中国地方Tour22#4
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8:50、廿日市発。土手の並木道、商業施設の脇、住宅の裏手とGPSトラックはめまぐるしく道を変えてゆく。
広電、山陽本線とそれぞれ特徴的な鉄道の個性が滲む踏切を渡り、住宅地の細道へ。
県道の狭い歩道で信号待ちしていると、小学校の遠足がやってきた。全体的に賑やかな団体との出会いに、こちらも楽しくなる。女の子の一人ががびっくりしたような顔で「こんにちはあ〜」と挨拶してくれた。
裏道はすぐ廿日市の山裾に辿りつき、山裾から谷間へ。谷間が狭くなり、道の斜度は増え、唐突に県道30へ合流。そのまま明石峠へと登ってゆく。
谷間というより山に挟まれた急斜面という方が適切な山の狭間に、周囲はあまり民家や業務施設が途絶えることが無く続く。県道30の斜度は6〜7%と穏当ではあるものの、車はかなり多い。何故こんなに多いのかと思うぐらい多い。緑は美しいのだが、何となくこそこそと道の端に貼り付いて、淡々と登るだけになってしまった。どちらかというと登る車が下ってくる車よりやや少なく、こちらの登り側は時々車が途絶える、というのが救いではある。
斜度は峠手前から多少上がって8〜10%となった。まあこれは珍しくもないし、もともと私は遅い。周囲のそんな峠っぽさを余所に、車は絶える気配が無い。
明石峠は標高320m。峠の向こうがそのまま峠という地名になっている。峠部分には道路案内風の看板に、「廿日市市峠」と書いてあって、峠の名前だか何だか大変紛らわしい。
そして峠を越えると向こう側はすぐに民家が建ち並び、あまり下りもしない。「明石峠とか言われてもね。もう何でもいいよ。車減らしてよ」という気分だ。この先まだまだ登りが続くに当たり、折角稼いだ標高が下がらないのは有り難い。
佐伯工業団地への分岐などという看板を見て、少しは車が減るのかもしれない等と期待はするものの、実際に分岐を過ぎても車はあまり減らない。実態として交通量が減るような工業団地でもないのかもしれない。
河津原を過ぎても、全然車は減らない。集落未満の農村と民家や町工場は絶えること無く続いているが、地形は標高なりに丘陵地形であり、進むと共に次第に高度を上げてゆく。まあ、目立って人が多そうな場所でもないので、劇的にここらで人が減ることは無いのだろう。
ということは、この通行量は、広島近郊であるが故なのかもしれない。昨日通った国道261も、あんなに広島から離れている一見山の中の北広島で、あれだけ車が多かった。改めて広島という都市の規模を思い知らされた気がした。
まあ今回、広島にはお好み焼きを食べるという大きな目的があった。それは今回のツーリングの目的の一つですらある。それに広島近くで狙い定めた太田川沿いは、あんなに素敵な渓谷で楽しかったじゃないか。今日だって広島市内から廿日市へ商工センターを中央突破した区間では、けっこう楽しめていたし。
もう少し進んだ津田は、県道30の狭さと交通量を除けば、全体的にのんびりとした昭和レトロ系の町だ。大竹へ向かう県道293の交差点でやっと車ががくっと減った。
記 2022/6/8