まつだい→(県道350他)小屋丸→(市道)松代下山
(以下#1-2)
→(林道下山田沢線)田沢→(国道253他)犬伏
(以下#1-3)
→(国道403)中仙田
(以下#1-4)
→(国道252)高柳町岡野町→(県道219他)
高柳町高雄→(県道12)高柳町田代→(県道275)高柳町石黒
(以下#1-5)
→(県道78)田麦
53km
越後湯沢からほくほく線に乗り換えると、車窓の近場の山々にまだほんのちょっと残雪がある。3週間前よりはさすがに雪は残っていないものの、例年だと新緑が山じゅうを覆い尽くしているのに。しかし、今年は東京でも4月中に雪が降ったのだし、先週だって寒さに震えながらニッカーをはいていたのだ。これぐらいは想定の範囲である。
まつだい着は9:17。ほくほく線の越後湯沢接続が、新幹線の始発から2本目になってしまって久しいが、せめて8時台に着きたいところではある。新幹線の始発は速達系統で、2本目は各停系統。ほくほく線としては、新幹線途中駅からの需要が多いのかもしれない。ならばあまり文句は言えないところだ。いっそ各停の2両編成を1両1両にして、両方接続してくれるとても有り難いのだが。さらに全列車にWCも付けてほしい。
等と妄想しながら自転車を組み、駅近くの7・11で補給ネタを仕入れると、あっという間に10時前。ところで、駅前の灰色の砂利に見えた巨大な塊は、近くで見たら何と砂やら泥やらで汚れた残雪だった。例年より残雪が多い傾向は、この辺りでは更に顕著である。
10:00、松代発。
まずは駅裏手方面の県道350で小屋丸方面へ。いつもとちょっと経路を変え、駅東の細道から入り込んでみる。国道253を走る距離がほんの少し短くなり、それだけで何だか得をしたような気分になれる。
里山に造られた建物、モダンアートが、枯れ草と泥残雪簿の中から所々に存在を主張し始めているのが、何だか季節感、物質感覚を超越していてシュールである。
駅裏手の小山を越え、谷間の棚田から再び登りが始まる。以前訪問したこの季節に較べ、棚田の拡がる斜面には、谷や日陰部分のみならず全体的に明らかに残雪が多い。その雪が空気を冷やすのか、空気も冷たい。フリースを着てきて良かった。
▼展望360° 県道350合流手前 画像上でマウスをドラッグしてください
棚田の途中の分岐で池之畑方面へ。
谷間から厳しめの斜度でぐいぐいっと100mぐらい高度が上がり、稜線に取り付いて尾根を巻くと、稜線部分に張り付いた池之畑の集落が登場。国道253方面へ抜けた視界が開放的な、山間の集落だ。駅から20分ぐらいしか走っていないが、もうこんなに山奥そのものの集落が登場するのである。
▼動画1分55秒 池之畑
池之畑から稜線付近に道が続く。
杉、新緑の広葉樹の向こうに、ちらちらと周囲から松代側の谷間へ続く展望が見え隠れする。
その稜線区間が下山へ一気に下り始める手前で景色が北側から南側へ変わると、近景の里山の向こうに、信越国境の山々が突然ずらっと姿を現した。
▼動画2分2秒 池之畑稜線から南に視界が広がる
青空の下、黒い山肌に白い残雪、鮮やかな新緑と杉の濃い緑が拡がる景色と、松之山の幾重の丘を飛び越えて拡がる空間に、思わず立ち止まる。
▼展望360° 同上 画像上でマウスをドラッグしてください
雪のせいで気温が低いためその辺だけ空気は透明なのか、山々の姿は異様に明瞭で、緊張すら感じられるほどである。いや、毎年の雪崩跡に雪が溜まった絶壁は、実際にまだまだ多くの生き物が立ち入れない厳しい場所なのだろう。
記 2010/5/22