北海道Tour25秋#14-1
2025/9/22(月)札友内→開陽
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天気予報は終日晴れ。今日はさすがに朝から走れそうだ。と思って外に出ると、外はまだ風が少し強く、少し肌寒い。しかし、Tシャツの上にポロ1枚で十分凌げそうでもある。
荷物を積んで朝食を頂いた後、7:50、鱒や発。
以前通ったことがある、美留和に向かう農道を経由し、弟子屈原野へ。途中、森を通過する場所では、路上に葉っぱや枝が散乱していた。落ち枝にはまだ緑の葉っぱが青々としていて、道を塞ぐように大きな枝もあった。枝を巻き込むと泥よけがひしゃげてパーになることがあるし、そうでなくても転倒の原因になって危険だし、気を付けて避けて通った。改めて、昨日の嵐が凄かったことを思い知らされた。いや、未だに強い風が吹いている。もう危険という程じゃないものの。
ただ、空は見事に晴れている。過去この道には、雨か曇りの訪問しか記憶が無い。今日はそういう過去の訪問と比べ、風景の印象ががらっと違う。広々伸び伸びとした開放感と共に、牧草地や森の緑、摩周の山裾、そして山々の整った姿が一体となり、青空を背景にばっちり決まっているのだ。
国道391を渡ると、周囲は綺麗に整えられた牧草地に変わった。ここも今まで霧か雨の牧草地という印象しか無かった場所だが、今日は草が緑鮮やかで、山裾ならではの開放感がより伸びやかだ。
道が山裾を北上し始めると道端に電線が無くなり、一直線の道と牧草地・森・山々・青空が一つの空間になった。一つの空間というか、近景から遠景まで一つになって、自分の周りを囲む風景になっているのだ。少し進めばその風景が3Dのように変わり、しょっちゅう脚が停まる。牧草地の牛が草を食べていてこちらをじっと眺めていた。
この辺りで今まで印象的だったのは、国道243から仁多農免農道に分岐した辺りの風景だった。それを上回る絶景の道だ。
牧草地まっただ中で道は直角に曲がり、森の中へ。途中短いダートまで登場したものの、予定通り仁多農免農道に合流した。仁多農免農道は毎年のワンパターンコースなので、多分今後は、弟子屈手前で仁多農免農道からこちらの道を駅揺することになると思う。寄り道するのに手間の掛からない良いコースが見つかった。
その仁多農免農道でも、森の路上では落ち枝が所狭しと散乱。それだけじゃなく、川を渡る橋の路上に、泥がたっぷりずぶっと溜まっていた。山裾斜面地のこの辺り、恐らく土石流に近い状態で水が溢れ、泥が流れ落ちたと思われる。昨日とてもそういう余裕は無かったにせよ、もしこちらに脚を向けていたら、無事鱒やに辿り着けなかったかもしれない。
9:30、国道243合流。そのまま弟子屈峠を越えてゆく。こちらからだと、スノーシェッドの向こうがもう峠である。昨日道路側に傾いていたカラマツは、何とか倒れ込まずそのまま傾いていたが、国道管理上速攻で伐採されるのだろう。私は驚いていても、こんなことはあまり珍しいことじゃないのかもしれない。
萩野では昨日と同じく、ちょっと熊が怖い農道を経由。ここにも一杯枝が落ちているのみならず、路上に大きく傾いたカラマツもみられた。落ち枝を避けるたび、昨日唐松の大きな枝が飛び交っていたのを思い出した。かなり危険だったなと、改めて腰の辺りがむずむずするような感覚を覚えた。
再び国道243を渡って、根釧台地202kmコースの逆回り、農道萩野2号線へ。ちょっと登って小さい丘を越えるんだよなと思っていたら、こちらからだと小さい丘どころかほとんど登らないのは意外だった。道の印象なんて通る方向でいくらでも違うのだと驚くと共に、やはり一度、202kmコースは最初から最後まで逆回りする必要があると思った。
道道13で引き続き根釧台地202kmコースの逆回り。スノーシェッドを越えて根釧台地の縁へ、泉川からは牧草地グリッド地帯へ。
同じ牧草地ではあっても弟子屈原野と違い、規則正しい格子状の防風林に囲まれた区画が続いてゆく。そして牧草地だけじゃなく畑も時々みられ、広々というより整然とした風景だ。
アドリブ気味に、あまり通ったことが無さそうな道を南下してゆく。最初は計画意図の通り、現れる風景に余り見覚えが無く、通ったことが無い道だったのかもしれない。
しかし途中から何となく、いや、どうもこりゃあ知った風景が現れたかもしれないと思っていたら、間もなく最近よく使う、自販機がある交差点に着いてしまった。
時刻は11:00。泉川牧草地グリッドのど真ん中という印象があったこの場所、道道13から下ってくると、意外に西寄りなのであった。
今回も有り難く自販機のお世話になり、集会場の軒先で缶コーヒーを飲み、少しこの先を検討しておく。
