中国地方Tour22#5
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金谷からは県道13で、伏馬山裾の南側を回り込んで萩方面に向かう。
山奥ではないが丘陵でもない、かと言って平地という程真っ平らでもない台地上に県道13は続いていった。交通量は国道315よりがくっと少なく、GWでやってきているような雰囲気の車が目立つのみだ。それ自体は落ち着ける要素なのだが、道の表情がやや広域農道然とした雰囲気なのが多少物足りない、気もする。
田圃から集落が断続する途中、民家が途絶えること無く続いているのも特徴のようだ。まるでゴーストタウンのように色褪せた看板の商店が数軒並ぶ、30年前は元市街地だったのかもしれないと思わせるような集落も現れた。昔は地域全体で栄えていたのかもしれない。
伏馬山の裾を過ぎ西へ進む。
鈴倉から細道の県道315で狭い谷間、畑からおそらく県道10の旧道と思われる県裏道で谷間の裾から集落を抜け、裏道が県道10に合流すると、丘陵を広域農道っぽく豪快にトンネルと大きな線形で突っ切っていった。
この辺り、地形の展開が複雑なのに道が分節的で、更に県道10新道区間(と言っても決して新しくない)が地形図に載っていないので、全体としてあまり印象に残っていないのが残念である。
登りと言っても鬱陶しいだけで大して登らないのは計画時にわかっているし、計画時に印象に残っていないぐらいの道だから、あまり印象にも残らないのかもしれない。
道の駅ハピネスふくえも、看板が現れ始めた時点では「道の駅が現れたら立ち寄って何か食べなくちゃねえ」とは思っていても、いざ現れた道の駅はやっぱり通過してしまった。
県道11に移り、次第に車が増え始めた丘越えから予め選んでおいた細道分岐へ。一度見逃して戻ったその道は、舗装されているだけの細い山道のような里山急降下系みたいな道だ。トラックを書いてなければ絶対入り込まないだろうと思いつつ、山裾のごみ処理上の脇から集落の上手へ下り、細い川沿いに山陰本線をくぐって萩の西側へ出た。
山から漁村の裏手に下ってくる展開と細道の雰囲気は、南房総の海岸部に似ているように思う。しかし漁村の軒先を抜ける細道の上に掛かる、架線が無いシンプルな鉄橋の開放感は、非電化線たる山陰本線ならではである。以前乗車した山口県内の山陰本線で見た、漁村と青い海と海岸の森が続く素晴らしい風景を思い出す。
記 2022/6/20