北海道Tour22#4
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12:35、チミケップ湖着。どう見ても木々の向こうに青空が見える。何度来ても会うことができなかった風景が、今目の前にある。晴れるとなればあきれるほどあっけらかんと、当たり前のように穏やかな天気だ。風も無いし、暑すぎるということも不穏な雲がどこかに盛り上がっているということもない。
道道682合流点の、いつも自転車を立てる場所には車が停まっていた。毎度の自転車撮影ポイントを前にやや残念だが、まあいい。この先のキャンプ場まで、いくらでも撮影ポイントはある。それより、木々の間から見える湖岸が本当に青い。青空を映しているのだ。今日は札友内からここまでやってきて、それなりに晴れが続いていて、それなりに暑い。だから今急に晴れた訳じゃなくて、朝から続いている当たり前の天気であるということに何の不思議も無い。しかし激晴れだった2010年以来、チミケップ湖に来る度に曇りか雨ばかり。今だから言ってしまえば、前回など曇りから現れた青空に大喜びしていたのに。こんな文句の無い晴天のチミケップ湖に会える日が、遂にやって来たのだ。
湖岸の道はいつも通りの極上ダートだ。それに加えて今日は、明るい木漏れ日きらきらに、森の向こうの青い湖面ちらちらで、風景が絶好調である。
車は多少目立つような気はする。でも、決して多くはない。熊出没の看板が立っているので、むしろ車の通行は安心できるというものだ。
まだお昼過ぎ、時間の心配は全く無い。安心感と満足しか無い。天国でダートをサイクリングする機会があれば、こんな感じの道なのかなとも思わせられる。
チミケップホテルの前を通過して更に奥のキャンプ場へ進んでゆく。いつも静かに鳴いているチッチゼミは、何故か今回声を聞くことができなかった。ここ以外で聞いた記憶があまり無いし、あれはピンポイントの季節のものなのかもしれない。
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12:45、キャンプ場着。
道道494の訓子府方面分岐には、相変わらず通行止めの看板が立っていた。ここまでの標識通り、そしてここ何年かと同じ。この後は最上まで道道692・開成橋まで道道27経由、その後は北見盆地経由決定だ。
まあ、それは想定内ではある。それにしても「工事中のため通行止め」ではなく、「土砂崩落の危険のため通行止め」という看板を見ると、道道494訓子府方面はあまり積極的に通行止を解除しないような気もする。何年か前までチミケップ湖から出て行くのに好んで使っていた静かな良い道なので、やや残念な気がする。
等と思うのは一瞬。何はともあれ、キャンプ場から湖岸へ、青空の下眩しいくらいの草地に脚を進めてゆく。今日のキャンプ場はテントが多い。やはり過去の訪問で一番多いんじゃないかと思う。幸い、いつもの木陰ポジションには誰もいない。木陰の対角線反対にキャンプ客のご家族連れがシートを敷いていらっしゃるものの、この際私的指定席に自転車を置かせていただく。
晴れ、青空、夏の陽差し。打ち寄せる波は微風に吹かれて少しづつ変わってゆくようで、揺れる湖面の波は時々大きくなってまた静かになる。その間、大きなルリボシヤンマが空を悠然と、しかし素速く飛び回っている。羽音が時々ばちっと元気が良い。
2010年以来12年振り、快晴のチミケップ湖だ。12年間、今日まで北海道に来れている事がとても嬉しく有り難い。そして来ることができていれば、こんな年もいつかは来るのだ、とまた思った。
青い湖面に緑の草地の中で、心ゆくまで写真を撮って補給食などをのんびり食べ、気が付いたら1時間ぐらい経ちつつある。ずっとここにいれるならいたいけど、今日は札友内からやって来てこのあと置戸まで行く、というのが自分の旅なのである。この先も別の場所で新しい景色を楽しんで、また何時の日か再訪すればいい。こんな素敵な風景に会えた今回の旅、チミケップ湖の神様に感謝して先に進もう、という気になれた。
それにしても、さっき津別峠展望台でもちょっと思ったのは、お正月の気象神社の晴れお守りがかなり効いているんじゃあないかということだ。長年道東を訪問する度曇りや雨が続いたのに、今日はあまりに展開が都合良すぎる。
記 2022/11/26
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