というよりそろそろお昼だ。まず飯が食いたい。それなら、西春別に行くのが適切で確実と思われる。西春別に飲食店は何軒かあるものの、過去の訪問では入れたことは無い。しかしそれならいつものように、セイコーマートで何か食べればいい。ツーリング中の食事には十分という以上に満足感があるだろう。
西春別から開陽方面へは、出発前けっこう考えて描いておいたのに昨日通れなくて残念だったGPSトラックがある。これで開陽まで、程良いコースが一丁上がりだ。
カンタンの合唱が畑から辺りへ響き渡っている。夏と違ってこんなに畑まっただ中でも、もうアブは襲ってこない。まだ多少風は強いものの陽差しは暑いぐらいだし、まだお昼前。風景に入り込んで身を任せるような気楽さ、根釧台地でふらふら彷徨えている気分が何とも嬉しい。
気楽だったはずが、方向を変えて北西へ進み始めた途端、横風が襲いかかってきた。いくつか丘陵の谷と丘を越えてゆき、南向きの国道243に合流すると、強い追い風に乗って一気に快調、これはこれでちょっと怖い。後でこれは向かい風になるはずだが、今は余り考えないでおこう。
11:30、西春別着。以前の訪問時に、ぐぐって出てきた2〜3軒の飲食店を近場ローラー作戦で探し回り、結局どこもお休みだったことがある。今回もまずはそれで何軒か探索して、結論から言えば例によって今日に限ってお休みだったりしたのであった。ここは十分に有り難く、セイコーマートで豚丼とする。それにしても店の軒先はまだ暑い。
西春別の町外れからは、昨日のために描いておいたGPSトラックに合流。
大成まで北東向きの一直線、直角に向きを変えて養老牛まで北西向きにほぼ一直線、途中で計根別を通るコースだ。比較的穏当な、しかし計根別から養老牛は極力近年通ったことが無い道をつなげているつもりだったのが、それでも所々既知の風景が現れた。そして帰ってから確認したら、半分以上は通ったことがある道だった。どうせ帰ってから確認したぐらいなので、描くときには未済経路を探しちゃあいても、実はあまり気にしていなかったんだと思う。
山裾から離れた平地に、牧草地と格子状防風林のグリッドが整然と、延々と続いてゆく。谷間が少ないのは単調さの裏返しではあるものの、この辺りでは退屈さではなく、広々と伸びやかな開放感の印象が勝つ。北側に西別岳、武佐岳が程良い存在感で遠くに見えるからかもしれない。
9月も下旬だけあり、お昼前から陽差しに赤成分が明らかに目立ち始めた。防風林や茂みの広葉樹にも黄色っぽい色があることに気付き、やはり暑くはあっても、夏というよりこれはこれで秋まっただ中の風景かもしれないと思う。
12:30、GPSトラックに従い町道へ。ここまでの北東から90°、北西に向きが変わった。途端に向かい風が襲ってきた。養老牛までこの向きだと思うと気が重い。まあでもさすがにお昼、もう辛くて仕方無いという風じゃない。それにまだ何と12時台なのだ。のんびりと開陽を目指していればいい。いつかは着くだろう。
谷間の川と河岸段丘のアップダウンが短い間隔で現れた後、乗り上げた台地上に民家が現れた。と思ったら既知の風景の中。12:40、意外に早く計根別に到着したのであった。
計根別にもセイコーマートがある。西春別でセイコーマート休憩してから1時間も経っていないが、開陽まで最後のセイコーマートになるので、ここは有り難く表敬訪問しておくことにした。と言ってもさっき普通に昼食を済ませたし、缶コーヒーぐらいしかネタは無い。
持て余すような安心感が有り難く、つくづく昨日の修羅場が思い出される。今日は順調な進捗だ。このまま淡々と進んでればいい。
12:55、計根別発。町北側の谷を越えた後は、平べったい台地を養老牛までほぼ一直線。
いつもこちら側から山裾へ向かうときは緩い登りであること、そして開けた風景の中の道であることと、風景の変化が少ないため、登りが視覚として見えにくいことは分かっている。今日は加えて向かい風で更に動きにくい。
しかし上標津を過ぎると、先入観とは違う風景が展開し始めた。景色の中の起伏が、単調になりがちな牧草地と防風林の風景にアクセントを付け、むしろ整った風景が際立っている。また、山裾が近づき始めてその距離が意識されることにより、風景の拡がりが却って適度な開放感を伴って感じられるようになってきた。今日の道は間違いなく当たりだ。
山裾が近づいてきた、ということは山裾の道道885に近づいているということだ。時々地図を確認すると、思っていたよりまだ少し手前だったりする。それはこの辺りで毎度のこと、それもまた楽しい。
14:10、道道885着。ここから昨日通った山裾1本道の道道150に乗り換え、北東へと脚を進めてゆく。
