北海道Tour20秋#13-4
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11:30、熊牛発。低く暗目の雲が空を覆い始めていた。畑が拡がる十勝河岸の平地を道道75で北へ8km。その間にぱらっと水滴が落ち始め、すぐに雨雲から脱出し、間もなく道道416へ。
道道416で河岸段丘を登り、途中農道を渡って道道133で直接鹿追の市街に降りてゆく。2015年に日没に追われて通った国道274に比べると今日の経路は登りそのものが明らかに短く感じられる。
また登ってから丘陵部の起伏が殆ど無く、何より丘陵部そのものがあっけないほど短いので、過去に通った十勝川河岸段丘横断の経路に比べてかなり楽に思われる。
途中の農道で、道幅が例によって部分的に心配な程細くはなるものの、ダートにはならないし、迷ってないことがわかってさえいれば十分以上に楽しめる。次に通ることがあれば、何か特別な意図がない限り迷わずこっちにしよう。
丘陵部から丘の縁をちょっと乗り越え、然別川を渡り、12:00、鹿追着。市街の宿に泊まった2015年の訪問を思い出しつつ、今日のところはもう町を通過してしまう。さっき十分昼食を摂ったし、自販機はまだもう少し先の笹川にもある。
等と思ってアドリブで何となく道をつなげていたら、2015年に泊まった「福生館」の前を通過するところなのだった。宿の隣、ビールを仕入れに出かけた酒屋も懐かしい。思い出せなくても、知った道へ何となく脚を向けてしまうのかもしれない。
市街から町の外へ町道を北上してゆく。1区画毎に、市街地の裏から住宅地、再び畑と防風林に、区画は変わっていった。途中から、ここも何だか見たことがある風景だと思い始めた。多分、宿の前から全部2015年に通った道なのかもしれない。
笹川で少し缶コーヒーを飲んですぐ出発。国道274を渡り、十勝北側の台地の西側外縁へ。
静かな畑の細道が次の区画で更に細く、畦道が舗装されているような道になった。国道274から西側の台地縁まで狭い範囲の畑には、裏道通行の需要も少ないのか、かなりのんびり静かなのが嬉しい。
十勝北側の山々が、鹿追辺りに比べてぐぐっと大きくなって見える。鹿追の北側なら、北側の山裾、すなわち今日のコースの折り返しはもう近い。羽帯とか清水辺りではやや時間が押しているように思えたものの、これなら予定していた北縁の道まで今日は到達できるかもしれない、という気になってきた。
しかし一方、ここまで追い風は結構強かった。そして頭上には、熊牛から増え始めていた雲が、一気に空を覆い始めていた。冷たい風も吹き始めていて、何時雨が本格的に降り始めても可笑しくない気もしないでもない。
この先の身の振り方を真面目に考える時期だろう。こういう時はとりあえず地形図を再確認するに限る。地形図を見直してみると、思っていたより山裾までもう少し距離がある。折り返し想定の13時に北縁区間から南下を始められるかというと、そこまで順調でもなさそうだ、というのが現実っぽい。あと1時間あればいろいろと余裕があるんだけどなー、とも思う。
今日ももう12時半前。まだまだお昼ではある。でも、日没まであと4時間ちょっと、でもあるのが秋ツーリングの落とし穴だ。
目的地まで行けそうかな、と思った直後に現実を突き付けられ、もう少し粘ってみたいものの、やはりこの辺が潮時かもしれない、という気もする。どうせ台地北縁山裾の1本道は、部分的とは言え一度通って雰囲気がわかってはいる。それに現実と言えば、山裾に近づくほど雲が増えて低く薄暗くなっていて、ここまでコースを描いたときに期待していた、明るく鮮やかな風景のイメージと現状に多少差があるのも現実だ。
予定の折り返し地点には達していないものの、区切りのいい未済経路で折り返し、後のコースに余裕を持たせるべきかもしれない。そうしよう。
記 2021/2/23
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