かなやま湖→北落合
(以下#6-2)
→幾寅
(以下#6-3)
→麓郷
(以下#6-4)
→上富良野
(以下#6-5)
→大村
110km
南富良野町の天気予報は6時まで曇り、7時から13時まで晴れ。美瑛は12時以降晴れ。南富良野町から美瑛町へ向かう今日の行程を考えると、大変申し分無い。天気予報としては。
4時、部屋の灯りを点けて2階から下階へ降り、出発準備開始。バルコニーの外、夜明けの森は霧の中だ。明るくなり始めた景色の色合いは青っぽく暗めで、晴天という感じではない。しかし雨が降ることは無いだろう。 昨日に続きカップ麺を部屋の電気ヒーターでお湯を沸かし、飲むように身体に押し込んでゆく。部屋の入口近く、昨日輪行袋から組み立てた自転車に、もちろん荷物積載も室内で落ちついて行うことができる。2018年以来訪れていない北落合が、10kmぐらいのところにあるのだ。行かねば、天気予報を信じて。
5:25、かなやま湖ログホテルラーチ発。
道道465でまずは幾寅へ。湖岸の森はまだ山影の中だ。茂みと森の中の道は広く、空気はひんやりしている。出発後の軽い起伏は、1986年に初めてこの湖岸の道を走ったときから恨めしく印象的だ。ちらちら見えるかなやま湖と木漏れ日の道にテンションを上げ、湖岸は平坦だと思って調子を上げていたところに起伏が現れ、息切れしたのだった。あの頃からおれはてきめんに坂に弱いな、と思う。
登ったところで森が開け、道端で湖面を眺めることができるものの、その後森の中に平坦な道が続くようになって湖面は見えなくなった。
湖岸の森が畑に変わってもうすぐ幾寅な筈なのに、畑沿いが結構長い。
静かな道をとぼとぼ流す内、早朝だから森でも畑でもとにかく熊が出るかもしれない、と怖くなってしまう。
6:00、幾寅着。山間の町、幾寅に朝日が当たり始めていはいるものの、まだ陽は高くない。
交差点で何の気無しに道の駅の方向を眺め、とりあえず道の駅で缶コーヒーを飲むとする。隣の敷地に、昨日幾寅ハイヤー社長さんのお話で伺ったモンベルアウトレットストアの、木造っぽい店舗を確認できた。この時間なので当然の如く、お客さんがいるはずも無く、ひっそりと静かだ。振り返ると、交差点の向こうに3階建ての建物にMarriottの文字が見えた。あれが昨日幾寅ハイヤーの社長さんに伺った素泊まりのマリオットか。場所、雰囲気は悪くない。食事さえ何とかなれば、今後頼りにできるかもしれない。以前幾寅で泊まった坂井旅館やかなやま湖のログホテルラーチとともに。通常北海道Tourで使っているオホーツク内陸経由パターンの旅程だと幾寅に泊まる機会が無いので、またその必要ができたときにでも。
引き続き北落合へ向かう。町外れからGPSトラックに従い、畑の中の農道から、根室本線を区間廃止に追い込みつつある水害がすっかり眺めを変えてしまった空知川を渡り、幾寅川の谷間へ入り込む。
道の周囲が畑から、谷間の茂みに変わり、次第にじりじりっと高度を上げ始めるものの、本格的に登り始めるのはもう少し先だ。まだ6時台、朝の森に何か潜んでいそうな先入観がある。しかし、車が時々通ってくれているのが大変心強い。中にはトラックもいる。この早朝から北落合の農作業が始まっているのだろう。尚、こちらの道は北落合から幾寅に下って行く道だが、北落合から下ってゆくもう一つの道、落合方面には、この春熊が出たという話を昨日聞いている。
東幾寅への分岐を過ぎ、狭い谷と幾間が道寅川だけになって道は登りが続く。
斜度は決して急ではないものの、例によってゆっくりのんびり焦らず進むと、やがて前方に北落合の外周森が登場。憶えている風景の順番通りだ。そしてここまで、フロントバッグに地形図をセットしてはいても、あまり地形図を見ていない。我ながら驚きだ。今回、こういうことが多いように思う。北海道に2年振りに訪れて、景色に見入って新鮮な気分が感じられているように思う。自分のことなのだが。
記 2023/1/29
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