり閉めたりし始めた。時間を見るとあっという間に10分経っていてもう8:50。9時まで待つことにした。
展望台の一番上に登っても、屈斜路湖が雲で埋め尽くされていることには変わり無い。しかし、やはりその眺めは格別だ。
まずは東側。本来屈斜路湖が拡がっているはずの眼下には、雲がたぷたぷ溜まっている。その向こうには、屈斜路湖外周の山々が頭だけ出している。更にその先、知床方面の山々がひときわ高く、奥へと続いている。外輪山に囲まれた真っ青な屈斜路湖の眺めを知る者としては、眼前の風景に雲が無い屈斜路湖を想像してしまう。しかし今の雲海も、これはこれで近年雲海で有名になっている津別峠展望台と屈斜路湖の、2022年ならではの展望というべきだろう。
一方、南側から西、北側へぐるっと見渡す阿寒方面や津別方面にはほとんど雲が無い。雄阿寒や雌阿寒の起伏や岩肌がくっきりと、のみならず大雪がシルエットだけじゃなくうっすらディティールまで見えるのはこれまでの訪問中初めてじゃないかと思う。以前津別峠展望台から初めて大雪を意識したのはいつだったか、もうすっかり忘れてしまっている(2010年だった)。
雨で訪問を断念したり崩落で道道588が通行止めだったり、来れてもガスで景色が全く見れなかったり。思えばこの眺めに再び会えた今日まで長い年月だった。つい雲海に歓声を上げているて廻りの方に話しかけてしまう。
できればこの風景をずっと眺めていたい。でも、2〜3分も眺めていればあとは同じとも言えるし、再び眺められたことそのものに大変満足できている。ここまでやってきてこの風景に会えた、それでいい。もう次の場所に向かうのには悔いは無い。そういう一連の、毎度の流れ全部を自分がまた今年も味わえたことに感謝して、次に向かおう。
9:20、展望台発。この山深い場所から1時間後にはもう津別の町中に降りてしまっているのだ。毎回信じられないことではあるものの、それをやっている。
さっき登ってきたばかりのふるさと林道区間をあっと言う間に道道588分岐へ。
その後は山肌を巻いて高度を下げてゆく。
見渡す山々は降りてゆくとともに近くの山肌になり、廻りの木々が密になって周囲の眺めが無くなった。
そして谷間正面に見上げていた稜線部も谷間区間では見えなくなって、くねくねと急降下してゆく。
山腹の森から上里に谷間に下りきって峠区間が終了。
道道588は引き続き谷間のカラマツの森を下り始める。
やはり山肌区間から降りてきて暑くはあるが、いつもほど暑くなっていないように思われる。いや、これが津別まで面白いように暑くなるんだよなと警戒し、上里で農家が現れた辺りからもあまり脚を回してペースを上げること無く、とにかく楽に下るままに下ってゆく。
しかし、谷間一面に畑が拡がる美都を過ぎ、更に下って津別の営みが行く手に伺えるようになってきた豊永辺りでも、警戒しているほどには暑くなっていない。この晴れにしては。というより、これは天気予報通りの状態、最高気温27℃という状態そのものであるように思える。
記 2022/11/26
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