枝折峠の向こうでは、やはりすとんと落ち込んだ谷間が一面紅葉で真っ赤っかである。
その景色全体が、今までの小出側に較べて明らかに明るい。中ノ岳の塊など、雲の中で反射した日差しがまぶしいほどだ。
峠下の長いスノーシェッドを抜け、稜線を巻いて折り返すと、北ノ又川の谷間に出る。
谷間正面の山々は、いつものように少し寒々と、そして一種のテンションのような清らかな空気の中で聳え立っていた。
その山深い眺め、そこから眼前の谷間に下ってくる北ノ又川を眺めながらつづら折れを下っていると、ついに日差しが現れ始めた。
こうなると、もう立ち止まって景色を眺めるしかない。来て良かった。
北ノ又川を渡ってそのまま銀山平へ。10:35、銀山平「尾瀬三郎商店」通過。
この時刻なら、過去最速で会津高原に着けた2001年の時刻に乗っている。まあしかし、このときはほとんど写真を撮っていないのだ。今回この紅葉にこの好天、途中で写真を撮らないわけに行かないだろう。何にしても後で後悔の無いようにしないと。
湖岸の平坦区間を進むと、山から湖に流れ込む沢渡りで湖岸が次第に屈曲し、入り組み始め、進むに連れその入り組み方は深くなっていった。
沢の奥に向かうときには、道は山に向かって進むことになる。そういう時には、改めて今回が凄い紅葉であることを実感する。
手前も向こう岸も、湖岸の切り立った山々が、全部赤や黄色やオレンジ色なのだ。広葉樹の全部が全部色付いている。
あちこちで車やバイクが停まって、みんなで凄い凄いと感心している。この湖岸、バイクは通行止めのはずなのだが。
その屈曲した道の谷間の一番奥で、道の上を沢が直接流れて渡るウォッシュボード箇所が次第に増え始め、やがて中が真っ暗なグミ沢トンネルが登場。
ライトを点けてそう長くないトンネルを抜けると、いよいよ80m・210m・140mの3連発アップダウン開始だ。
記 2007/10/28