(以上#6) →(国道352)会津高原 144km
ウインドブレーカを着込んで、15:15、御池発。さあ、いよいよ伊南村の国道401分岐まで、900mの下りである。
まずはぶな平。御池から続く鞍部にぶなの巨木がにょきにょきと立つ、見事な原生林だ。御池までの登りと違って北側斜面のためか、こちらはもう葉がほとんど散ってしまい、初冬の趣である。
ぶな平が終わると、その後は檜枝岐川の谷間まで一気に200m以上を下る切り立った斜面となる。
眼前に檜枝岐の谷間がいきなり拡がり、それは奥只見湖から続いた秘境から奥会津の里への下りの象徴のようで、いつも気分が盛り上がる。
激下りのつづら折れは道路拡幅もままならないようで、この区間はずっと1車線が続く。
急下りのブラインドコーナーが恐ろしいし、そもそも身体に当たる風が寒い。速度を抑えてそろそろと下る。
七入で谷間に下りきると、あとはもう安全だけ気にして谷間をひたすら下り続けるだけだ。
カラマツに囲まれた谷間は何だか広々としていて、枝折峠からずっと続いた秘境の終わりを実感させる。しかし、広さに何だか里に帰ってきたような気になるものの、ここでもまだ標高1100m。
檜枝岐の市街地はそのまま通過。水もあるしまだおにぎりもある。
スノーシェッドと広葉樹、カラマツの森の中、どんどん下り続ける。
いつの間にか辺りの看板は伊南村となり、大桃で辺りが拡がって、下り斜度は緩くなった。
足を回して下り速度を何とか保っていることもあったが、いつの間にかさっきまでの厳しい寒さは感じられなくなっていた。
16:15、内川発。ここから伊南川の谷を逸れ、舘岩川の谷へと再び遡上を開始する。
穴原、塩原、松戸原と谷間が狭くなったり拡がったり、集落、田圃、そして渓谷と、山間の景色がころころ替わって過ぎて行くが、もうどこを見回しても奥会津ののどかな景色である。
こんな道はのんびり通るに限るが、釣瓶落としの夕暮れがすでに始まっていて、次第に、いや、どんどん辺りは薄暗くなっていた。
登り基調の道にペース自体はのんびりではあるが、もはや粛々と先へ進む気分である。
17:05、辺りが拡がって森戸通過。もうすっかり周囲は薄暗く、前々回、2年前の訪問時、大雨で雨具を着込んだヤマザキデイリー辺りではもう完全に夜になってしまっていた。しかし、今日は前回のように雨ではないのが有り難い。
その先は谷がどんどん狭くなって登り基調が鮮明になり、3つ目のスノーシェッドの後はそのまま連続して中山トンネルへ。昼と違ってスノーシェッドからトンネル内では灯りにほっとするのが何だか我ながらおかしい。
再びトンネルを抜けると夜の空は晴れていて、辺りの闇が何と無く勝手が分かる。それだけに転落が恐ろしく、もうあと少しの道のりをそろそろ下っていった。中山トンネルまでは標高差400m登りだったが、下りは200m。まあそれなりの下りボリュームのあと、行く手の闇に灯りが現れた。やったやった、遂に下り終了である。晴れちゃいてもやはり山の中のナイトランは何だか心細いのだ。
17:55、会津高原着。
一昨年は450枚も写真撮り過ぎで18時着、去年はその反省が少しは反映されて17時30分着だったが、今年は一昨年に近い時間になってしまった。何となく残念な気分である。ちょっと言い訳のネタを捜すつもりでGRDの撮影枚数を見てびっくり。何と570枚も撮っていたのだった。
まあ今日のように晴れで紅葉が綺麗なら、これはカメラを持っていけば写真を撮らない方がどうかしているよな。などと考えつつ、鬼怒川温泉からのスペーシア券を押さえて、いつものように輪行開始。
記 2007/10/28