丘へ登るカーブの先、唐突に分岐が現れた。その道はこの辺の道としては細道の記号で地図に描かれていたので、ダートだと入り込むかどうかはちょっと要検討だな、と思っていた。しかし、実際の道は当面は問題無さそうな雰囲気の舗装路面のようだ。
農道は台地に乗り上げ、一直線道路ばかりの根釧台地には珍しい一直線じゃない線形で、上風連・中西別の狭間、あまり把握できていない空白地帯に続いてゆく。一直線じゃないというのは1/5万地形図上での描かれ方であり、実際には連続カーブじゃなくて一直線の道が牧草地まっただ中でかくっと曲がり、また一直線が続くという感じ。やはり根釧台地らしい道だ。台地上は比較的平らであるものの、時々浅い谷を越えてゆく。いかにも彫りの深い別海中部から真っ平らの北西部に続くエリアである。そんな平原に牧草地、防風林が入れ替わり現れ、牧場も意外に多い。穏当で開けた景色ののんびりした道だ。
この農道、両端が牧草地まっただ中の、あまり経由地や目的地とするような場所じゃない。それに地図上では、無駄にくねくねしているようにも見える。サイクリングの場合は、今日みたいな彷徨い系ツーリング以外には使いにくいような道なのだ。このため、私としては今回の事前計画時に初めて意識したぐらいの大規模未済経路となっている。
まだ9時過ぎ。道はあまり太くならず裁けた表情にもならず、不思議なぐらいに淡々と、西へ進んでいった。辺りの浅い谷は進むにつれ地形が安定し、奥行きが知れない森と茂みに囲まれた牧草地は、次第に飄々とした表情に替わっていった。そして行き先の看板は、いつの間にか中西別から西春別へ変わっていた。
終始のんびりした気分で順当に脚は進み、10時台へと時間は過ぎていった。辺りが明るくなったと思ったら空が切れ、青空が現れ始めた。路上の気温が急に上がり始め、頼むからあまり暑くならないでほしいと思う。弱い風が風が少し吹いてくれて助かっている。この天気でこの暑さだから、もっと暑くて風が吹き荒れた昨日は、やはり出かけなくて良かったと思えた。お天気読み間違いでも何でも。
中西別の南西で、農道は唐突に直線道路の農道に突き当たって終了した。その直線道路へ道を乗り換え、台地上を西北へ北上してゆく。
この道は根釧台地直交グリッドの道であり、風景も見慣れた中西別〜中春別の真っ平らの牧草地が延々と続いてゆく。
小さい交差点に建つ小さな家屋の福島会館という名前には見覚えがある。
国道272が大きく向きを変えつつ交差する辺りから、道は農免農道から道道362に替わっていたようだ。一直線の道なのだ、こういうことはあまり意識しない。そして道道362が牧草地まっただ中で南西に90°向きを変えると共に、GPSトラックも道道362の通りに向きを変え、近年よく通る西春別宮園町へと向かってゆくのであった。こうなると、もうお馴染みの風景が次々現れて過ぎてゆく。途中には、RC造の立派な建物なのに自販機すらない、何度か見知った農業施設が現れた。なるほど、ここに繋がってるのか。
脚を停めると干上がりそうにじりじり暑い。毎度の根釧台地まっただ中に戻っていた。
行く手に突如現れた国道243との交差点、西春別宮園町で日陰へ避難。既知の自販機で缶コーヒーを飲む。国道っぽい表情の国道に時々やって来る車を眺めながら、時々やって来るゴマフアブを追い払い、地図など確認しておく。
時刻は11:15。毎年お馴染みの時間である。札友内には順当な時間に着くだろう。もうすっかり、近年の開陽→札友内の日毎度のパターンに戻ってきている。ああ、今日も暑い。おれは弱い。思えば今日は、というより民宿地平線連泊後の北海道3日目は、202kmと津別チミケップの狭間で一見地味な行程の日だったのが、近年の雨運休増加により穏当で味わい深いツーリング気分の日になっていることに気が付いた。
妄想は止めどないものの、今の現実としては先に進む必要がある。食料も水も取り急ぎ不安は無い。11:25、西春別宮園町発。
記 2024/12/7
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