吉野→(県道15他)喜蔵院→(林道吉野大峰線)
(以上#1-1)
→(林道洞川高原線)洞川→(県道21)川合
(以上#1-2)
→(国道309)行者還トンネル
(以上#1-3)
→(国道309)天ヶ瀬
(以上#1-4)
→(国道169)池原ダム→(国道425)坂本ダム
(以下#1-6)
→(国道425)尾鷲
(以下#1-7)
→(県道778・国道311)九鬼→(県道574)九鬼港
146km
12:40、天ヶ瀬到着。ここから国道169、通称熊野街道である。
こちらは名実ともに国道そのものの立派な道で、さっきまでの行者還林道と較べるとだいぶ裁けて交通量が多い道である。
開けて通りの良い大きな谷間と立ち上がる高い山は見事だが、いかんせん車が多い。
上北山村中央部の河合の先でその谷間が次第に拡がり、池原貯水池が始まった。
なみなみと緑色の湖水がしばらく、いや、体感上だいぶ長い間山間にくねくね続いた。
13:40、池原ダム到着。ここから国道425で、山中を尾鷲へ向かう。
実はさっきの天ヶ瀬から少し焦りを感じていた。というのは、地図で読めるくねくね度では、この先国道425を尾鷲に向かうと少なくとも3時間半以上、ひょっとして4時間掛かるかもしれないのである。更に尾鷲から先、県道778で標高差400mをこなし、九鬼港まで向かわないといけない。これでは何となく日没までに宿に辿り着くのは無理な気がし始めていた。池原ダムの国道425分岐で標識には「尾鷲47km」とある。この距離で湖岸のくねくね細道に途中の登り返しが2回。3時間半で行けるかというと、全く自信が無い。計画時には宿には18時に着けるだろうと思っていたが、さっきの行者還林道で、坂登りと写真の撮りすぎで明らかに時間を食いすぎたのだった。
しかしうじうじ考えていても一向に目的地には近づかない。先に進み、尾鷲到着時に宿に到着予定時刻を連絡するしかないのだ。
池原ダム、そしてその先の池原発電所を過ぎ、池原貯水池沿いの国道425では細道くねくねの他に延々と緩アップダウンが続いた。
鬱蒼と道を囲む広葉樹林は緑に染まりそうで気持ちがいいが、ブラインドコーナーと、大きく岬へ登って谷へ下ってゆく緩めのアップダウンが切れ目無く果てしなく連続。
時々木々の間に見える対岸にも湖面にも、人の生活感は全く感じられなくなった。
また、途中備後橋で湖面を渡る橋は真っ赤な鉄骨で、一面緑の山の中、静かな湖面の上を横切る橋はどこか物寂しく弱々しく、浮き世離れしてますます山深さを感じさせた。
しかし、このような状態でも時々釣り人は登場した。というか、車が狭い路上の少し拡がった場所に停まっているところの、どうやって降りたかわからない崖下で至って平和に釣り人は湖面に糸を垂れていたのだった。
次第に寂しく人気が無くなる景色の中で、それが心の救いになった。
記 2009/5/6