紀伊半島Tour24#2
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7:50、新鹿発。再び岬の稜線へ登ってゆく。確か次は波田須町の先まで登りだったような気がした。
岬まで登った道の登り斜度が安定すると、森が切れ始めて下手が畑と田圃に替わり、ところどころで空と熊野灘が拡がり始める。波田須町だ。所々に熊野古道の看板が出ている。
途中、GPSトラックが国道の道端から民家脇の細道へ下っている。空間がすとんと落ちていて、斜度がかなり厳しそうだ。
多分というか間違いなく集落の急斜面直滑降と思われる。新鹿で時間を取ったし、もうそちらは行かずに国道311を進んでゆく。
波田須町からの登りは、記憶に比べてあまりボリュームのあるものではなく、意外にあっさりトンネルを通過。
あれっと思っているうちに大泊まで下りなのであった。今日は二木島始発のせいか、だいぶ熊野灘区間での展開が速いような気がする。つくづく昨日の雨が悔やまれるものの、そういう今の気分は悪くない。尾鷲発二木島着のパターンは今後使えそうだなと思う。
波田須町の海は新鹿と何ら変わらず、透明度が高く白い砂浜そのものは美しい。しかし国道311は、軒が低く落ちついた大泊の町の先で国道42に合流。当然のように道は一気に幅広く、交通量が段違いというか別世界のように増えてしまった。
4回目なのでこうなることは判っているし覚悟もしている。でもやはり、全体的に落ち着きは悪い。
行程上、熊野市市街の先で再び国道42から別れて山中へ向かう国道311に乗り換えるまで、熊野市市街を通過してゆく。大泊から熊野市市街へは旧道細道トンネルを使う。一応車も通れることになってはいる道なのだが幅がかなり狭いので、通っても軽トラぐらいなのが親しみやすい。また、熊野市市街側は国道42からは少し離れた町中に出る。そこでは軒の低い瓦葺き、昔ながらの佇まいの木造家屋が元々旧道っぽい格調とともに続き、熊野市市街というより本来の地名の木本の町という言葉が頭に浮かぶ風景なのだ。短いながら私にとって熊野市の好感度をぐっと上げるトンネルなのだ。
商店街では歩行者天国の朝市をやっていた。自転車を押してゆくと、秋刀魚寿司始めいろいろ弁当になりそうな物も売っている。こういう所が熊野市は親しみやすい。
8:40、計画段階で目星を付けていたローソンに脚を停め、おにぎり、ケーキなど補給食料を多めに仕入れておく。今日だけじゃなく、明日も食料難民になる可能性があることを、紀伊半島では注意する必要がある。
記 2024/6/1