北海道Tour20秋#13-5
2020/9/20(日)八千代町→八千代町

八千代町→上美生 (以上#13-1)
→清水 (以上#13-2)
→熊牛 (以上#13-3)
→笹川
(以上#13-4)
→芽室
(以下#13-6) →中美生
(以下#13-7) →八千代町
 131km  RYDE WITH GPS

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路
PENTAX K-1 MarkII smc PENTAX-FA31mm1:1.8AL Limited

 次の区画まで脚を進め、12:30、鹿追演習場裏発。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 しばし十勝北部の平地を東へ向かう。この辺りは山裾まで緩く傾斜する平地に防風林で区切られた畑が続き、その背景に北側の山々や南側彼方の拡がりが見渡せる、十勝北側のハイライトであるはずだ。2015年をはじめ過去何度かの訪問で、平行するどの道も、いかにも十勝らしい迫力のある風景がダイナミックに推移することはわかっている。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 今日は雲が低く薄暗く、緑が鮮やかじゃないためなのか、やはり記憶ほどの見応えは無い。それに風が予想外に強くなり始めていた。未だ追い風ではあるものの、そろそろ始まる南下方向では、この風がもろに向い風に変わってしまうはず。折り返して正解だったかもしれない。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 北鹿追北西24線で、GPS画面に予定コースのトラックが戻って来た。

 予定の復路通りに南下を始めると、脚を停めても面白いようにどんどん下れてしまう。十勝河岸まで10km弱の100m下り、平均1%程度でもこんなに楽なのだが、やはり向かい風は吹いている。いや、吹き付けている。

 しかも下り始めると、辺りが急にどんどん暗くなってきた。途中から雨までぱらつき始め、振り返ると背後からかなり黒く低い雲が追っかけてきていることが初めてわかった。さっき山裾の手前で、どんどん低くなってきていた雨雲だろう。

 天気予報では午後は晴れることになっているし、予報が大外れするような気圧配置ではないので、通り雨だとは思う。しかし気温はけっこう低い。濡れたら風邪を引きそうだ。途中で雨具を羽織っておく。

 13:00、佐幌橋到着。

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

 雨は本降りに強まってから、然別川の段丘を下ると何とか上がってくれていた。雨には降られたものの、下ってみれば、十勝北部の台地を思ったより早く下れてしまっていた。これならもう少し北端へ向かっても良かったかもしれない。でも、この時間にここに来れているからこそそういう気分にもなれているのかもしれない。それに山裾に向かっていたら、もっと本格的に雨に降られていただろう。
 などと現実を承認、橋の向こうで雨具を仕舞い、名実気分とも十勝北側台地は終了だ。今日は雨雲くんに追い立てられてしまったものの、また来れる日まで、しばしの別れじゃ。

 引き続き道道54へ、美蔓の丘陵部へ登り開始。

 芽室までの丘陵横断に、標高差50m級アップダウンが6回も繰り返される、本日最大の登り区間だ。往路で姑息に避けた難所の倍返しである。実はこの道、2001年と2008年に通っている。2001年は特に事前に警戒していなくて、地図読みが甘かった結果これほどアップダウンが多いと思っていなかったため登りのペースダウンにいらいらし、後半には嫌気が刺した程だ。しかし芽室と鹿追という、私のツーリング上重要な地点をいい位置で結ぶ道なので、計画時にはつい選んでしまう道でもある。

 今日のコースでは、私にとって十勝最大級の要注意箇所でもあるこの区間が、最大の難所だと思っていた。しかしそういう地形だと理解した上で実際に通ってみると、覚悟していたよりは登りは少なく一つ一つの斜度も緩い。所詮は標高差50m程度なのだ。

 それより、交通量はやや多いものの、谷間の森を登り切って丘の上で畑が一気に開ける、その開放感が何とも楽しい。そういえば、嫌気が刺していた記憶が残った2001年にも、谷間の森の涼しさと畑が次々代わる代わる現れるのを楽しんでいたことを思い出す。

 この道を少し毛嫌いしすぎていたかもしれない。あの頃の方がパワーは遙かにあったはずだが、やはり余裕というものが道の印象まで変えてしまうのかもしれない。

 それより、登りきった先の遠くの空が、見事に晴れているではないか。まだ辺りは曇っているものの、美蔓丘陵部3つめの丘辺りでは、行く手は確実に晴れているのが確信できた。

 そして最後の丘では、それが芽室方面の山裾であること、その辺りが眩しい程の陽差しの中なのがよく見えた。ちょうとあの辺から再び十勝西部の山裾の風景が始まるはず。早めに折り返した分、あの辺から先で時間を掛けることができるのだ。

 十勝北側まで脚を延ばしたのに天気は思わしくなく、夢破れて雨雲に追われた気がしていた今日後半の行程だったが、捨てる神在れば拾う神ありである。とにかく臨機応変に方針変更したのは正解だった。これも今日の運と思える、行程の余裕のお陰だろう。

R0010678.JPG 北海道Tour20# 2020/9/20(日)八千代町→八千代町 北海道河西郡芽室町祥栄西14線にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 最後の丘から直滑降、十勝川沿いの河岸平地へ。

 緩く十勝川へと下ってゆく開けた畑に、芽室大橋へ一直線に道道54が続いてゆく。

 ちょうど十勝川まで半分の辺りで、雲の影の中から日なたの中へ戻って来た。途端に陽差しが眩しいほど強く、暑くて仕方無い。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 開けた平地では、相変わらず横風もかなり強い。芽室大橋では煽られながらやっと十勝川を渡る有様である。
 対岸の河岸を国道36へ登り返し、14:10、芽室着。

 国道手前だというのに河岸の直登は斜度が厳しく、国道36との交差点ではもうへろへろだ。ちょうど交差点の袂にセイコーマートを見つけ、思わず緊急避難する。それほど陽差しは厳しい。秋とは言え、流石に暑い十勝である。夏じゃなくて秋のツーリングで良かった、とつくづく思った。
 芽室まで戻って来た安心感もあり、この際アイスを食べちゃうことにした。夏でもないのに、とは思うもののアイスが冷たくて大変気持ちいい。おれは生きている、などと思う。北海道に来れてよかった。

記 2021/2/23

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Last Update 2021/3/21
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