北海道Tour25夏#6-1
2025/8/12(火)仁宇布→天塩

仁宇布→上徳志別
(以下#6-2) →歌登
(以下#6-3) →音威子府
(以下#6-4) →清川
(以下#6-5) →天塩
 152km  RIDE WITH GPS

赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路と航路

 

 4時。天気予報は昨日と同じく1日中晴れ。絶好調だ。更に好ましいのが、音威子府辺りで最高気温が1℃下がって28℃になっている。もっと下がるといいのだが、平地だし行程には余裕がある。音威子府にセイコーマートもあるからどうにでもなるだろう。駅だってある。宗谷本線は緊急避難先としてはあまりあてにならないとは思うが。
 荷物を揃えて1階に降りると、食堂から見えるプライベート牧草地は霧に包まれていた。しかし上空は明るい。暑くなりそうだと思った。そのうちうっすら色付き始め、すぐ青空が現れて辺りがかっと明るく、風景が鮮やかになり始めた。暑くなりすぎないといいな。

 シェフ佐藤さんが準備してくださったおにぎりを頂き、フロントバッグから熊鈴を出して前後に取付け、5:45、ファームイントント発。

 まだ霧に包まれ静かに眠っているような牧草地の奥の方やソバ畑、森をきょろきょろ見回して脚を停め停め、仁宇布まで下る。

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路
ニューサイ写真 RICOH GR GR18.3mm1:2.8

 6:00、仁宇布交差点発。ここまでの下りは道道120に移った途端登りに変わり、我ながら笑っちゃう程がくっとペースが落ちて、のろのろ道道120を進んでゆく。ところどころでまだ霧が濃く、遠景がまだ霞んでたり、気が付くと腕に結露している。

ニューサイ写真 RICOH GR GR18.3mm1:2.8

 道道のゲートを過ぎ、森が高く濃く深く、生き物の雰囲気を漂わせ、道を包み込むように迫り始めた。時々車が通っているというだけでこちらも安心して通れているものの、いつもちょっと息を潜める登りだ。ましてやまだ6時過ぎ。

ニューサイ写真 RICOH GR GR18.3mm1:2.8

 西尾峠の手前で霧は引いた。空気は未だひんやり、涼しくて快適この上無い。昨日の生田原より全然涼しい。道北に来て良かった、と思う。
 6:25、西尾峠通過。

  A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

 峠の向こうはしばらく鞍部が続く。歌登側からだとこの鞍部が緩い登り3段になっていて、ややじれったい。こちらからだと緩々とは言え、何だか一気に通過してしまう。

 フーレップ川の谷底へ一気に下ると、下り斜度が一旦落ちつく。

 緩くはあっても連続下り基調。あまり頑張らず脚を軽く動かして25〜30km/hで快調に進んでゆく。

 木立の足下に広がる笹原の中にフーレップ川が、時には接して時には離れて並行する。延々と道は続いても森は変わらず深く、薄暗い中に熊が見えそうであまり覗き込みたくない。時には森の向こうが開けているのか笹原が明るく照らされているのが見える。

ニューサイ写真 RICOH GR GR18.3mm1:2.8

 そういう暗い森の向こうに明るい光が見えると自然に目が行ってしまうが、やはり熊が見えそうな気がして、勤めてあまり見ないようにする。と思うとついきょろきょろしてしまう。ちゃんとしっかり前を向いて走らないと、必ず事故になると思い直す。

 下りの勢いに乗じてささっと息を潜めて通過したって、道の両側に現れるのは森の続きだ。何か現れるかも知れないという不安は、何も変わらない。登りで遅いときには下りと同じと思えばいいんだよな、と気付いた気分になる。何か間違ってるかもしれない。

ニューサイ写真 RICOH GR GR18.3mm1:2.8

 ただ、近年この道道120には早朝の交通量が増えている。10分に1台か2台位であっても、車の通過は熊が引っ込んでくれるには十分だと思われる。実際には熊ではなく、森ががさっと言って時々シカが、そして路上の遠くや近くに狐が現れたりリスが横切ったりした。その度、熊がいれば奴らは出てこないだろう、熊はいないぞとも思い、少し安心できた。

ニューサイ写真 RICOH GR GR18.3mm1:2.8
 

 そして、青空一杯に朝の光が溢れている。森の上の方や周りの山は日なたの中にあり、直射日光に照らされてくっきり色が濃い森の緑が、とにかくおいでよ、と旅の希望を象徴するようだ。この後暑くなることはわかっちゃあいても、何だか無性に嬉しい。これこそ北海道ツーリングだ。

ニューサイ写真 RICOH GR GR18.3mm1:2.8
ニューサイ写真 RICOH GR GR18.3mm1:2.8

 道道880のダートが底知れぬ森へ消えてゆく分岐は、私にとって天の川トンネルの道標だ。

ニューサイ写真 RICOH GR GR18.3mm1:2.8

 牽牛駐車場手前から少し乗り上げてトンネルに入る手前、身体に当たっていた風が弱くなると共に日なたに出たら、空気がかなりぬるいのが感じられた。

  A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

 トンネルに入ると打って変わって寒い1歩手前ぐらいに涼しいのだが、1800mのトンネルを抜けて再び外の日なたに出ると、確かに空気がぬるい。早くもお出でなすったか。

 そろそろ腹が減ってきていた。何しろ下り基調とは言え出発後1時間以上。おにぎりを食べようと、森が開けた大曲で少し脚を停めてみると、想像以上に路上の気温が上がっていて違和感すらある。

ニューサイ写真 RICOH GR GR18.3mm1:2.8

 風は意外な程爽やかで普通に涼しいので、路面の照り返しが暑いのだと思った。そりゃそうだ、これだけかんかん照りなんだから。という分析より、今後の展開が心配だ。昨日の暑さを思い出し、咲来峠を何とか越えられるといいんだが、と思った。しかしその後、もともと暑い音威子府を一番暑くなる時間帯に通ることになる。今日最大の難所は、天塩川沿いの国道40かもしれない。早め早めに脚を進め、行程と気持ちに余裕を持っておく必要がある。

 7:15、上徳志別着。仁宇布出発時刻が年々早くなっているので、到着時刻も年々早まっている。

記 2025/10/26

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Last Update 2025/12/3
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