人気が高いこの道の私的ハイライトは、養老牛のながかわ商店交差点で道の名前が道道150に替わってから、旭新養老牛から若竹へ向かう直線区間だ。一番山裾際に一直線の道が若竹まで続き、山側に開けた牧草地、反対側にカラマツの高い防風林。整って落ちついた表情の風景と空間が際だって魅力的だ。今日は若竹で、久しぶりに山裾側区画の高峰へ寄り道することにしているため、何だかそそくさと通り過ぎてしまった。
高峰は、道道150が南へスライドし始めると共に山裾側に区画が拡がる、そこにある集落だ。若竹でGPSトラックに従い、高い防風林の間2〜3グリッド北西へ。道がダートに替わる区画から1グリッド北東へ進んで、折り返しとする。もう少し外側に舗装道路が続く箇所はあるものの、以前通った記憶だと熊が潜んでいそうな雰囲気だったのだ。
折り返しは下りだと思っていたら、意外な程速度が上がって驚いた。この辺、風景が広々としているため、景色を眺めているだけじゃ斜度がとてもわかりにくい。
再び北進に戻って道道150と交差、そのまま南下してゆく。昨日往路に通った道だ。
もうすっかり水が引いた牧草地を眺め、またもや昨日の嵐をつくづく思い出す。今日は至って平和な天気である。
14:55、俣落着。まだ14時台だ。予定じゃなくても、この時間なら開陽台に向かわねばならない。
記★
入口からいつもの坂を登り、途中で隣の開陽台牧場を見渡し、15:15開陽台着。
自転車に鍵を掛け、何は無くともまず展望台へ。
今日の開陽台は、陽差しがそろそろ目に見えて弱く赤く低くなり始め、秋らしく涼しい開陽台だ。まだ15時とはいえ、日没までもう2時間無い。風景全体が夕方へと変わりつつある。風ももう大分収まってきた。
秋のこの時期、増して昨日の嵐の後。遠景が全体的に過去最大級にくっきりはっきりとよく見える。尾岱沼や野付半島、風蓮湖。国後島の岸壁っぽい岸はもちろん、奥の高い山がはっきりくっきり空に浮き上がっている。後で石川さんに質問したら、それは国後の爺爺岳で、1000m以上ある山らしい。方向を変えると、さっき通ってきた計根別の、建設中の乳製品工場が森の中に輝いている。
またもや、昨日の嵐で危険な目に会ったことを思い出した。晴れとそうじゃない日の差が極端なのは夏だけじゃないのだ。つくづく今日は、良い日だったと思う。宿はもうすぐそこ、何の心配も無い。いや、最後まで事故に遭わないよう、細心の注意を払う必要はある。
360°カメラや広角レンズで拡がる根釧台地を撮っても、開陽台のために持ってきた望遠レンズで写真を撮っても、どうせいつもと同じような写真しか撮っていない。どっちでも良いことを思いつくままに任せ、根釧台地を見渡し、澄んだ空の中にいるような気になって、涼しい風にただ吹かれて、気が付いたら40分ぐらい経っていた。
開陽台から民宿地平線へはもうそのまま向かおうと思っていた。しかし、途中毎度の私的ポイント、ダート町道があることを思いだした。今年の開陽訪問では余り天気に恵まれず、何度も通過してしまっていたのだ。今は絶好の天気なので、こういう時に立ち寄っておくことにした。
眩しい夕陽の中で一直線のダートをバックに地平線と自転車を撮っておく。また来ますよ。
16:30、民宿地平線着。
昨日鱒やにお電話くださった石川さんに御礼と、昨日の道中各所について、そして根釧台地を少し甘く見ていたかもしれないと報告しておく。仁多はやはり、根釧台地の周辺部でも風が厳しい場所であり、冬はあの風が−10℃以下で吹雪になって吹き荒れるとのこと。そりゃあ危険だな。スノーシェッドが昔からある訳だ。
その後は保養所温泉へ。いつものようにお風呂と夕食にする。今日は洗濯する必要は無い。
明日の天気は午前中晴れ、午後から曇りで最高24℃と大変申し分無い。飛行機が14:55なので、昼食を見込んで空港には12時半前に着く計画にしておけば、もし何か途中でトラブったときでもまあ安心だろう。
もう少し具体的な行程としては、西側に向かって南下して、大成折り返しぐらいで考えていた。しかし、今日の感じだと途中の風景を眺めていたら、大成まで行けないかもしれない。計根別手前辺りがいいところかもしれない。ならば途中で時間を見て折り返せばいいいだけのことだ。
有り難いことに最終日に天気の不安が無い、そのことが明日最大のポイントだ。前の夜に飛行機が飛ばなくなった年だってあったのに。
と思って気が付いた。あの嵐が1日早まっていたら往きの便を直撃していたし、2日遅かったら帰りの便を直撃していたのだ。やはりこの時期、旅が成り立つのは首の皮1枚、なのかもしれない。
記 2025/11/10
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