紀伊半島Tour24#6
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日置川の川幅と谷間はこの辺から幅がゆったりと悠然と拡がり始める。
川幅の拡がり以上に、周囲は両岸に切り立つ山肌が迫る渓谷から、山に挟まれた平地に畑や集落が拡がる下流域の雰囲気に変わってゆく。
この期に及んで峰越の登り返しが2回も現れた。そして1つは100mを越える規模なのを、事前の計画で完全に見落としていた。
しかし少し高い位置から見下ろす対岸やこちら側の岸辺には、居心地良さそうなキャンプ場が散在し、多くのワゴン車が停まっていた。家族連れの子供が川で遊んでいて、子供にとって最高に楽しいだろうなと微笑ましい。
河岸の道幅は拡がっても、日置川の流れ、流域の風景は、こよなく清らかで美しく堂々としている。渓流の険しさが薄れ、ゆったり穏やかで人懐こい里の雰囲気なのに、ますますきりっと素敵な川だ。
こういう川は初めて出会うように思う。いや、同じく和歌山南部の古座川が、似た表情だったかもしれない。
日置の町に近づき、紀伊日置駅と特徴的な紀勢本線のアンダーパスを過ぎ、海岸の雰囲気漂う日置の町へ進んでゆく。
商店っぽい建物があったと思ったら、スーパーのオークワだ。どこかコンビニに寄って調達しようと思っていた、明日早朝の食料と夕食までの間食を、ここで調達することができた。
15:45、オークワ日置店発。
釣り人が竿を振る河口の港をぐるっと回り込み、海岸へ。河口までのんびりと、しかし寂れていない不思議な雰囲気が見事だ。日置川、素晴らしい。
岬部分を回り込んで現れたのは、日置海岸の白い砂浜だった。
ぐるっと弧を描く浜沿いに、自転車道が続いている。最後の最後で、そろそろ夕方が近づく海岸の風景を眺めることができた。
16:20、リヴァージュ・スパひきがわ着。私の自転車ツーリングの宿として過去最高を更新する宿泊料金。さすがはかんぽの宿だけあり、太平洋と海岸の千丈敷を真っ正面に臨む(1階屋根防水の眺めを挟むが)部屋、温泉とも設備に何か不足を感じる余地は全く無い。18時からの夕食も、会席コースで大変ゴージャス、お腹いっぱい大満足。太平洋を暗くなるまで眺めること無く、まだ明るい19時過ぎに寝てしまった。
この宿、6月から宿泊営業を止め、日帰り入浴専門の温浴施設になるとのこと。何はともあれ、泊まれて良かった。
記 2024/6/8