中国地方Tour22#5
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池ヶ峠の手前で、旧国道が脇の茂みの中から浮き上がってきたように現れて新道と合流。そして池ヶ峠で、道は急に道が細くなった。
RideWithGPSのプロフィールマップでは、この先、国道490は微妙に登り下りを続け山中を推移してゆくように描かれていたのがちょっと不思議だった。実際の道も、細道が森の中をくねくねと、細かくアップダウンを繰り返してなかなか下り始めない。
途中1回拡幅済み区間になってまた狭くなったりしつつ、地形図とGPSの線形が一致しているので、これが国道490本来の道なのだろう。地図では道が妙に近づいているのに合流しないので、注目していたが、案の上道がちらっとしか見えないぐらいに高低差がある。
不思議な地形と道。そして明るい若葉の広葉樹と、深緑の杉が入れ替わり現れる森は、鬱蒼とした影ときらきらの木漏れ日が楽しい。これぞ400番台国道、国道490は最高だ、と嬉しくなった。今日も素敵な道を走れていること自体が嬉しい。
しかし、地図を確認しようとして気が付いた。今日の宿が載っている次の地形図、1/5万「山口」をなくしてしまっているのだった。さっき萩から国道490を登り始めたときには絶対一度眺めているので、池ヶ峠までの間どこかで落としてしまったに違いない。GPSトラックからは外れていないので道の心配は無いし、GPS画面の地図は1/2.5万相当の地形図だ。スマホだってあるので地図を全く見ることができない訳じゃない。宿まであと10km台だし、もう明日は最終日。あまり問題は無いようにも思える。でもその後は何となく落ち着かない気分が続き、いかに自分が地形図依存のツーリングをしているかを思い知らされた。
野呂戸で稜線部から里に下ったかのように見えた国道490は、殿河内で里への下りから分岐し、笹目峠へと再び登り始めたようだった。
さっきの池ヶ峠周辺と違い、狭いながらも谷間にはずっと田圃や畑、或いはそれらのなれの果てのような茂みが続いていた。
こういうことも地形図を気軽に確認できないと、行く手に見える風景を受動的にそのまま眺めるだけになってしまい、あまり面白くない。
笹目峠は、一般的な峠という場所の斜度の変曲点より、集落の道と道、あちら方面とそちら方面の分岐、という雰囲気が漂っているのが特徴的だ。
そのまま里方面へ下ると順当に道幅が拡がり、二反田でやや車が多い県道32に合流。
銭屋で県道32から杉野峠方面へ分岐して、やっと車がいなくなってほっととした。
杉野峠は峠と言いつつもう丘越え未満。穏当な起伏の丘陵とそこに拡がる農村、そして細道というのがこの辺りの特徴であり、峠は国やエリアの境というより目印としての地名なのかもしれない。
サファリランドの前を通り、16:30、赤「ほっとびれっじ美東」着。
ここまで4泊、タイプの違う宿に泊まってきた。5泊目のここは、一番カジュアルな旅の宿という雰囲気だ。「サイクル県やまぐちサイクルエイド」のポスターも掲示されている。サイクル県、言ってくれるじゃん山口県。
とか斜に構えているのは、RideWithGPSによる登り標高差が1750mだったのに、実際には1150mだったからかもしれない。津和野から萩までもう少し道が静かだったら文句が無いかもしれない。後で思い出すと、やはり計画時に標高差を意識しすぎて里の道を選んでいたことが、コースにややメリハリに欠ける印象が続いた原因だったかもしれない。
考察より風呂だ飯だ。お風呂は近くのトロン温泉へ。帰ってきたら、まだ17:30。食事開始の18時でもまだ明るい。食べ終わってやっと少し薄暗くなってきた。
記 2022/6/20