紀伊半島Tour24#6
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合川の交差点を過ぎ、県道37へ進む。再び森の細道が始まった。
合川ダムまでは、ほとんど登らないという逆方面からの記憶をちょっとだけ超えるぐらいの20m登り。
そこから記憶を大幅に上回る斜度と規模の90m激下り。ブレーキを目一杯かけてハンドルを押さえ込み、こんなの絶対登りたくないと思う。
しかし2006年のツーレポには、いつものボリューム目論見違いで散々遅れた挙げ句、「やっと合川ダムに来た」と思ってこんな坂の登りが嬉しかったようなことを書いている。もうああいう行程は組まないようにしようと、心から思う。
河岸へ降りた県道37は、中流域の日置川とともに、新緑もりもりの急斜面が切り立つ谷底に続く。河岸の森に続く路上には緑色の木漏れ日が道にきらきら斑を作り、杉の木立の向こうに青い川面がきらきら光っている。
時々森が開け、川面が拡がったり、小さな集落が現れる。見渡す川原には、ごつごつ大きな石が荒々しい。透き通る川面と対照的だ。日置川の道は記憶通り、光と瑞々しさに満ちているのであった。今日も午後になって、ここに来れて良かった、今日のコースで良かったという気になれている。
途中で富田川沿いの鮎川から一山越えてきた県道221と合流し、県道37・221は対岸へ渡る。
峠ではないものの、憶えていた登り返しは早々に現れた。それが紀伊田辺方面からの県道36の分岐であることは憶えていた。
そして登り返しの最高地点は、やや枯れた雰囲気の県道36分岐ではなく、もう少し手前の山肌の峰へ登って下った場所である。
県道36・37となった道は、その先再び日置川の川原際まで支流沿いの森の中へ下ってゆくのだった。
銀色のがっしりした鉄骨トラスが印象的な宇津木橋を渡ると、明日通る予定の小附方面へ県道36が分岐してゆく。
ここから海岸の日置まで、再び単独となった県道37は初めて通る道だ。明日の朝、もう一度日置から通ってくる道でもある。
記 2024/6/8