北海道Tour25夏#6-5
2025/8/12(火)仁宇布→天塩

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

仁宇布→上徳志別 (以上#6-1)
→歌登 (以上#6-2)
→音威子府 (以上#6-3)
→清川
(以上#6-4)
→天塩  152km  RIDE WITH GPS

PENTAX K-1 MarkII HD PENTAX-D FA15-30mm1:2.8ED SDM WR

 分岐してすぐ、一発目の峠が始まった。たかだか80m登りだと思っていると、鬱蒼とした谷間からぐいっと丘陵鞍部に取付き、意外に長い鞍部を越え、向こう側の茂みにダイブするように下って行った。

 茂みも森もややワイルドな雰囲気が不気味に感じられ、時々通る車が心の支えだった。しかし、清川の分岐から車はぐっと減っていた。全く通らないわけじゃあないのは救いだったが、雰囲気以上に変な甘い匂いのする茂みが谷間にあった。出るときは出る道なのだと思う。

 下った谷間は、最初は耕作放棄地の雰囲気が漂う、やや高い茂みが続いた。

ニューサイ写真 RICOH GR GR18.3mm1:2.8
  A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

 谷間が広がると茂みが牧草地に変わり、牧場も現れ始めた。サロベツ原野周囲の他の谷間、特に問寒別の谷間に雰囲気が似ていないこともない。伸びやかで静かで落ちついていて、大変好ましい。

ニューサイ写真 RICOH GR GR18.3mm1:2.8

 しかし、日本海かサロベツ原野の為せる技か、風が強くなり始めていた。今日の風は横風で、概ね北上している道のちょっとした向き次第で、少しはマシになったり向かい風気味に変わったりした。

 それに日なたが続くと、まだ暑くてしんどくなってくる。そういう時には、折角の広々とした風景が砂漠のように見えて仕方無い。木陰はほぼなくなってしまったので、曇りだけが頼りだ。

ニューサイ写真 RICOH GR GR18.3mm1:2.8

 14時を過ぎると、風が涼しくなり始めていることに気が付いた。これも日本海沿岸効果かもしれない。

  A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

 オヌプナイで道道855へ。この辺りは2005年に訪れたことは確かなのに、風景を全く憶えていない。確か小雨っぽく薄暗く薄ら寒い曇りの日、かったるい行程だったことだけを憶えている。

ニューサイ写真 RICOH GR GR18.3mm1:2.8

 片仮名の名前だけが印象的なロクシナイ峠は、標高80mぐらいで登りも60mちょい。単なる丘越えと言っていい規模である。こちらも以前通った時に憶えている事柄は全く無い。

 地形図を見ると、何か切り通し峠っぽい。それなら、いっそのこと60m丸ごと切り通しとかトンネルとか、楽な方向に変わっていてくれていると有り難い。横浜辺りには30〜40mぐらいの豪快な切り通しがあるよ。などと妄想したものの、実際のロクシナイ峠はクネクネ旧道でもトンネルでもなく、直登のままピークを乗り越え向こうに降りるだけの、ストレート極まりない単なる登り下りなのであった。

 そして峠の裾にはルークシュナイ(=ロクシナイ、漢字だと六志内)という名前の集落があり、向こうのサロベツ原野とこっちの日本海沿岸では土地の雰囲気ががらっと変わる。

 

 小さくても単なる登り下りでも、さすが峠と名前が付いている理由を納得させられた。こういう見所があるというのに、相変わらず前回の記憶は全く無いのである。

  A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

 最後は向かい風の中をえっちらおっちら海岸まで。セイコーマートで明日の朝食ネタを仕入れてから、15:35、天塩温泉夕映着。

ニューサイ写真 RICOH GR GR18.3mm1:2.8
  ニューサイ写真 RICOH GR GR18.3mm1:2.8

 昨日、一昨日は予定コースを部分的にしか走れなかったが、今日はやっと、曲がりなりにも全部走れて良かった。自走で宿に辿りつく旅の感覚が、とても嬉しい。
 夕方の日本海上は青空から赤みがかった色に変わりつつある。利尻は中腹に少し雲が掛かっているだけ、むしろ利尻岳のギザギザした青いシルエットとたなびく雲がよく似合う。
 明日も天気は午前中晴れ、曇りは午後のオホーツク沿岸だけ。朝から走れる。特筆すべきは日本海沿岸で朝に晴れまくりなこと。気温も稚内市では10℃台〜26℃だ。風さえ無ければ、きりっと涼しい空気の中で、日本海沿岸の広々とした空間を存分に楽しめるだろう。来ることにして良かった。
 午後は多分いつもの通り、オホーツク沿岸手前の山から曇り始めるんだと思われる。ということは、朝に稚咲内辺りまで北上してから豊富辺りで補給して、道北縦断道道周辺とか豊富大規模牧草地を回って沼川辺りで鬼志別に向かうという鉄板パターンで行ける。それでも未だ余裕がありそうだから、あとは現地の天気次第で考えよう。進行が順調なら、久しぶりに宗谷丘陵を回ってくるのも手だ。

 夕食を終えて部屋に戻っても、まだ日本海上はしばらく明かったが、次第にオレンジ色が濃く、利尻は青から紺に変わっていった。時々部屋の灯りを消して黄昏の空を眺めていたら、ここまで森と牧草地一色だった旅の気分が、一気に日本海の色に入れ替わった。

PENTAX K-1 MarkII smc PENTAX-DA★200mm1:2.8ED IF SDM

記 2025/10/26

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Last Update 2025/12/3
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