私の好きな道 #23
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ナウマン国道というのは、豊似から吉野までの国道336号線の愛称です。十勝平野の一番海岸寄り、ひっそり静かな丘陵や湿地を抜ける、幅広の豪快な道です。ナウマンというのは、かつて大樹町でナウマン象が発掘されたことによります。
両端の豊似から美成までと吉野から十勝河口橋までは、十勝平野も下手の広々とした緑の景色になります。一方、中間の美成から十勝河口橋までは、森やら牧草地やら、低地の湿地帯が断続する、緩めのアップダウンが続きます。無人の丘陵・湿地に思い出したように現れる谷間の集落、かなり少ない交通量。道幅はけっこう広い道ですが、緑の中を落ち着いて走れる道です。
かつて1980年代後半、この道はロングダート国道として名を馳せていました。特に吉野での十勝川の渡し船は有名でしたが、十勝河口橋の開通によってこの渡し船も無くなった模様です。
一方、谷間の湿地帯では、時々道の脇へ分岐して湿地帯の中をくねくね進む旧道を確認できます。茂みに埋もれかけた元国道は路盤も風化しつつあり、そんな静かな時間の流れを感じることができます。
全区間通してあまり海がよく見える印象はありませんが、途中の丘陵アップダウン区間では遠く日高山脈を望むことができます。また、十勝河口橋での十勝川の広い川原はゆったり雄大としか言いようが無く、果てしない丘陵・湿地帯と好対照です。
記 2006/2/27