吉野→(県道15他)喜蔵院→(林道吉野大峰線)
(以上#1-1)
→(林道洞川高原線)洞川→(県道21)川合
(以上#1-2)
→(国道309)行者還トンネル
(以上#1-3)
→(国道309)天ヶ瀬
(以上#1-4)
→(国道169)池原ダム→(国道425)坂本ダム
(以上#1-5)
→(国道425)尾鷲
(以下#1-7)
→(県道778・国道311)九鬼→(県道574)九鬼港
146km
延々続く池原貯水池の道の後、道の高度が少し上がって辿り着いたのが坂本ダムと坂本貯水池である。
この期に及んでまだダムとダム湖が続くのは想像を絶している。
いや、地図で知っちゃいるのだが、実際に辿ってみるとその距離感、ボリュームはやはり過去体験したことが無いものだ。さすがは日本3大酷道のひとつ。
思えば国道425という道は、この尾鷲・池原ダムの西には白谷越えの空中の細道、そしてくねくねの牛巡り越えと、いずれも果てしない系の道が続く。国道425でなく池原ダムとして考えても、国道169の河合からさっきの池原ダム、そして今この坂本貯水池と、まだ終わらないのである。更に国道169をそのまま進んだとしても、こちらの反対側へも延々と池原貯水池が続いた後、向こうにも谷間にくねくね溜まる七色貯水池が連続するのだ。
過去何回かの紀伊半島訪問と併せ、ようやく今回池原貯水池とその周辺のボリュームを把握できたが、もう一度書くととにかく想像を絶するボリュームだ。
それでもかならず道には限りがある。坂本貯水池が山奥へくねくね続いた後はようやく谷間が狭くなり、何と最後に民家が登場した。
地図上ではナゴセと描かれているこの場所、今は家が1軒残っているだけで、小さな民家と小さな畑が今日の明るい日差しの中で何ともあっけらかんと平和な佇まいに見えた。
標高400mの坂本貯水池から560mの最後の八幡トンネルまではもう一登り。
かなりの奥地なので辺りが山深いのは当たり前だが、標高がそう高くないので緑は鬱蒼として、たくましく切り立った岩肌もまた深山の趣が溢れている。
谷底で入った八幡トンネルの向こう側は、打って変わって標高差300m下へ一気に落ち込む空の中。
杉の濃い緑に重なる山々はどこか明るい日差しに照らされ、尾鷲の海岸を思わせられる。この時点で時間は15:35。16時台には確実に尾鷲まで下ってしまえそうだ。
ということは、今日はまず日没までには宿に着けるだろう。ここで一気に先行きの不安が消えた。
もうあとは一気に又口川の谷底へ下ってしまう。
谷底へ下ると、更に緑の木漏れ陽の狭い道が延々と続く。
谷底へ下った道がまた一気に深く落ち込んでゆき、それを追って道はより深い緑、谷底へ下ってゆく。
少し谷間が拡がったところでクチスボ貯水池が登場。標高150mぐらいの、何とも静かな山間の小さな湖だ。
クチスボダム、そして坂下トンネルを越え、道は更に一気に谷間を下り、その下り途中で狭い谷間に阻まれて見えなかった尾鷲の町と尾鷲湾がようやく登場。
森から尾鷲の町外れへ下り、最後はツーリングマップルで読んだ通り、墓場の脇から16:30、国道42に合流。
これで今日は確実に日没前には宿に着けそうなのがウレシイ。それ以上によく考えると、池原ダムから尾鷲まで3時間半以上を覚悟していたのが、2時間台で着けたのもウレシイ。やはりツーリングにはこういう余裕が無いと、とも思った。
記 2009/5/6