北海道Tour23#6
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サンルダム堤体へは、日陰の無い暑い路上、緩いながらもダム堤上まで一気に続く直登の視覚が効く。
しかしゆっくりでも登ってしまえば、なみなみと水を湛え拡がるダム湖湖面が開放感と少しの気分的な涼しさで癒してくれる。
それでもダム湖新道の、木陰の少ない暑さは如何ともし難い風は向かい風に替わっていて、熱風と照り返しが尚更暑い。木陰を探し努めてその中を通るようにして、大きく登り下りの湖岸区間を少しづつ進んでゆく。
サンル牧場を見渡しながら下って行く区間が現れると、サンル大橋も近い。
サンル大橋には13:45着。今日のサンルダムは過去最大級の満水だ。ダム側から橋の下、そして上流側が全て水没している。天気が良く、青空を映して真っ青な、そして遠くでは現実から浮遊しているような白っぽい水色の湖面が目の前に拡がっている。
2時間ぐらい前までどうなるともわからなかった今日の天気。それが天気予報通りとは言え、一気に晴れてくれた。2017年にはこのコースで下川手前まで晴れだったのに、山中が雨とのことでタク輪を余儀なくされた。その後このサンル大橋には晴れの日を含め何度か訪れることができているし、その度にこの風景に感慨を感じることができている。改めてつくづくこの眺めが有り難い。
今日またこんな高所の空中からダム湖を見下ろすにつけ、過去の訪問やそれ以前、建設中のこの橋を見上げたことを思い出す。時が過ぎるといつかはこんな日が来るのだ。道道60とサンルダム訪問は私にとって、道北有数の名道であると共に、初めてダム建設により迂回が始まった2004年から続く時間への感慨が大きいと思えた。同じ所ばかり行くのにもそれなりに良いところ、わかることがあるものだ。
14:00、サンル大橋発。放牧地橋さえ通れていればまだ下川から数kmなのに、あっという間に下川から1時間15分が過ぎ去ったことになる。中高年少年老い易く学成り難しだ。それでも時間的にはまだ無理は無い。仁宇布到着に向け、着々と脚を進めて行けばいいのだ。
サンル大橋で対岸に渡った道は、ダム湖から上流側の森林へ続いてゆく。そのうちサンル牧場への行き止まりの道となってしまった旧道が合流し、更に上流側へ。
周囲には延々と森、サンル牧場の牧草地が入れ替わって続いてゆく。相変わらずやや強めの向かい風は続いているものの、青空に緑がこよなく明るく美しく、ところどころで脚を停める口実になっている。そして脚を停めて所々で水を飲んだり補給食を腹に入れたり、日なたが暑くても森と川の風を感じ感謝しながら、のんびり落ちついて楽しく脚を進めることができた。
今日は記憶にある風景の通過時間が、ひとつひとつ長く感じられる。脚を停めた箇所と全体の時間を考えるとむしろさくさく進めているようにも思う。
道道70沿いにいくつかある中の、最上流部のサンル牧場を過ぎて少しだけ高度を上げた後、幌内越峠周辺で緩やかな鞍部を乗り越える。
平坦な鞍部になっていてGPS画面の表示でしかわからない峠の辺り、奥幌内本流林道入口を横目に眺めて通過した後は、谷間へ100m一下り。
谷底の少し開けた平地、道道49合流点手前には休憩広場みたいな道の拡がりがある。今回そこで、数頭のキタキツネ親子が路上にまで出てきて遊んでいた。近年の道内野生動物の例に漏れず、自転車が大分近づいて蜘蛛の子を散らすように道端の茂みに逃げ込んだ。車の事故に遭わないといいなとも思う。
記 2023/12/13
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