紀伊半島Tour24#6
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引き続き国道371で次は丹生ノ川の谷間に移り、標高差300m程度の笠塔トンネルを越える。国道371対岸の東へ移ったのは、途中国道371が無駄に小山を登って下る箇所がある(ように思えた)ためだ。
対岸集落の細道から丹生ノ川沿いの県道735を経由し、国道371が丹生ノ川の谷に戻って来る合流点を目指す。
本日の上り一発目を前に、静かな新緑の渓谷に脚を停めておく。
殿原の宮前大橋で対岸に渡った国道371は、集落の外れから谷間へと進み、途中からおもむろに山中を離陸し、高度を上げてゆく。
豪快な線形の新道が山と森にぐいぐい切り込み、谷間を一気に飛び越える大きな橋が次々現れる。すぐに山間に、くねくねのたうち回る丹生ノ川の谷間と、引牛越へ向かってゆく県道735が見下ろせるようになる。廻りの濃厚な森に覆われた山々とともに、壮観だ。
広い道が登ってゆく先が見通せるため視覚的にキビシイのとともに、実際にも一気に暑さが感じられ始めた。龍神村東まで、朝から2時間以上ずっと日高川沿いの谷底で下り基調だったのが、この時間になって本格的な登りとなり、しかも木陰の無い開けた路上をとぼとぼ登っているからだ。
まあ暑いとは言え、夏に比べると涼しいとも思う。
こういう道なのに、車はほとんどやってこない。橋の上では深い谷の眺めが拡がるなど、脚を停める口実が多いのがまたホスピタリティ一杯だ。
山中、というより空中みたいに辺りの地形とはあまり関係無いような線形で、国道371は笠塔トンネルまで高度を上げていった。
笠塔トンネルを抜けると、再び空中に放り出されたように、山腹を谷底へまっしぐらに下ってゆく道が始まった。
こちら側でも、支流の小さい谷間を大きな橋で豪快にばんばん飛び越えてゆく。見下ろす旧道がまた崩れかけてるようないないような。あっちに行かなくて良かった。
道そのものの表情や道路設備などが殿原側より多少落ちついて枯れた表情なのは、建設時期が古いせいかもしれない。
大きな谷間に見渡す新緑、濃い緑の山々。青空には5月の光が一杯だ。
下りが落ちつき、森が切れて現れた集落には、休耕田や太陽光発電が目立つ。もう少し先の田圃には田植えが始まっていた。再び辺りは森に変わって下りが勢いよくなって、まだしばらく下り続けた。
下る途中の栗垣内で昭和30年代っぽい鉄骨トラス橋を渡った道は急に細くなり、桑垣内へ農家の庭先や畑の畦道みたいな道が続いたのには驚かされた。
その後はまた拡幅区間になったりしたのが面白い。途中、昨日通った龍神和歌山スカイライン、そのなれの果ての日高川流域区間、この新道山越えや次の紀伊半島細道国道区間、極めつけでもう少し東に山道区間等々。国道371は実に多彩な道だ。多彩というよりは、いろいろな道のつぎはぎなのかもしれない。
記 2024/6/8