Canon NewFD20-35mm 1:3.5L

NewFD20-35mm 1:3.5L


 80-200/4Lと同様、FD使いには非常に評価の高い高性能レンズです。
 一時はインナーフォーカスのEF20-35/2.8Lより高画質だという話をよく聞いたほど。中古屋でもあまり見かけることは無く、良品は8万は下りません。多分タマ数以上にみんな手放さないからでしょう。

 旧FD時代、24-35/3.5アスフェリカルというレンズが、FDラインナップ中異彩を放っていました。24mmから35mmという一見狭く思える焦点レンジと、単焦点3本に匹敵するという謳い文句、更に10万以上ものちょっと付き合いきれない価格。何でそんなレンズが必要な奴が世の中にいるんだ、とカタログがきだった私はそう思っていました。

 1984年、その24-35の改良版として、20-35/3.5Lは更に価格を2倍弱に上げて登場しました。テストレポートで「前タイプ24-35以上。単焦点を超える」との表現が大まじめに使われていたのが印象的でしたが、その後実際に20-35の文字をアサカメなどの作品データによく見かけるようになったのは驚きでした。あんな高いレンズ使う人いるんだ。
 興味を持ってSSで覗かせてもらうと、何とディストーションがほとんど見られず、高コントラストで周辺減光も少ないためか、開放3.5とは思えないほど明るく思えるのでした。

 定価20万のレンズなんて本来とても使えないのですが、その後いつの間にか並行輸入品の価格が暴落、こんなばか高いレンズですら国内定価の半額以下になってしまいました。
 一方1990年。毎週のように都内建築ツアーで住宅主体に写真を撮っていた頃、20/2.828/2.8だと頻繁な交換が必要で、いい加減嫌気がさしていました。そんなある日、もう一度SSでこの20-35を覗かせてもらうと、どうも手持ちの28mmと20mmよりくっきり見える。そう考え始めると、80-200/4Lと50/1.2L、両Lレンズの好印象で、私はブレーキの効かないダンプカーのようになってしまったのでした。とうとう1990年暮れ、通販の並行輸入品を購入。

 使ってみると、ばか高いだけあって本当に優秀なレンズです。高コントラスト、シャープで発色の鮮やかな描写、20mm付近以外ではほとんど目立たないディストーション。いっぺんで気に入ってしまいました。ゴーストは出ますが、ズームなのに逆光にもそこそこ強く、20mmのディストーションだって目立つというほどではない。みんな意地悪な条件下でクリティックに見ると間違い無く認められる、という程度。単焦点だってレトロフォーカス型なら大なり小なりディストーションは認められます。
 各収差は前玉第一面の大型非球面レンズで一気に補正しているとのこと。そのためか、時々あら探しすると、20mm時の樽型が妙にとんがった形だったり、偏りがあるような気がするのはご愛敬。

 開放3.5でちょっと薄暗いファインダーのピント合わせはさすがにちょっと慣れが必要ですが、それでもヘリコイドの回転角が適正なので、ちょっと慣れれば勘だけでえいっとピントの山まで一気に持って行くのは簡単です。ところが開放3.5であっても、NewF-1ブライトレーザーマットSだと、恐ろしく明るくくっきり、ピントは明瞭なのでした。

種類 超広角ズーム
マウント キヤノンFDマウント
構成枚数 11群11枚
対角線画角 94°〜63°
最小絞り 22
距離目盛(m) 0.5〜3・∞
フィルター径 72mm
フード BW-72
専用ケース LH-C13
寸法 L84.2mm×φ76.5mm
重量 470g
発売日 1984年4月
定価 本体\179,800
参考リンク Canonカメラミュージアム
Photography in Malaysia>Modern Classic SLRs Series

 画質も素晴らしいですが、35/28/24mmと広角の保守本流の画角を、更に20mmをもカバーし、それらをズーミング操作だけで瞬時に切り替えられる機動力の素晴らしさ。あまりうだうだできない一般住宅の室内写真、引きの無い場所での外観撮影等、機動力と高画質を両立するこのレンズ以外考えられません。建築見学時にはT90にほとんど付けっぱなしになっていたのでした。
 今に至るまで、おそらく私のFDレンズ中では、50/1.2Lと並んで一番よく使うレンズとなっています。すばらしい描写も機動力も、もう手放せません。前述のように1992年の渡欧時には盗難に遭いましたが、余剰レンズを全部売って資金を補充(というほど高く売れなかったが)、何とか2本目を入手したのでした。

 レンズそれ自体は単焦点より大きいですが、サイクリング時の携行レンズ数が減るのは、私にとって大きなメリットです。50/1.2L80-200Lと組み合わせると、たった3本で20mmから200mmを安心の高画質でカバー。サイクリング時の風景写真にはまず困りません。実は未だにFDを手放せない人には、この組み合わせで使っている人が多いようです。誰が付けたかその名もFD大三元。

記 2006/6/24

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Last Update 2006/7/10
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