中国地方Tour22#4
2022/5/2(月) 広島→柿木-6

広島→廿日市 (以上#4-1)
→栗栖 (以上#4-2)
→松ノ木峠 (以上#4-3)
→向峠 (以上#4-4)
→六日市
(以上#4-5)
→柿木
100km  RideWithGPS

六日市から七日市経由で柿木へ 赤は本日の経路
ニューサイ写真 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 六日市の町の先からは、拡がった谷間の比較的通りやすそうな場所に裏道が続くので、積極的にそちらを選んである。

 六日市まで通ってきた県道16は、六日市で国道187と合流していた。こちらから眺める国道187には、多少車が増えた気がしないでもない。まあしかしそれでもまだまだ全然許容範囲だ。いずれ柿木までには裏道から何度か国道187に戻ることになるものの、全く問題無いだろう。

 こちらの細道は、田圃の1本道から山裾の集落へ、谷間の平地を国道187より多少大回りしながら進んでゆく。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 農家庭先の花や丁寧に摘まれた石垣、納屋に眺める農機具、農家から路上に生活感がはみ出すような里の雰囲気が大変楽しい。青空の下、開けた谷間の風景は陽差しで明るく、道が山影に入ると冷やっと涼しいのも何だか嬉しい。

 下り基調でもあるし残り20kmちょっとにしちゃあ時間はあるし、落ちついて脚を進めてゆく。ただ相変わらず向かい風が強いので、脚を停めて進むまま身を任せるという極楽状態にはならず、ややしんどいのがちょっとだけ残念だ。

  立戸から七日市経由で柿木へ 赤は本日の経路

 立戸から七日市へは、国道187が丘を軽く越え、曲がりくねる高津川をショートカットする。こちらは国道のひと登りを避け、高津川沿いの谷間を朝倉経由の大回りへ。トラックを描いた段階では、行程や国道の雰囲気を見て決めようとも思っていたが、行程的に問題無さそうなので、静かそうな大回りへ向かうことにした。こういう道は多分旧道なのだろうな。でも、旧道じゃなくても別に構わない。道が静かで落ち着けるのなら。

 高津川の川岸から田圃、山裾の集落を抜けて畑からまた民家の間へと、人里がずっと続いてゆく。

 六日市近くで山の裾を豪快に横切っていた中国自動車道は、いつの間にかどこぞの山間に消えていた。

 国道187から離れて静かになった谷間の山裾に、山の影が増えている。しかしそれでも陽はまだ冬の正午より全然高く、陽差しのニュアンスにも秋冬の弱々しさは全く無い。まだ15時台。もう宿まであと10km台だし、ますますかったるい向い風に焦ることは無いのだ。

 七日市の町を過ぎ、大野原へと高津川の谷間は再び狭くなっていった。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 裏道が無くなって、戻った国道187は渓谷の道となった。相変わらず道幅は普通の国道なりに広いものの車は少なく、赤くなり始めた日差しが川面に眩しく、こういう時に宿到着がもう時間の問題というのはなかなかのんびりとした贅沢な気分だ。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 国道186から離れ、高瀬川沿いにぐるっと丘を回り込み、16:10、柿木原田屋旅館着。

広島から松の木峠経由で柿木へ 赤は本日の経路
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8 パノラマ合成
   RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 谷間は背の低い山に囲まれ、こちらも向こう岸もやや狭い平地となっている。原田屋旅館の家屋はあまり大きくない落ちついた木造民家風であり、川沿い1本道の民家の並びに建っている。対岸の狭い平地には川岸に貼り付いて小さな町が続いている。山の背は低くても、川の上流方面には山の青い影が続いてゆき、地形図通りの山深さを十分に感じさせてくれている。

 旅の宿として、絵に描いたような素敵な場所である。最初は津和野に泊まろうと思っていたが、津和野の宿が取れず、ここにしたという経緯があった。しかし実際に訪れて、津和野が良かったんだけどなあと思う気は無くなった。今日の宿はここでなければならない。
 2階の部屋でも、裏手の田んぼから蛙の声が聞こえてきた。夕食も一品一品美味しい。男性向け便所が廊下に開放型で、のれんだけが仕切りとなっているのもいかにも昔ながらの宿である。どうせ今日はお客さんは私一人。

 今回の旅の印象を決めるような素敵な宿だ。山田洋次監督はこういう宿を好きだろうとも思う。2年を超えるコロナ禍の後、まだこんな宿に泊まれて旅ができているのだ。何だか嬉しい気分で、カエルの声を聞きながら灯りを消した。19時過ぎ、まだ外は少し明るい。

記 2022/6/8

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Last Update 2022/8/31
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