北海道Tour22#8
2022/8/17(水) 仁宇布→中川-4

仁宇布→西尾峠 (以上#8-1)
→歌登 (以上#8-2)
→中頓別
(以上#8-3)
→知駒峠
(以下#8-5) →問寒別
(以下#8-6) →中川
  132km

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路
RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 兵安から、曇りという範囲では空は大分明るくなっていた。一方、国道275が通っている中頓別まで下って来ても、相変わらず雲は多い。この後順当に予定通りだと、知駒峠へ向かうコースになっている。しかし知駒峠は、2年前の訪問時が晴れだった。そしてその時は、利尻富士を初めて眺められた程の私的過去最高の眺めだった。今、この天気で知駒峠に登ると、基本的には雲が増えると思われる。しかしSCWで確認すると、こんなに雲が厚く見えるのに、今のところほぼ薄曇り。この後午後はずっと晴れることになっている。本当かなあ。
 果たして今日知駒峠に脚を向ける価値があるのか、音威子府大回りで知駒峠は省略しちゃおうかなどと逡巡しながら、12:15、中頓別発。
 国道275で上駒へ。知駒峠への道道785の分岐が決断の時だ。最後の検討をするために立ち止まり、とりあえず仁宇布から替えてないフロントバッグの地図を現位置を含む「敏音知」に替えてみた。

 気が付くと、いつの間にか動き始めていた低い雲に隙間ができていて、青空と陽差しが現れて急に辺りが暑くなり、またすぐ雲がやって来て隠れた。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 ほんの短い間の出来事だった。しかし、これで心は決まった。知駒峠、行ってみようじゃないですか。代案の国道275・音威子府・国道40より全区間で車が少ないだろう。それに明らかに、辺りは明るくなりつつある。

 宗谷地方の峠はどこも非常に長い裾部分の後、低い峠を急に登り始めて下り、また長い裾を下ってゆくという構成のものが多い。知駒峠もその例に漏れず、麓区間では延々と緩い登りで谷間の牧草地を進み、裾から斜面の森に取付き、突如、そして5〜6%ぐらいで登り始めてゆく。

 

 100m程登った辺りで動いていた雲が切れ、空は急に晴れ始めた。そして道の外側には展望が一気に拡がった。山裾から緩やかに下ってゆく平地は濃淡の緑、そして低山が彼方の青いシルエットへ重なって続いてゆく。空間のど真ん中には、名峰敏音知が居座っている。前回、敏音知はそのすっきりと端正な姿を2001年以来に見せてくれたものの、すぐてっぺんに雲が掛かってしまった。印象的な美峰ながら、毎年の私の訪問時には、なかなかその姿を拝めない印象の山なのだ。それが今、雲は動きつつも、敏音知が遮られることが無い。そして雲はどんどん去り、少なくなっている。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路
 

 未だ標高は300m台なのに、周囲の山々は標高200m台とか100m台なので、低山の稜線と裾野に拡がる平地が一望なのだ。長い登りの間、全く退屈しない。というより勿体無いので、脚を停め停め敏音知を眺めて登ってゆく。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 PENTAX K-1 MarkII HD PENTAX-D FA15-30mm1:2.8ED SDM WR パノラマ合成
 

 稜線のスノーシェッドから山頂に建つTV通信設備の下へ、道はぐるっと回り込んでゆく。この通信設備のために、道道785はわざわざ越える必要の無い知駒峠越えなんていう経路を辿って問寒別へ下るのではないかと、私は毎回思っている。

  PENTAX K-1 MarkII HD PENTAX-D FA70-210mm1:4.0ED SDM WR

 きょろきょろ見回していたら、標高400mを越えた辺りで驚かされることがあった。東の遠景、と言ってもそれほど遠くでもない辺りに、平地と真っ青な海面が見えるのである。平野の雰囲気とその背景の山、海岸との位置関係に記憶がある、というより明らかに浜頓別南のオホーツク海である。何とオホーツク海を知駒峠の登りで眺めることができるのだ。そんなことは今まで聞いたことが無い。知駒峠の展望の素晴らしさを、前回以上に思い知ることができたのだった。

記 2023/2/15

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Last Update 2023/4/16
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