中国地方Tour22#5
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津和野川の谷間は高津川の谷より多少広く、両岸に狭いながらも田圃と農村が続く。谷間の幹線道路は国道9、その名も山陰道。田圃と農村を縫うように脇道をが通っていて、少しでも脇道を経由すべくGPSトラックを書いている。
脇道は少し谷間に続いて国道9に合流したり、また分岐して対岸に渡ったりする。行程の進行は今ひとつだ。しかし、国道9の交通量はツーリングの許容範囲内ではあるものの、脇道が有り難く思えるというぐらいには多い。そして脇道沿いの風景は静かで生活感があり、こぢんまりとした空間が居心地が良いのだった。
そのうち谷間に国道9と山口線だけになるので、仕方無く息を止めるような気分で国道9を進む。こうなると、確か津和野は近いはず。
その通りに、和田で前方に現れたこんもりした山を巻き、国道9と山口線は山中へ消えてゆくのであった。トンネルを抜けた先が津和野である。山から谷間に、またもや鯉幟の列が掛かっている。さっきから眺めている津和野川の谷間、山肌からこちらを見渡す展望を想像していると、ステンレス車体187系3両編成の特急おきが通過していった。山口線、かつて国鉄が復活SL列車を走らせる路線として白羽の矢を立てた理由がわかるような気がした。
こちらはは山口線がトンネルでショートカットする津和野川の谷間を、細道で大回りしてゆく。
森から茶畑が目立つ集落へ、狭い谷だが険しい表情が無い里っぽさが親しみやすい、いい道だ。
9:20、津和野着。旧市街っぽい道を通っておくべきではないかとは思った。でも何となく、初回は町の実態としての駅前を見ておく方が良いような気もした。
結局、町の北側から山口線に沿った県道で駅前を経由しておく。町中を見ておくという趣旨の割には、意外に静かな駅前はそのまま通過しローソンポプラをを目指す。
ローソンポプラは何とやや深めの瓦葺き、更に看板が普通の青ではなく茶色である。流石は津和野だ。
出発後約2時間で32km。ペースはあまり良くない。まあ、高津川沿いでも津和野川沿いでものんびりしたしな。等と思いながら、暑いのでアイスを食べておく。あとクリーム系のスイーツでカロリー補給も。
店の軒下から表通りをぼんやり眺めていると、外国人含みの若者グループが、なぜこんなにてれてれ歩けるんだと思うぐらいてれてれと、笑ったりきょろきょろしながら通り過ぎてゆく。昭和のYH団体っぽいそういう雰囲気が、ちょっとニガテだったせいか、あまりYHで出会った人と一緒に行動するというような旅はしたことが無かった。それにもう大分長い間、そういう観光地のYHにも泊まってないな、と思う。津和野に興味が無くなった瞬間だったかもしれない。
記 2022/6/20